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Vol 73:着床前検査(PGT-A)と特別臨床研究

病院の先生方をゲストにお招きし、不妊治療の最先端医療技術についてわかりやすくお伝えしていきます。

番組情報

放送分:2019年9月22日放送分
テーマ:「着床前検査(PGT-A)と特別臨床研究」
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番組内容

FM西東京にて毎週あさ10:00~放送中の「妊活ラジオ~先端医療の気になるあれこれ」。お話を進めていただくのは、スペイン発の不妊治療を専門とした遺伝子検査会社アイジェノミクス・ジャパンの代表であり、理学博士のアンディさん、ラボマネージャーであり、工学博士のトシさんです。アンディさん、トシさん、よろしくお願い致します。

(二人): よろしくお願いします。

アンディ: 今週はPGT-A検査の特別臨床研究についてお話を届けたいと思います。
PGT-A検査、先週も少し話をしましたけれども、要は胚の中の胎盤になる部分の細胞をいくつか取り出して、その中のDNAを見て染色体の異常があるか無いかを調べる検査です。検査の目的は着床率を上げるためです。それから、流産率を下げるという効果が考えられます。
それはPGT-A検査という検査で、英語にするとpreimplantation genetic testing for aneuploidy、日本語では着床前検査になります。

トシ: このPGT-A検査の特別臨床研究というのがようやく今年(2019年)の秋ぐらいにはスタートするんじゃないか、みたいな話が出ていますけれども、そもそもそのきっかけになった公開シンポジウム、着床前診断、PGT-A検査というのが昨年末、12月にあったんです。
このラジオでも一回取り上げたことがあったかもしれないんですけど、そのおさらいとしては、この公開シンポジウムで発表があったのはパイロットスタディとして。パイロットスタディというと多施設でやるのではなくて限られた施設数に絞って、その中で人数も決めて試験をしてみようと。これでどれだけの良い効果があるのかを見極めてから。だから、見極める前の一歩手前の試験ですよね。

アンディ: 先行研究みたいな感じですね。パイロットって本当に「飛行機のパイロット」のパイロットなんですけど、要はパイロットが見えているものを後に伝える、そしたら大規模でやろうという話ですが、そういう意味なんですね。

トシ: なるほど。僕知らなかった(笑)

アンディ: 小規模でやってその傾向が見えてくると、じゃあ大規模でやろうという話です。

西村: ちなみにその公開シンポジウムですけれども、参加者の方、すごい人数だったんですね。

トシ: そうですね、約200人ぐらいは。私も参加したんですけども、200人以上いたかと思います。

西村: 産婦人科医師、小児科の先生方、医療関係者の皆さんが約200人ぐらいはもうお集まりになってとか。だいぶ、これだけのシンポジウムって結構普通なんですか、皆さま?

トシ: いや。

西村: 無いですよね。

トシ: 無いですね。確か、このシンポジウムが決まったのも直前近かったんじゃないかなと思います。公開でやるんだ、と思ったんですよ。

西村: なるほど。でも重要ですよね、そういうところがね。

トシ: すごい重要だと思います。

アンディ: 実はこの、先週も紹介したPGT-A検査、今までできなかったんです。日本産婦人会の見解としては、これは胚を選ぶことになるのと、実際その社会の理解はどこまでできるかというのもあって、今まではやってはならなかった状況だったんです。
海外では不妊治療の一部になっていて、割と幅広くやられていて。特に日本の患者さんの年齢層は比較的高く、染色体の異数性の起きる確率は高い訳ですから。少子化もあって、これから不妊治療の妊娠率向上のためにやはりこの検査を導入しようという話があって。
パイロット研究から始めてそれがおおよそ終わって、これから本研究を始めようと。そしたら大規模でやっていくという話で。われわれのような業者も巻き込んで、一緒に話をします。

トシ: そうですね。本当に日本産科学会の先生と検査会社が直接お会いして、集まる場を設けていただいて、こういった形で進めていきたいと思っていると。これはもう本当に、検査会社とクリニックの施設と日本産科学会が一つになって、良い形でスタートが切れるように、患者さんにちゃんと還元できるように。良い形で進んでいると思います。

アンディ: 日本産婦人科学会の思いとして、やはり今までできなかった、と。じゃあ、できないからと水面下でやるのは絶対よろしくない状況なので、やはりオープンにして、ちゃんと学会からもこういう基準でやってくださいと。
ある程度、品質管理の部分も非常に大事ですから。一個一個の胚はもう生命になる可能性がある胚なので、それを検査結果が間違ってるとかで、本来もう生命になるような胚が廃棄になってしまうとか、それが一番よろしくない状況なので。それは日本産婦人科の思いですね。で、業者を呼んで、ちゃんとこういう基準でやりましょうというのがあると思います。

西村: さあ今週は「PGT-A検査特別臨床研究」についてお届けしています。アンディさん、トシさん、後半もよろしくお願いします。

(二人): よろしくお願いします。

アンディ: このPGT-A検査の特別臨床研究から見えてくるもの。少し時間をかけてやっていきますが、やはり、習慣性流産の患者さんはこの検査によって流産率を下げることはできるのか。もしくはその、反復着床失敗の患者さんはそれによって着床できるようになるのか。という2つが大きな目的になると思います。

トシ: ちょうど昨年末の公開シンポジウムの結果から、実際にこのパイロットスタディに参加できた患者数としては77名いらっしゃって、受精卵を実際に子宮に戻せた方、戻せる胚があった方、そういった方が約5割、38名だったと。
そこから実際にどれだけ妊娠されたかというと、38名のうち7割の方が妊娠した、というのがあったんです。もちろん流産された方も3名ほどいらっしゃいます。ただ、これだけの数字を見てもかなり流産率は下げられていて、妊娠率も上がっているというすごく良い結果が見られているんです。
このデータを持って、次の他施設での多くの施設さんを巻き込んで、この特別臨床研究というものをスタートしていく中で、期待されることはすごく大きいと思います。同時に、ここで必要になってくるのがやはり遺伝カウンセリングだと思います。

西村: 遺伝カウンセリング?

トシ: そうです。こう、検査の話をしたとき。染色体の多い、少ないが分かると話しましたが、なんか聞いてたら、1本多いか少ないか、って感じはすると思うんですけど。
実際は5細胞採取して、5細胞とも1本多いとか少ないとかいう話だと良いんですけども、やっぱり5細胞採ったうち2細胞だけが異常で3細胞は正常とか、そういった可能性ももちろんあるので。
そういった微妙な結果のときに、こういった遺伝カウンセリングの方と話し合うことがすごく大事で。そこの解釈であったりとか、先生と患者さんの間での話し合いの場はすごく重要になってくるんですね。

アンディ: 今のは「モザイク」という話なんですけど、一部正常、一部異常で、この場合は例えば、完全に正常な胚が無ければ、残りは一部異常。ただ、正常のものもあって、その結果が出てる胚はどうすればいいかというところなんです。
それから、検査会社として見えるものと見えないものは当然、あとは「見ちゃいけないもの」とは言わないですが、細かくし過ぎて逆にここだけ少し染色体が1本多いとか、一部が多いとか少ないとか。それぐらいの変化で、実際子どもの健康に影響が出るかどうか、という判断がなかなか難しいときがあるんですね。
だから、細かく見過ぎて解釈ができない、というような見方はしちゃいけないと思っているんです。これは弊社の思いでもあって。ですから、そこはやはり基準はしっかりつけてやっていく必要はあると思うんです。
 昨日も学会の先生と会議をしたんです。どこまで細かく見られるの? と聞かれたんですが、グローバルの会社として、すでに海外では年間15万症例を見ている訳です。だからその経験によって、細かくしすぎちゃいけないというところは分かっています。それは弊社のコンプライアンスでもあって。細かく見ればもちろん、解像度を上げれば上げるほど見えてくるんです。ただ、見えてくれば良いという訳では無いですね。

トシ: それが何を意味してるかがすごく、ね。

アンディ: そうですね。意味が分かって検査するのは一番大事なことではあるので。

トシ: 必要以上、目的以上のことには私たちも、この検査はそれが目的ではない。そこを大事にして進めていきたいなとすごく思ってます。

西村: アンディさん、このPGT-A検査の技術は新しい展開ってあるんですか?

アンディ: はい、そうですね。これも先ほど説明したように、PGT-A検査検査は基本的に胚盤胞という状態の胚の中の胎盤になる部分から細胞を取り出して検査するんですけれど、ある程度傷つきはある訳です。
場合によって胚自体が死んでしまうことはたまにあるんですけれども、この検査をすることによって胚をどれだけ傷つけるか、どれだけ影響を与えるか分からないことがあるんです。ですから、これからの傾向、トレンドとして、無傷で検査できればいい、という話です。
 これは弊社も開発しているんですが(EMBRACE検査)、細胞を採らない検査。実は、培養液の中に胚のDNAが入っているんですね。そのDNAを検査することによって、この胚は異数性が起きているかどうかの指標的なものが出てくるので、それによって戻すか戻さないかというようなことも分かるんです。

トシ: 受精卵も胚盤胞期胚までいくと結構、良いグレードのものから悪いグレードまであるので、今あるPGT-A検査の検査方法、細胞を採取するというのができない受精卵もあるはずなんですよね。採りたくないな、とかですね。
そういったものについても、こういった培養液からできるものが出てくれば結構、培養士さん的にも。すごく緊張すると思うんですよ、やっぱり細胞を採るとき高い技術が必要なので。そういったのを検査できるようになれば、もうちょっとこのPGT-A検査というものに施設が取り組みやすいのではないかな、と思っています。

アンディ: そうですね。この検査、無傷の検査と言っていいか分からないんですが、非侵襲性の検査になるので。
実はもう、弊社では他施設の臨床研究が終わった頃で、一致性も取れたんです。非侵襲性の検査だと、検査の結果を比較すると整合性が取れてきて、85パーセントぐらいは一致しているという結果が分かったので、あと数カ月ぐらいで実際の検査開始ができるかと思います。

西村: さて、お時間となりました。今日はアイジェノミクス・ジャパンのアンディさんとトシさんと一緒にお届けしてまいりました。トシさん、来週は?

トシ: 来週は、「子宮内の細菌環境を見るEMMA検査」についてです。


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