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Vol 9:着床前検査:胚染色体の異数性 有効性、モザイク

着床前検査:胚染色体の異数性 有効性、モザイク

病院の先生方をゲストにお招きし、不妊治療の最先端医療技術についてわかりやすくお伝えしていきます。今週のテーマは「着床前検査」。胚染色体の異数性 有効性、モザイクについてお話しています。

番組情報

放送分:2018年3月4日放送分
ゲスト:
テーマ:着床前検査:胚染色体の異数性 有効性、モザイク
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番組紹介

ここからのお時間は「妊活ラジオ~先端医療の気になるあれこれ」をお届けします。
最近「妊活」という言葉をよく耳にしませんか?
妊娠の「妊」、活動の「活」、ひとことで言えば文字通り「妊娠するための活動」という意味があります。
まさに妊活中のあなたに届けていく20分間です。

この番組では、ゲストをお迎えし、テーマに沿って不妊治療の最先端技術を紹介していきます。
お話を進めていただくのは、スペイン発の不妊治療を専門とした遺伝子検査会社アイジェノミクス・ジャパンの法人代表であり、医学博士のアンディさん。そして、技術責任者であり、工学博士のトシさんと、お届けしていきます。お二人とも、よろしくお願い致します。

番組内容

(二人): よろしくお願いします。

西村: アンディさん、今日の話題は何ですか?

アンディ: 今日は、着床前検査について紹介させていただきます。

西村: それでは今週もアンディさん、そしてトシさん。よろしくお願いいたします。

(二人): よろしくお願いします。

西村: あの、アンディさん。先ほどスタジオにいらっしゃるときにマスクを付けてらして。あれっ、どうして?

アンディ: 花粉症なんですよ。

西村: この時期だと、スギですか?

アンディ: スギですね。

松岡:  いやあ、アンディさんのアレルギー、すごいひどいんです。

西村: えっ、そうなんですか? 他にも? 花粉症以外は。

アンディ:  まあ、基本は鼻のアレルギーですね。

西村: あっ、お鼻の。でも今日は、そんなに鼻声ではないですよね、トシさん、ね?

松岡: そうですね。

アンディ: スタジオには入って来ないかもしれないですね、花粉が。

西村: 今日は、でもばっちり、花粉症でもお話を、アンディさん。

アンディ: 頑張っていきます。

西村: ご一緒に、よろしくお願いいたします。
さて、今日の話題なんですけれども、着床前検査について、というふうにご紹介ありましたけれども、具体的にぜひお話、お願いいたします。

アンディ: 今日は着床前検査について。日本は今、学会の指針というのもあってなかなか検査してるところは無いと思うんですけれど、海外の事情についてちょっと紹介していきたいと思います。

西村: お願いします。

アンディ: 着床前検査のPGS。今は、PGT-Aという言い方なんですけれども。

松岡: このPGSはPreimplantation Genetic Screening 、これがPGS。で、昨年の夏ごろからそういった名前を決める委員会の方がPGT-Aと言い出してですね。これが、Preimplantation Genetic Testing for Aneuploidy。

西村: 長いですね。

松岡: 長くなったんです。これの大きな違いは、スクリーニングとは言わず、テストというふうに言い換えたところになります。今日はこう、お話しする上ではちょっと英語はやめて、着床前検査というふうに・・・

西村: 助かります、その方が。

松岡: ・・・話していきたいと思います。

西村: はい、かしこまりました。

アンディ: この着床前検査は、実は日本の産婦人科学会はまだ認めてはいないんです。

西村: そうなんですか? ちなみに、日本ではまだ認めてはいない、というお話ですけど、海外だと、どこではオッケー?

アンディ: もう日本以外はほとんどやっているんです。

松岡: そうです。日本以外はすでに行われていて、近くでは台湾ですね。こちらやられております。

西村: そうやって世界中で認められているような検査方法だということですが、なんで日本ではその検査、受けることが今のところはできないんでしょうか?

アンディ: まず、これは倫理指針に引っかかっているんです。なんで倫理指針に引っかかっているかと言いますと、まず「命の選別」になるという懸念があるんです。なぜ神様の代わりに選んでるのかというような指摘があるのと、もう一つは、産み分けの可能性があるんです。この検査によって男性、女性が分かってしまうから。例えば、特にインドとか中国とかでは、男性を希望する患者さんが結構いるので、バランスが崩れてしまう可能性があるから、そこも懸念されてる材料です。

西村: トシさん、今「命の選別」という言葉がアンディさんから出たんですけれども、こちらは具体的にどういったことなんでしょうか?

松岡: やはり着床前検査の方法が、その卵の中にあるDNA、染色体の方の異数性を見るというこの検査があります。

西村: イスウセイ? 漢字で書くと、どんな?

松岡: 数が異なる、ですね。

西村: あっ、なるほど。はい。

松岡: ですので染色体の数、例えば1番染色体とか、各番号の染色体が一本少ないとか多いとか、そういったのを見るための検査になります。

アンディ: 西村さん。人間の染色体は何本あると思う? クイズです。

西村: えーっ。ほら、こういうクイズはちょっと、どうしましょう? え、いくつ? ディレクターを今見て、ヒントをもらおうとしてます、私。にじゅう、はち? 小さい声でディレクターの声も入っちゃいました。アンディさん、正解は?

アンディ: 正解は、46本あります。

西村: 違いましたわ。

アンディ: 22対と、性染色体です。XYかXXですね。数が違ってしまうと、例えば21番は本来22本あるのが普通なんですけど、23本あればダウン症になります。ですから、そういうふうに異数性が起きると疾患にもつながりますし、それ以前に妊娠もできない可能性もありますので。
学会の指針に戻りますけれども、着床前診断に関する見解は平成10年、もう20年前において見解があったんですが、もう20年経ったんですけどまだ解禁になってはいないですね。

西村: そうなんですね。長いですね。

松岡: 20年ってすごい長い。

アンディ: ただ、数年前からやはりこの着床前診断を解禁に向けて、この日本でもできるように臨床研究がはじまったんです。結果がもうすぐ出てきて、あと1~2年ぐらいで解禁の見込みはあります。

松岡: パイロットスタディじゃないですかね。パイロットスタディがようやく終わりかけて、臨床研究がそろそろ、もうスタート、という。

アンディ: ですからまあ、あと1~2年ぐらいで臨床研究も終わると、解禁につながるかな、というふうには考えています。

西村: 今、あと、有効性についてのお話も進めていきたいと思うんですけれども、やはりここのメリットの部分、トシさん、お願いできますか?

松岡: やはりこの検査、なぜ登場してきたかというと、卵をこう培養していって、見た目ではどちらも良い卵に見える。ただ、見た目ではわからない染色体を調べていくと、片方は正常だけども片方は一本多いとか、一本少ないとかいうのがやっぱりあったんです。そこでこの検査が出てきた、有効性がある。
実際、年齢の増加に伴って、じゃあこの患者さま、例えば卵を五個採ってきました。何個正常なのか、何個異常なのかってこう見ていったデータがあって、実際見ていくと、36歳ぐらいを起点に半分以上の卵はもう異常な胚だと分かってきて、これは年齢の増加、40歳を超えてくるともう8~9割は異常になってると、こういうのが分かってきたんです。そこから検査の有効性、この検査を受けてから子宮に戻す卵を選ぶことで、より着床妊娠率の方が上がると、そういうふうになっていると思います。

アンディ: 検査の有効性に関して、私からもう少し付け加えさせていただきます。実際、海外に行ってPGS、着床前検査の結果を見させてもらったことがあります。40歳の女性で、8つの卵ができました。その検査の結果、8個の中で一つだけ正常でした。ということは、この正常のものを戻さないと妊娠はできないということです。でも、この検査をしない限りどこが正常なのか分からないんです。今、日本の制限は決まりがあるんですけれども、MAXは2個しか戻せないんです、卵を。じゃあ、8つの中でどうやって正常のものを見つけ出すか、というのはなかなか難しいです。
今、一般的なやり方としては、形態を見るんです。形態というのはカタチを見て、培養しながら分裂してくるんですけども、均一に分裂してるか、とか。これは前々回の藤野先生からも話があったように、ミオ・ファティリティの先生がタイムラプスという方法を作り出したんです。

西村: タイムラプス。

アンディ: タイムラプスという方法を考えたんです。一般的に使われているんですけど、ただ、染色体の方は見てはいないですね。

西村: タイムラプスとは、具体的にどんな見方なんですか?

アンディ: 継時的に培養していくうちに、胚は均一に分裂してきてるかどうか、細胞が均一に増えてきてるかどうか、ですね。

松岡: もう、一時間に一回写真を撮るかのように、培養している間その卵をずっと観察する技術です。

西村: それは人力というか、その研究の方が目で見て確認するんですか? どういうふうに確認するんですか?

松岡: いえ、もう。

アンディ: 顕微鏡で写真を撮るんです。

西村: 実際に撮って、並べていくような感じで見ていく? なるほど。

アンディ: 方法がそれしかないですね。現状、日本では着床前検査ができないのですが、そうすると確認しようがないですね、染色体の異常があるかどうか。ですから、8つの中で2個しか選べないから繰り返して、三回目、四回目でやっと正常のものを移植することができる、というのが現状です。

松岡: この正常と異常の話なんですけども、この異常というものが、正常と異常の間のものってやはり存在することがこの着床前検査で分かってきて。それを、私たちの方ではモザイク、っていう言葉を使います。

西村: モザイクって、よく映画とかを観てると「モザイクが入った」とかいう表現を使いますけれども、ちょっと紗がかかったような、そんなイメージですか?

松岡: そうですね。この検査、ちょっと方法を簡単にご説明させていただきます。胚盤胞期胚といって、もう着床する直前の卵、だいたい培養させて五日目、六日目の卵です。この卵、実際、赤ちゃんになる部分と胎盤になる部分と両方あるんです。
この胎盤になる部分から5~10個ほど細胞を採って、この細胞たちを検査します。例えば、10個採りました。このうち「3つが異常で7つが正常」とか、「5個が正常で残り5個の細胞が異常」だったりする訳です。こういった異なった細胞、正常と異常が交じった状態、これをモザイクというふうに呼びます。やはりこの検査をしていくと、正常なものははっきり正常と出るんですけども、異常なものの中にモザイクってものが存在してくるんです。
このモザイクの種類はいくつかあります。すごく難しい話なんですけども、さっき僕が申しました、この卵の中に胎盤になる部分と実際に赤ちゃんになる部分があるんですけども、僕たちが検査してるのは胎盤になる部分です。胎盤になる部分を採って調べたときに、仮にモザイクだったとしましょう。このモザイクだった結果が、実際に赤ちゃんになる部分もモザイクなのか? というところは、わかりません。
一応私たちは、それを反映してると思って、その検査結果をお出ししてます。ですので、このモザイクという結果は、すごく気を付けて、注意して見ていかないと駄目な点ではあるんです。だから私たち、異常とは言いつつ、例えば、「この卵、モザイクでした」と。先生たちは、この胚が、例えば卵が、この患者さんもうこれしか無い、といった場合にどうするのか? っていうところまでちゃんとカウンセリングを兼ねて、説明をしないといけないところなんです。

西村: 『妊活ラジオ~先端医療の気になるあれこれ~』。今日は、理学博士のアンディさんと、工学博士のトシさんとお届けしています。
さあ、引き続きトシさん。今、着床前検査のモザイクという部分。この件についてお話しいただいたんですけども、いろんな工程を、こうある、この検査はコスト的にはどのくらいのものなんでしょうか? アンディさんでよろしいですか?

アンディ: コストは、本当に先生にもよるんですけれども、一般的にはだいたい一検体7~8万あたりだと思います。ですから、8個も検査すれば、まあまあの金額にはいきますけども。

松岡: ただ、アメリカの例でしたっけ。トータルでの妊活で、妊娠に至って子供を授かるまでのトータルのコストですね、その場合。

アンディ: その場合、もう少し安くなります。

西村: そうなんですか? それはなぜでしょうか?

アンディ: 弊社の内部データなのですが。海外でたくさんの着床前検査を弊社で実施してきてその中の統計データなのですが、やはり、患者さんが検査せず妊娠して子供が生まれるまでのコストと、着床前検査をして子供が生まれるまでのコストを考えると、検査する方が安くなるんです。なぜかと言いますと、検査することで不妊治療を繰り返す回数をだいぶ減らすことができて、良好胚、良い胚を選ぶことができるので、そこの効果が大きいかなと思うんです。

西村: 何回も受ける検査では無くて、もう回数を減らして、早くお子さんに出会うときを短くする。っていうところでも、興味深いですね。
さて、お話進めてまいりましたがアンディさん、来週、次回はどんなテーマでご紹介していきますか?

アンディ: 来週は「ミトコンドリアと生殖」というテーマで紹介していきたいと思います。

西村: あら。トシさん、私の目を見て言ってます。皆さんも今、お聞きいただいたと思うんですが、ミトコンドリア。あれ? これって、こういう先端医療の中で出てくる言葉としたらポピュラーですか? トシさん。

松岡: ポピュラーだと思って話してるんですけど。

西村: 私はちょっとびっくりなんですけれども、その辺りも、どんなお話があるかというのも、ぜひ皆さんお楽しみに。

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