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Vol 77:男性の妊活・不妊治療

病院の先生方をゲストにお招きし、不妊治療の最先端医療技術についてわかりやすくお伝えしていきます。

番組情報

放送分:2019年10月20日放送分
ゲスト:亀田IVFクリニック幕張 院長 川井 清考先生
テーマ:「男性の妊活・不妊治療」
番組を聴く:

番組内容

FM西東京にて毎週あさ10:00~放送中の「妊活ラジオ~先端医療の気になるあれこれ」。お話を進めていただくのは、スペイン発の不妊治療を専門とした遺伝子検査会社アイジェノミクス・ジャパンのサイエンティフィックアドバイザーであり、工学博士のトシさんです。トシさん、よろしくお願い致します。

トシ: よろしくお願いします。今日も亀田IVFクリニック幕張にお邪魔をして、院長、川井清孝先生にお話を伺います。今日のテーマは「男性の妊活」ということで、精子のクオリティについてお話を伺います。

川井: よろしくお願いいたします。

西村: 三週目なので、最初に一週目二週目に何をお話ししたかちょっと振り返っていきたいかなと思うんですが。まずは一週目

トシ: 一週目。これはもうERA検査、着床能の検査。私たちのオリジナル検査です、これは。を、お話を伺いました。

西村: そして、クリニックでの実際の患者さんのお声というか。

トシ: そうですね。

西村: それも先生にお話を伺って。それから、二週目が。

トシ: キーパフォーマンスインディケーター、KPI。クリニックのパフォーマンスを数値化する、というあれですね。私、知らなかったんですよね。とても必要なものですね、これね。

西村: そして今週、三週目は先生、どんなお話でしょう?

川井: はい。三週目は男性の方の妊活。特に精子のクオリティについてお話しできればな、と思っています。

西村: 二週目のエンディングで、そんな映画があるっていうお話があって。北川景子さんが主演される、24歳差の俳優、松重さんとのご夫婦の妊活のお話。これが『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』という映画。もしかしてもう、公開されてますからご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんけれども、こんなふうに男性側の妊活とかも含めて話題にあげたりとかする機会がそもそも。

トシ: 無いですよね。

不妊治療に対する男性の意識も高まっている

西村: でも先生、やはり男性の妊活っていうのの注目度もずいぶん上がってますよね?

川井: はい、そう思います。私が2010年に生殖を始めた頃は、ほとんど女性が一人で外来で不妊治療に来ることがほとんどだったんですけれども、最近では男性が自分のスマートフォンで自分の精子を見て、それで。そういう今アプリがあったりするので。

(二人): ええーっ!

川井: そうなんです。それで、実際に数が少なかったんで不安で来た、とかですね。あとまあ、初診で来るときはだいたい半数以上の人がもう夫婦一緒にいらっしゃるんです。

トシ: あ、そんなに多く? 最初から夫婦で来られますか。

川井: はい。なのでもう結構、注目というのは、男性側も意識は。

トシ: してますね。

川井: はい、思っています。

西村: ある意味、そのスマートフォンで、アプリで。手軽という言い方が合ってるのか分かりませんけれども、でもご自身のその精子について、自分で知ってみようって、まずそこがね。

トシ: もう意識がそうなってるんですね。

川井: 今、本当に日本でも有名な会社2社ぐらいからそういうアプリが販売されてますので。結構、私もやりましたけれども、ああ確かに、なんか興味をそそられるようなすごい面白い動画が撮れますよ。試してみてください。

トシ: 試しにやってみます。

西村: そうか、動画が。なるほど、ええー。

トシ: へえー。知らなかった。

西村: では実際に、その。

トシ: 男性の妊活ということで。以前取り上げたときは「妊活男子」って言葉を挙げてやった訳ですけれども、今日は精子のクオリティについていろいろお話を伺いたいと思います。

川井: はい。今、生殖専門医ってどうしても産婦人科中心にいるんですけれども、泌尿器科は泌尿器科の先生が、男性不妊を専門にしている生殖専門医の先生っていうのが日本に60名足らずなんですけど、いるんですよ。

トシ: 少ない。

川井: 当院でも生殖専門医の先生に来ていただいて診察をしているんですけれども、ここで分かってきたことっていうのがやはり生活習慣。例えば、日頃の生活であったりとかそういう部分でたくさん、それを改善することによって精液の所見が良くなる人、結構いらっしゃるんですね。

トシ: やっぱり生活習慣がまずは大きな原因というか、要因となっている。

精子の選別手法

川井: はい。それでわれわれ、やはり受精卵を取り扱う。当院、顕微授精が比較的有名なクリニックですので、そういう意味では顕微授精を求めて来られる患者さまが結構いらっしゃるんですけれども、その成績を上げるうえでやっぱり精子のクオリティってすごく大事で。
当院で顕微授精するときには精子を高倍率で見る。あとは精子の選別の方法も3種類の方法があるんです。

トシ: 3種類?

川井: はい。通常は、精子は形が良くて動きが良いものが入れるというものが。

トシ: その2つだと思ってました。

川井: これがまあ、第一番の前提なんです。それを一つは高倍率で見るっていうのがIMSI(イムジー)って方法があるんですね。高倍率で見て、頭の空胞があるかどうか見ていく。
ただこれは、IMSIをしても精製が変わらない。つまりIMSIをやってる施設はIMSIを見慣れると、ICSI(イクシー)と成績がほとんど一緒になってしまう、というようなことがあったりします。

トシ: ああ、なるほど。そうなってしまうんですね。

川井: それ以外には、成熟した精子にはヒアルロン酸レセプターが発現をしておりますので、そのあたりをうまく利用して、良い精子が基本的に動きを止めるというもので精子を選別するような培養液なども。

トシ: これは、話がすごい。だって、動きが良いものが、っていうのが選別の方法だったのが、今はその新しい方法、ヒアルロン酸レセプターってものが精子の頭の部分にある、と。これをわざと、止める? すると、精子は?

川井: 精子が、頭が動かなくなるので、それを使うという方法もあります。

トシ: へえー。そういう(笑) 新しいですよ、それは。

川井: まだそれだけではなくて。一番初めに、世界で顕微授精を成功させたのがパレルモさんって人なんですけど、1994年。今回、このパレルモさんが精子をあるフィルターにかけるとダメージが少ない精子だけを基本的に取り出すことができるというようなスパムソーターみたいなものも、今回のアメリカ生殖医学会、10月の半ばにあるんですけれども、そこで大きく発表するということも入って来てますので。結構、精子っていうのは今すごい注目をされています。

トシ: そういう意味では本当に男性の妊活のための、精子のクオリティのための、そういった新しい、治療じゃないですけれども、そういったのが出てきている訳ですね。

川井: はい。たくさん今ありますよ。

トシ: へえー。私、まったくちょっと。アイジェノミクスという会社は特に女性側に重きを置いている会社なので余計になんですけれども、男性側のそういったものが無いんですよね。今ちょっとお話を伺って、もちろん大事な因子であるので、そういった時期というか、時代に来ているんですね。

川井: はい。今、基礎生物の段階では、精子のDNAのダメージを見る検査っていろいろあるんですね。パネル法であったり、それこそフローサイトメトリーであったりとかいろいろあるんですけれども。
その精子と、ちょうど今年の論文で、ディープラーニングを精子の形態でさせて、それがある程度一致する。そういうディープラーニングのAI解析ができるっていう論文も出てきています。

トシ: おおー。ディープラーニングの前が今、精子の選別で入って来てるというか。

川井: 当院もある研究所と一緒に、平岡が選んだ精子と選ばない精子というものをディープラーニングをさせて、正答率9割、というものを実は出してきて。実際、意外とこの後臨床応用できるんじゃないかというふうに考えています。
まだまだ販売はされませんけれども、やはり形態というのはすごく大事だなと思っておりますので、生活習慣を直して精液所見を良くするってことが何よりも、精子一匹一匹で見る前に大事なことなんだな、と最近思っていますので、男性側は今がっつり管理するようにしています。

トシ: なるほど。やっぱり生活習慣ってすごく大事っていうのは、これは本当に、男性の精子って日々作られていくもので、サイクルが早いものですよね。だから、ちょっと生活習慣が悪くなってしまうとそれだけで精子の質は悪くなってしまう、と。生活習慣が良くなれば、良くなってくる、と。
私たちのアイジェノミクスも、精子のそういった検査も実は出しているんですけれど、日本ではもう販売はしてなくて。本社も検査としては置いてあるけれども、もうパンフレットには出てませんよと。もう、そういう方向に行っています。
今お話を伺って、生活習慣というものが一番的確にこうはっきり出てくる。かつ、新しい選別方法というのが、フィルターを通すという新しいものがあるわけですね。
今月のASRM、アメリカの生殖医学会で発表されるんですが、ちょっと私たちは全然フォローできてなかったんですけれども、見てきます!

川井: もうわれわれ、とりあえず新しいものには飛びついて、ただこれが患者さんの負になってはいけないので、KPIでちゃんと評価をして、一年一年、0.1パーセントでも患者さまに良い成績、あとは赤ちゃんに対して良い環境を準備できればな、と思っていますので。それこそERAも含めて今後いろいろアドバイスいただければな、と思います。

トシ: よろしくお願いします。ありがとうございます。
 先生。生活習慣が精子のクオリティに関わってくる話を聞いたんですけれども、実際、その生活習慣が何かこう、影響とかするものなんですか?

妊娠に影響する生活習慣

川井: 一番有名なのは葉酸ですよね。葉酸に関しては、もう今妊娠を考えられたらもうある一定量は必ず飲まないと赤ちゃんの神経管の欠損が生じたりすると言われてますので。一番皆さんに普及しているのは葉酸かな、と思います。
最近であればビタミンDですね。ヨーロッパの不育症の方に関してはもう流産と関係あることは分かっていますし、こういうことがもう一般的になってきています。
実際、われわれ生殖医療に関わる日本のクリニックというのは、実は日本産科婦人科学会というところにちゃんと採卵をしたところから周産期、生まれた赤ちゃんの基本的に合併症までほとんど登録しているんです。なので、日本というのはカルテはみんなバラバラなんですけど、基本的にすべて登録をしていますので、ビッグデータというのはもちろん出てきているんです。

トシ: 持ってるんですね。

川井: それは定期的にちゃんと出ていますので、われわれ学会としてもそういうことを振り返りますし、クリニック単独としても今それを振り返りながら治療にはあたっていますので。
われわれのクリニックでARTで卒業された方、実際に見ていって、こういう合併症起きているよ、例えば周産期の先生のところに置くときには事前に、例えば、少し体重がやせ過ぎですよ、太り過ぎですよ。あとは血圧が高いですよ、高くないですよ、こういうものを含めて、基本としてはルールアウトをして、できる限り赤ちゃんに基本的に良い環境で分娩をしてもらうように、生まれて来れるように、そういう部分の配慮まで最近は行いながら治療にあたっています。

トシ: へえー。妊娠したらそれで終わり、っていう訳では無いんですね。

川井: 私、こないだちょうど『とつき とおか』、アメリカでいうと『Nine Months』という絵本の翻訳をさせてもらったんです。

トシ: 私、読ませていただきました。

川井: 受精卵から生まれるところまでをやったところなんですけど、そこでお母さんからこういうふうなことをもらったんです。一人目のときは分娩することでいっぱいいっぱいで、基本的には何も考えられなかったんだ、と。妊娠中にはこうやって季節が移り変わってるんですね、というふうに。

トシ: 先生、本に絵が描いてるんですよ。季節の移り変わりをね。

川井: そうなんです。なので、われわれどうしてもこの治療をしていると、女性の月経周期に合わせて月単位でものを考えて、そこばっかりにとらわれてるんですけれども、やっぱり妊娠をして卒業される方っていうのは、これから妊娠の10カ月というものが待っていて、そのあとの育児、子育て、そこから自分たちが亡くなった後、子どもが今度日本、世界を支えてくれるというところになるので、そこに対してわれわれができることっていうのをいつも考えていかなくちゃいけないかなあ、と思っています。

トシ: 私も周期ごとでしか考えないですよ。今回、胚移植をしました。結果どうだった? って。でも先生が今おっしゃったその『とつき とおか』って本、こないだいただいたんですよ。で、読ませてもらったとき、季節の移り変わりとか、そこにあるんですよ。おなかで、着床して、妊娠して、大きくなっていくってその流れの中で春から夏になり、冬になりっていう。あの本、とても、ありがとうございました。

西村: さて、三週にわたってご出演いただきました亀田IVFクリニック幕張の院長、川井清孝先生でございました。最後に皆さんにメッセージをお願いできますか?

川井: はい。三週にわたってとりとめのない話をしてしまいましたが、聴いていただいてありがとうございました。
われわれ、医療というのはどこで受けても同じあるべきってものが基本的にモットーだと思っています。これは多分、医療に関わる者みんなそう思っていますし、やはり一番患者さまにとって利がある環境をいつも準備をしていきたいって思っていると思います。
 ただ、やはりどうしてもクリニックの規模であったり、医療スタッフの数、あとは設備投資などに関しては限界がありますので、適宜、そのときそのときに応じて患者さんに良いものを提供していく必要があると思いますので、こういうふうに企業にも入ってきていただいて良いものというのを、この後も発信をして行ける。そして、それをやはりわれわれ、一番の患者さまに近い存在として知らせていくことがすごく大事かな、と思っております。
われわれ千葉県、遠いところで医療を行っているんですけれども、ホームページとかそのような本なども通しながら、患者さまにはそういう治療もしくは妊娠の素晴らしさ、そういうものを伝えていただければな、と思っております。

西村: そして、そうだ。先ほどお伺いした絵本のご紹介を、皆さんに改めてぜひ。

川井: はい。汐文社から『とつき とおか』という、卵から赤ちゃんが生まれるところまで流れを描いた絵本、私と山王病院の院長の堤先生の方で翻訳をさせていただいて、ちょうど出版になっております。結構見たらいろんな気付きがありますので、もし興味があればお手に取っていただければな、と思います。

西村: 今日は特に、三週目は男性の妊活についてお話を伺いましたので、ぜひパートナーの方、ご主人の方と一緒にご覧になられてみてはいかがでしょうか。先生、三週にわたってありがとうございました。

川井: ありがとうございました。

西村: トシさん、三週にわたって濃厚なお話を川井先生から伺いましたが、さて、来週は?

トシ: 来週は私のボス、アンディ。私の上司アンデがスタジオに来てお話をしてくれます。

西村: またアイジェノミクスのアンディさんは本当に代表として、日本のオフィスもそうですけど、台湾だったりいろいろ。

トシ: 中国行ったり、本当に日本にいないですね、ほとんど。月に一週間、いるかいないか。

西村: また最新の情報などもアンディさんからお伺いできると思いますのでぜひ皆さん、お楽しみに。

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