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Vol 17: 卵管と不妊治療について

アンディさん、中村嘉宏先生

病院の先生方をゲストにお招きし、不妊治療の最先端医療技術についてわかりやすくお伝えしていきます。今週のテーマは「卵管と不妊治療について」。

番組情報

放送分:2018年4月29放送分
ゲスト:なかむらレディースクリニック 院長 中村嘉宏(よしひろ)先生
テーマ:卵管と不妊治療について
FM西東京のページ:こちら

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番組紹介

ここからのお時間は「妊活ラジオ~先端医療の気になるあれこれ」をお届けします。
最近「妊活」という言葉をよく耳にしませんか?
妊娠の「妊」、活動の「活」、ひとことで言えば文字通り「妊娠するための活動」という意味があります。
まさに妊活中のあなたに届けていく20分間です。

この番組では、ゲストをお迎えし、テーマに沿って不妊治療の最先端技術を紹介していきます。
お話を進めていただくのは、スペイン発の不妊治療を専門とした遺伝子検査会社アイジェノミクス・ジャパンの法人代表であり、医学博士のアンディさんです。

番組内容

アンディ: よろしくお願いします。今日はスタジオに大阪から、なかむらレディースクリニックの院長の中村嘉宏先生にお越しいただいています。先生、今週の話題は?

中村: 先週は高度不妊治療、これからの高度不妊治療についてお話しさせていただいたんですが、今週は卵管と不妊治療の関係についてお話しさせてください。

西村: さあ、今日のゲストはなかむらレディースクリニック院長の中村嘉宏先生です。先生、よろしくお願いいたします。

中村: よろしくお願いします。

西村: 先生から、先週の振り返りのお言葉いただきました。これからの生殖医療について先週お話ししたんですが。アンディさん、ここで、先週聞き逃してしまったよっていう皆さんに、ダイジェストで振り返っていただけますか?

アンディ: そうですね。先週のお話、かいつまんで言いますと。まず、これからの生殖医療は、やはりその胚も子宮内膜の状態も良くしていく、整えていくというような技術が必要で。胚の検査は着床前診断、PGS(PGT-A)という検査があって、染色体の異常があるか無いかの確認をして、良い胚を選ぶことはできるというのは、これが導入できたらいいなと、学会もオープンになったらいいなという話を先生からいただいて。それから、その子宮内膜の状態も着床の窓をしっかり測って、良いタイミングで移植すれば妊娠率も高くなるという話を先週いただきました。

西村: そして今週なんですが、先生。卵管と不妊治療についてということなんですが。この卵管という言葉は、もう何回も聞いたことはもちろんございますけれども、卵管がどんなものかっていうところをですね、まず詳細に考えたり調べたり、あまりしたことが無くて。教えていただいてよろしいですか?

中村: イメージしにくいかもしれないんですけれども、子宮の両側、両方にある臓器でして、長さが10センチぐらい。くねくねとした臓器で、常に動いてます。で、内腔はだいたい1~2ミリぐらいの細い臓器なんです。卵管の役目というのは、卵巣から排卵された卵子を、卵管の先の手のひらのような形をしてまして、それをピックアップして吸い上げてあげる。そして、精子が子宮の中を通って、卵管の中を通って、卵管の端まで達して、卵管の中で吸い上げられた卵子と精子が出会って受精が起こります。受精卵というのはだんだん分割しながら卵管の中を動いていくんですけど、一週間ぐらいかけて子宮の中に移動して着床します。もちろん、卵子自体が自分で動ける訳じゃないですので、卵管自体は常にくねくねと動いて卵子をピックアップしてあげる必要があります。そういう臓器ですね、卵管は。

西村: 今はじめて知ったことがすごくいっぱいあります(笑)

アンディ: そうなんですよ。ですから不妊治療というのは、卵管の中で精子と卵子が出会って。出会うことからどんどん動いて、子宮の内膜で着床するまでの過程を体外で、人工で行う、ということが不妊治療です。

西村: そして、この卵管の検査というものもあるんですよね? 先生。

中村: ええ。卵管の検査というのも聞かれた方も多いかもしれないんですけど、子宮卵管造影という検査がありまして。

西村: 卵管ゾウエイ? どんな字を書くんですか、ゾウエイは?

中村: 造影は「造る」という字に「影」という字を書くんですけど、造影剤というのは子宮の中に入れて。子宮と卵管は当然つながってますので、ちゃんとこれが開口してるかどうか、ちゃんと通ってるかどうか、それを調べるのに造影剤を子宮から注入していって。

西村: 液体みたいなものですか?

中村: 液体です。それが卵管の方にいってるかどうかを調べていく検査です。卵管というのは精子、卵子の通り道である、だから開いている必要、通っている必要があるというのと、もう一つ大事なのは常に動いている必要があるんです。やはり精子が通れない、あるいは受精卵が中を通れなくなってしまうので不妊の原因になります。

西村: 具体的に原因として挙げられるものは何ですか?

中村: 大きなものは炎症なんですけど、この炎症を起こすものにだいたい二つありまして、クラミジアと子宮内膜症ですね。それぞれ特徴があります。子宮内膜症というのはちょっとなじみ無い方もいらっしゃるかもしれないんですけど、子宮内膜というのは生理のたびに剥がれ落ちてくる部分です。それが子宮の中以外の部分に、骨盤の中にできてしまうのが子宮内膜症です。だから、月経のたびに月経と同じ現象が起こるので炎症が起こりますし、それが卵巣に巣を作るといわゆるチョコレート嚢腫(のうしゅ)という状態、中に溶かしたチョコレートみたいな液体が溜まる卵巣の腫瘍になります。こういう状態になってくると、卵管にも炎症が起こって詰まってきたりします。

西村: この子宮内膜症というものにもし、なったなっていうのは自分で感じて分かることができるものなんですか?

中村: いや、小さいものであればもう分からないんですけれども、先ほど言いましたチョコレート嚢腫になってきますと、超音波で分かることがあります。子宮内膜症の特徴的な症状というのは月経痛ですね。生理痛がだんだん強くなってくると子宮内膜症の恐れがありますので。だいたいそうですね、女性の十人に一人は子宮内膜症が。

西村: 結構な数ですね、十人にお一人っていうことはね。でも、私生理重いのかなあとか、今日はちょっと体調悪いからかなあ、なんていうふうにこう見過ごしてしまっている場合というのもあるんでしょうか?

中村: いう場合もやはりあると思います。

西村: なるほど。そして今挙がりました子宮内膜症。あともう一つは?

中村: もう一つはクラミジアという性感染症の一種なんですけれども、意外と頻度が高いもので、自覚症状が無い場合が結構多いんです。気付かないうちにかかって、気付かないうちに治ってしまう。

西村: あっ、治るんですね。

中村: 治ってしまうんですけど、ただ、治る過程で炎症を起こしまして、最初は子宮の入り口にいるんですけれど、それがだんだん上の方、上行性というんですけど、行きまして、卵管の中で炎症を起こして、卵管に癒着を作って、卵管の通りが悪くなる。そういうことが起こり得ます。だいたいそうですね、人口の4パーセントぐらいはかかってるんじゃないかなと言われてます。

西村: なるほど。自覚症状が無いまま治る場合があるって今、お伝えされていらっしゃいましたけども、自覚症状が出る場合もあるんですか?

中村: あります。

西村: それはどんなふうに?

中村: 腹痛ですとか、熱が出るとかですね。

西村: なるほど。そういった今挙がりました子宮内膜症。それからクラミジア。これがこの卵管の異常の部分で最も多い二つなんですか?

中村: おそらく一番多いのがクラミジアですね。クラミジアの癒着の、納豆が糸を引いたような癒着になります。対して子宮内膜症の方は紙をのりで引っ付けたような硬い癒着になるのがそれぞれの特徴です。

アンディ: 先生。今、性感染症のお話があったんですけど、クラミジア以外に他の寄生感染症はこういった癒着の現象も起きない?

中村: いや、やはり細菌であれば全部起こり得ます。淋菌(りんきん)も起こり得ますし、それ以外の、例えば大腸菌だとか、皮膚の表面にいる菌とかであっても細菌感染によって炎症が起これば、やっぱり起こり得ます。クラミジアというのは割に症状が起こりにくいものなので、それがやっぱりこう、気付きが遅くなる。

アンディ: なるほど。わかりました、ありがとうございます。

西村: 「妊活ラジオ~先端医療の気になるあれこれ~」。今日はスタジオに大阪から、なかむらレディースクリニック院長の中村嘉宏先生にお越しいただいています。中村先生、後半もよろしくお願いいたします。

中村: よろしくお願いします。

西村: 前半は、卵管がどんなものなのか、とか、それからどんな異常が起こるか。例えば子宮内膜症だったりクラミジアによることがあったりというようなお話だったんですけれども、じゃあ実際にそういった異常のところ、原因のところへの治療はどういうふうに先生、進めていらっしゃるんですか?

中村: 一般的にはFTカテーテル。あるいは、難しく言うと卵管鏡下卵管形成術という治療があるんですけど、卵管が詰まったり細くなったりしている場合にその、チューブ状の風船ですね、それを空気の圧で。卵管ってのはすごく細いものでくねくねしてるので。

西村: 細いってどのくらい?

中村: 内径がだいたい1~2ミリぐらいですね。すごく細いものなので、こういうチューブを、カテーテルというんですけども、これを空気の圧で徐々に伸ばしながら中の詰まりを取ってあげる。あるいは細い部分を広げてあげるという治療です。卵管鏡下と言いましたけれども、このチューブ、本当にチューブみたいな形してまして、その中に径が0.6ミリの針金のような卵管鏡というのが入っているんですけれども、それで卵管の中を観察しつつ、通っているのを確認しつつ、こう卵管を形成していく。ちゃんと通してあげるという治療です。これが一般的に行われています。

西村: 今お伝えいただいた一般的な検査、時間はどのぐらいかかるものなんですか?

中村: 時間がだいたい、施設、やり方にもよるんですけど、15~30分ぐらいです。

西村: あっ、でもそれぐらい短いお時間でできるんですね。

中村: 両方やってそれぐらいだと思います。

西村: なるほど。そして、先生のなかむらレディースクリニックではさらに特徴的な治療があるとお聞きしたんですけれども、ご紹介いただけますか?

中村: 特にうちのクリニックでしている方法で、これはダブルスコープと呼んでいるんですけれども、子宮鏡です。卵管鏡は0.6ミリなので視野がそんなにとれる訳じゃなくてピントもそんなに合わないんです。そんなにきれいに映る訳じゃないんです。ピントが合ったときにちらっと分かるような感じ。だから、これだけで子宮の方から卵管の入り口を探すとなると結構難しいし、ときには卵管の中に入ってない場合、子宮の中だけをうろちょろしてる場合もあるんです。それを防ぐために、卵管鏡以外に子宮鏡を。子宮鏡というのは径が5ミリぐらい、ファイバースコープです。手帳に付いているボールペンぐらいですね。それで子宮の中を見てあげると卵管の入り口はすぐに分かります。そこにこのFTカテーテルを当ててあげると、後はもう空気の圧で送り出していくだけだし、例えチューブが卵管の中に入らずに子宮の中に戻ってきたとしても子宮鏡の方で見ることができるので、こういう二つのスコープでやっていくのが当院での特徴になってます。

西村: アンディさん。今、先生がご紹介いただいた、先生の特徴的な治療方法についてなんですけれども、アンディさん、やっぱりその辺りはお聞きしてどう感じられますか?

アンディ: 先生からこの話をいただくと、とても面白いと思って。私の分野は遺伝子学なんですけど、医学でいろんなものが進んでいて。このダブルスコープという概念は、先ほど聞いてちょっと分からなかったのは、卵管鏡と子宮鏡は、卵管鏡が子宮鏡の中に入っている訳ではないんですよね? 別々にある訳ですね。なるほど。それで、子宮鏡を使って卵管がどこにあるか、入り口を見つけるという話ですね。なるほど。この卵管鏡の手術って何か制限があるんですか? もしくは手術すると副作用とかあったりするんですか?

中村: 制限は特には無いんですけど、副作用としては感染とか炎症とか起こる可能性はゼロでは無いし、卵管鏡がこの卵管を突き破ってしまう場合。まあ、怖いようですけど、卵管を突き破ったとしても自然にくっ付いてくれる臓器なので、そんなにお腹開けて手術しなくてはいけないとか、そんな副作用はほとんど無いんじゃないかなとは思います。あとは妊娠率についてですけれども、これでちゃんと開通された方はだいたい二年以内に30パーセント妊娠されます。逆に言うと70パーセントぐらいの方は妊娠されないんです。このゴールデンタイムというか、手術してから半年ぐらいはゴールデンタイムで。妊娠された方の八割ぐらいは六~八カ月以内ぐらい。だからもし半年ぐらい様子見て手術受けて、半年ぐらいタイミング法か、、人工授精をして妊娠されない場合は、やはり体外受精とかの高度生殖医療を考慮していていってほしいなと思います。

西村: そして今お伺いしてた検査についてなんですけれども、これって保険は効いたりするんですか?

中村: この治療自体はすごく高額な治療なんですけれども。

西村: でしょうね。なんか今お伺いしてそうなので、すごい、保険が効くのかしらっていう気持ちが。

中村: 保険適用ございますので。

西村: ああ、そうなんですね。それは申請した方がいいものでしょうか?

中村: はい、高額医療の申請をしていただければ、患者さまのご負担は上限額になります。

アンディ: 先生。ダブルスコープというのは、一般的にやられているものではないんですよね。

中村: ではないです。やはり麻酔担当の者、子宮鏡担当の者、卵管鏡担当の者と医師が三人必要になりますので。大阪で多分されているところ、うちだけじゃないかな、と思います。

西村: 二週に渡ってゲストでご出演いただきました、なかむらレディースクリニック院長の中村嘉宏先生でございました。中村先生、最後に皆さんにメッセージをお願いします。

中村: 当クリニックのホームページにはスタッフの活動をお伝えするコラムの方もしておりますし、フェイスブックの方もしておりますので、ぜひご覧になっていただければと思います。

西村: あの今日、多分二週に渡って先生の声を聞いてる皆さん。なんかダンディーな素敵な(笑)お声でいらっしゃいまして。この放送、ポッドキャストでもまた聴き直していただけますので、中村先生のメッセージなど、いろいろ皆さん、聴き直してみてください。そして、アンディさん。来週のゲストの方、ご紹介ください。

アンディ: 来週は、IVF大阪クリニック、院長の福田愛作先生にお越しいただきまして、着床前スクリーニング、PGS(PGT-A)についてお話をいただきます。

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