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Vol 38:EMMA / ALICE検査の実施とその成功例

吉田 淳 先生、アンディさん

病院の先生方をゲストにお招きし、不妊治療の最先端医療技術についてわかりやすくお伝えしていきます。今週のテーマは「EMMA / ALICE検査の実施とその成功例」。

番組情報

放送分:2019年1月20日放送分
ゲスト:木場公園クリニック 院長 吉田 淳(よしだ あつみ) 先生
テーマ:EMMA / ALICE検査の実施とその成功例
FM西東京のページ:こちら

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番組紹介

ここからのお時間は「妊活ラジオ~先端医療の気になるあれこれ」をお届けします。
最近「妊活」という言葉をよく耳にしませんか?
妊娠の「妊」、活動の「活」、ひとことで言えば文字通り「妊娠するための活動」という意味があります。
まさに妊活中のあなたに届けていく20分間です。

この番組では、ゲストをお迎えし、テーマに沿って不妊治療の最先端技術をご紹介していきます。
お話を進めていただくのは、スペイン発の不妊治療を専門とした遺伝子検査会社アイジェノミクス・ジャパンの法人代表であり、医学博士のアンディさんです。アンディさん、よろしくお願い致します。

番組内容

アンディ: よろしくお願いします。今日は木場公園クリニックにお伺いして、院長の吉田淳先生にお話をいただきます。『EMMA/ALICE検査の実施とその成功例』についてお伺いしましょう。

西村: それでは先週に引き続きまして、木場公園クリニック院長の吉田淳先生にお話を伺います。吉田先生、今週もよろしくお願いいたします。

吉田: よろしくお願いします。

西村: さて、まず吉田先生。先週の振り返りを皆さんにお話しいただけますか?

吉田: はい、そうですね。まず、着床障害がある患者さんについて、木場公園クリニックでどのように考えながら攻めているかということなんですけれども、まず採卵をして、良い胚盤胞を獲得して、それを凍結しておく。それから、先週お話をしたような、着床できる時期がずれてないかどうかというERA検査、子宮内膜の着床の検査。あとは次世代シーケンサを用いた子宮内の環境の検査、子宮内のフローラ検査。それと、特に免疫的な異常が無いかどうかというのをターゲットとしたTh1/Th2検査というのを行っています。それらの結果を見た上で融解胚移植のプログラムを、スケジュールを決めるというようにしています。

西村: 一週目、先週の放送ももうボリューム満点の情報盛りだくさんでしたので、もう一度聴きたいよという方はぜひ、ポッドキャストのページがございますので、そちらからもう一度吉田先生の先週の放送もお聴きいただければと思います。
さて、今週なんですが、アンディさん、はい。

アンディ: 今週は子宮内菌叢(そう)について先生からお話をいただくんですけれども、まず子宮内菌叢というのは、もともと無菌と考えられていたんですよね、先生。

吉田: まあ、そうなのかもしれないんですけれども。もうだいぶ古い研究で、20年以上前の研究だったと思うんですけれども、子宮内に胚を戻す操作のことを胚移植と言うんですね。胚移植はもちろん、胚移植用のカテーテルを用いて行う訳です。その胚移植をした後のカテーテルを培養してみると、雑菌が出ている人は妊娠率が非常に悪いというデータがあったんですね、それがまずベースにあるんです。
それらをもとに木場公園クリニックでは、胚移植の前に一般的な、膣内に一般細菌培養というのを行っていました。それが引っかかった方は治療する、ということをやっていた訳ですけれども、どんどんいろんな検査の解析の方法が変わってきて。
腸内と同じように、腸内フローラってよく言われますよね。だから乳酸菌のものをどんどん食べた方が良いと思って、まあ僕も朝ヨーグルトいっぱい、めちゃくちゃてんこ盛りで食べてるんですけれども、それと同じように子宮内とか膣内にもフローラがあると最近では言われてます。
特に子宮内に関しては乳酸桿菌(かんきん)という菌が90パーセント以上いる、と。まあ、菌と共生している訳ですね。その菌がグリコーゲンを材料にして乳酸を作ってくれる。その乳酸は弱酸性ですので、弱酸性になることによって子宮内の健康、ヘルシーが保たれる。妊娠率、着床能が保たれるということになります。

アンディ: 先生。一つ伺いたいことがあるんですけれども。培養の検査で菌を培養することで、やはりその培養できない菌もあるんですよね?

吉田: そのとおりです。だから、培養というのは今おっしゃったとおり、ある一定の菌しか結果が出てこないということになってるんですね。
そうではなくて、この次世代シーケンサを用いた菌叢解析というのは、その子宮内とか膣内にあるすべての菌、と言うとちょっと大げさかもしれませんけれども、ほとんどの菌を培養しないで解析をすることができる。それによって、こういう菌が何パーセントいる、ということが分かるようになったんです。

アンディ: それは弊社のEMMA検査というものでして。先生は、どのような患者さんだったら、ALICE検査は子宮内膜炎の原因菌の検査ですけども、EMMAとALICEと検査はどのような患者さんに推奨されているんでしょうか?

吉田: もちろんコストのこともあるんですけれども、できれば全例やりたいところね、本音を言えば。胚移植の前に一般細菌培養をほとんど全例でやっていましたので、それと同じように。
本当はこの検査をした上で胚移植をした方が、胚が無駄にはならないのかな、と思います。それにはもちろんコストパフォーマンスを考えながら医療をしないといけないと思いますけれども、特に着床障害がある患者さんとかご高齢の患者さん、この胚盤胞しか無いぞというような患者さんについてはもう最初からEMMAとALICEセットで、ERAと合わせて。ERA、EMMA、ALICEとトリオ検査という訳ですけれども、それをセットで一回の組織の採取で済みますので、それをやるようにしています。

アンディ: 先ほどの着床失敗というのは例えば、良いRIF(リフ)と言われるリカレントですね。それを、確かクリニックによって定義が少し違ってくるんですが、先生のところでは何回ぐらい失敗したらRIFというふうに?

吉田: いろいろ定義が、かなり意見が分かれるところだと思うんです。ただ、例えば若い方で良好な胚盤胞を凍結して、良好な胚盤胞を得られている。そしてその若い方の胚盤胞の染色体異常はそんな高い訳ではないということを考えると、やっぱり2回から3回戻して結果が出なければ、きちっといろんな検査をした上で融解胚移植をするべきなのかな、と思うんです。
それが今までも、先週もお話ししたERA検査、子宮内膜の着床能検査。あとは子宮内の菌叢解析ですね。子宮内の環境の検査。で、免疫的な検査ということになるのかな、と思います。

アンディ: それでEMMAとALICEの検査、この菌の検査をしたあとに、その結果をどういうふうに使うか、例えば処置法をちょっと紹介していただきたいと思います。

吉田: そうですね、特にEMMAとALICE、もちろんセットで、プラスでもう絶対両方まとめて出てくる訳ですけれども、EMMA自体が子宮内の菌叢解析、どういう菌がいるのかというのをまず見るよ、と。正解にはにはラクトバチルスの割合がどの程度なのかということですよね。つまり、乳酸桿菌が90パーセント以上ちゃんとあるかどうかということです。ALICEに関しては、慢性子宮内膜炎の原因菌がどの程度あるのかということを見る、と。まあ、同じようなものなんですけど、その全体がみられる訳ですね。それによってレポートが返ってくる。
非常に良いなと思っているのは、この慢性子宮内膜炎の原因菌が出てるからこの抗菌剤とか抗生物質を使って、その上であとは、日本では現時点では発売されてないんですけれども、乳酸菌の膣錠みたいなものを使って、そのあと胚移植すれば良いと、そのようにレポートして書いてくれてますので、非常にそういう点では治療はしやすいなという感じはしますね。

西村: 『妊活ラジオ~先端医療の気になるあれこれ~』。今日は先週に引き続きまして、木場公園クリニック院長、吉田淳先生にお話を伺っております。先生、後半もよろしくお願いいたします。

吉田: どうぞよろしくお願いします。

西村: 先ほど休憩中にいろんな話を、この番組の打ち合わせも兼ねてお話をしてたんですけど、びっくりするお話が私自身はいっぱいあったので、ぜひリスナーの皆さんにも教えていただきたいんですが。

吉田: はい。あれですか、外陰部専用のせっけんでしょうか?

西村: そう。

吉田: そうですよね。日本の方というのはおそらくボディーソープで外陰部も洗っていると。ただ、ヨーロッパの女性とかは多分ほとんどの方が、外陰部は外陰部専用のせっけんを使っている。デリケートゾーンですのでね。
ボディーソープはやっぱり殺菌作用が強いので、それによって外陰部のところにいる良い菌まで殺してしまうという危険性がある、ということなんだろうなと思うんですね。ただ、ほとんどの日本の女性の方っていうのは、まだまだそのデリケートゾーンのせっけんというのは浸透されていないのでボディーソープで洗っているというのが現状なのかなと思うんですけど、うちら不妊学級、不妊者の勉強会セミナーをまあ月に2回ぐらいやってるんですけども、そのときはちょっとそういうソープの話もするようにはしています。

西村: 実際に売り場に買いに行くと、ボディーソープの並んでいるところにデリケートゾーンのせっけん、そもそもあったかしら? ってあんまり思い出せないんですよね。

吉田: 必ずありますね。それは見てないんですね、あると思います。ありますあります。

西村: 今度は購入してみます。

吉田: ええ、フランス製のやつとかって売ってます。まあ、フランス製のやつでちょっと香料が強いですけれども、まあ日本製のやつ、日本人向けに開発されたようなやつも売られていますよね。

西村: 結構そんな、皆さんの中では当たり前のね、教えていただいたお話なんですけれども、多分私のように驚いている女性もきっと多いと思います。

吉田: 多分、9割以上の方が驚いていると思います。

西村: ですよね?

吉田: 使ってない方がほとんどなんだろうな、と思いますね。

西村: そういった意味ではヨーロッパではそういうところがすでにね、女性の皆さんに浸透している情報なんですものね。

吉田: そうですね、それにプラス、ヨーロッパの方ではタンポンに乳酸菌が塗られたようなものも売られている訳です。つまり、乳酸菌がいかに大事なのかということを理解されてるということですよね。

西村: そういうものもいつか日本で売られる日が来るかもしれないですね。

吉田: そうですね、ぜひ売っていただけると非常に良いなと思いますけれどもね。

西村: さて、吉田先生に引き続きお話を伺ってまいります。アンディさん、はい。

アンディ: はい。先ほど先生から、検査の結果を使っての処置法のお話がありました。先生、今、乳酸桿菌の話があったんですけれども、市販の、例えば内服のものもあって、そういったものを使って・・・

吉田: ラクトフェリンとかですかね。

アンディ: ・・・ラクトフェリンとかですね。それは多分、腸には届くと思うんですけれども、実際、不妊治療に使う場合はやはり違う処置法が良い?

吉田: そうですね。やっぱり、腸に届いてそれから子宮、膣に届くっていうのはそんなリアルタイムでは無いし、多い量が行く訳では多分、無いと思うんです。やっぱりダイレクト攻撃が一番良いと思うので、木場はもう特にダイレクト攻撃だと決めているので、やはり膣内に、まあ、日本製が残念ながら無いんですけれども、ヨーロッパで売られている監査員に同意書を書いていただいて、ヨーロッパで売られている生の乳酸菌の膣錠を。これはやっぱりすごく効き目があると感じてます。
この前調べた患者さんは、乳酸桿菌の割合が実は1パーセント。90パーセント以上無いといけないところ1パーセントしか無かった。慢性子宮内膜炎の原因菌もあったんです。なので、そこもうまくプランをして、凍結融解胚移植の前周期にうちはピルを飲んで、それから3日目から女性ホルモン剤を使いながら内膜を厚くしていくんですけれども、ちょうど生理が終わった直後から乳酸菌の膣錠を一週間使えるようにして、その直前まで抗生物質で叩いて、というような作戦ですね。だから、抗生物質で叩くとそこで完全に今度は全部がゼロになる。そうすると、その後何も補充しなければまた悪い菌の方が逆に多くなってきちゃうんですね。なので、抗生物質が抗菌剤で叩いた後に即、乳酸菌を入れる。そしてすぐ胚移植をする、というのがすごく有効かな、と考えてます。

アンディ: そうしたらもちろん、こういった成功例もありますよね。ERAも含めてそういった子宮内膜の全般をケアしてあげる、という検査を使って。実際の成功例を少し。

吉田: そうですね、ERAとEMMAとALICEと合わせてトリオ検査という訳ですけれども。ある患者さんはやっぱり時間がずれていた、と。96時間だったんです。なおかつ乳酸桿菌の割合も非常に低い。慢性子宮内膜炎の原因菌も出てきたということで、今さっきお話ししたようにプランを組んで、抗生物質を使って、それから乳酸菌の膣錠を使って、時間も96時間ぴったり、この方プラスマイナス10分以内に落としたんですけれども、それで着床してくれた、という例の経験もあります。
とことんこだわりを持ってやるということがやっぱり重要なのかな、と思っております。手を抜かないで医療したいな、と感じてます。

アンディ: なるほど。先ほど膣剤の話がありましたが、私もちょっと調べたんですけど、ヨーロッパの製品がほとんどなんですよね。やはりヨーロッパってのは一般的に、乳酸菌がいかに大事かは先生が先ほどおっしゃったように、そういった認識があるんですよね。

吉田: そうですね。朝の、国際学会でヨーロッパとかの学会に行っていると、やはり外人の女性も男性もヨーグルトをいっぱい食べますよね。結構、ヨーグルトとフルーツと食べて。僕はもちろん子宮が無い訳ですけれど、腸内フローラの環境を良くするために朝、乳酸菌も山盛りのように最近は食べるようになりました。

西村: そういったヨーロッパの皆さんが普段から取り入れられているものを日本のわれわれもぜひ取り入れていって。健康にももちろん良い訳ですから、ご主人の皆さんも召し上がっていただくと良いですよね。

吉田: 確かに、そのとおりだと思います。

西村: そもそも、アイジェノミクスのアンディさんと吉田先生は、お付き合いどれぐらい? 何年目ぐらいなんですか? 唐突に質問(笑)

吉田: これは、驚きましたですね。なかなか突然の質問。
合わせて2年ぐらいですか? でも。

アンディ: そうですね、去年でしたね。神戸のある会社の15周年の。

吉田: ああ、なるほど。そこで。

アンディ: 前後で、私は2番目のプレゼンで。お話をされた。

吉田: そうでしたね。思い出しました。ただ、実際にそのスペインの有名な教授は僕は前からよく知っていて。よく講演会で、ESHRE(エシュレ)というヨーロッパの医学会ですね、そこでばりばり講演もナンバーワンに近い状況の先生なんです。その先生がもともとERAというのを言い始めて、今度は子宮内の環境ということをおっしゃられ始めたということで。
僕は非常に近いところにいたんですけれども、なかなか検査に踏み切るのにちょっと躊躇(ちゅうちょ)があった訳ではないんですけれども、今さっきお話ししたようにまあ、ずらして戻せば良いというケースも結構あるということもよく分かっていたので。でも、やっぱりそうなのか、と。子宮内環境が悪いとうまく妊娠しても、それが流産の原因になったりすることもある訳です。絨毛(じゅうもう)膜炎の理由になったりすることもあるので、やっぱり子宮内環境というのは非常に重要なんだなと。その妊娠の維持に向けて非常に重要なんだなと感じてます。

西村: さて、お時間となりました。先週に引き続きまして木場公園クリニック院長、吉田淳先生とお話をさせていただきました。先生、来週もよろしくお願いいたします。

吉田: よろしくお願いします。

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