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Vol 94:PGT-A検査の正常判定率とモザイク判定率について

FM西東京にて毎週あさ10:00~放送中の「妊活ラジオ~先端医療の気になるあれこれ」。毎週さまざまな先生方をゲストにお招きし、不妊治療の最先端医療技術についてわかりやすくお伝えしていきます。

番組内容

2020年2月16日放送分

リュウタロウ: 今回はトシとリュウタロウの二人でお届けいたします。

トシ: 今日のテーマは「アイジェノミクスのPGT-A検査 Part1」。

リュウタロウ: 今日のテーマはPGT-Aということですけれども、確か前回ですかね? 患者の会の皆さまに来ていただきまして3週お話ししたと思うんですけど、その前半の2週ですかね。PGT-Aの特別臨床研究についてかなり深い議論が。

トシ: いろいろお話を提供いただいて議論できたと思います。今回は私たちのアイジェノミクスとしてのPGT-A検査というものをご紹介したくて、今日このテーマにしました。

リュウタロウ: PGT-Aはそもそも何だっけ? ってところから。

PGT-A検査とは

トシ: そうですね。簡単に説明しますと、PGT-A検査というものは、胚移植では胚盤胞期胚を移植する訳なんですけれども、移植する前にどの卵が染色体の数的に正常なのか、異常なのかというのをあらかじめ見て、移植する卵を選択するという検査になります。

リュウタロウ: 数に異常が出る、とだけ聞くと結構びっくりしちゃうかなと思うんですけれども。

トシ: いや、これはびっくりすることは無くて。実際に若い方でも、受精卵ができたときに約半数の卵についてはアブノーマル、異常な胚となることが分かっています。

リュウタロウ: 半数というのはやっぱり意外と、初めて聞いたときはかなり驚きましたですね。

トシ: 多いな、って思いますよね。

リュウタロウ: 思いました。

トシ: それは私も思った記憶があります。

リュウタロウ: 普通に、不妊治療せずに自然に妊娠されることを考えると、あれっ、半分も異常があるの? っていうのはなかなか想像がつかないかな、と思うんです。

トシ: 実際、そのとおりだと思います。これが、年齢が重なっていくと、その異常胚の割合が増えていくというのが分かっているのは事実であります。
 ただ、このPGT-A検査。移植する際の卵の選択に使われるんですけども、ようやく日本でも始まりました、という話は前回しました。

リュウタロウ: そうですね。

PGT-A検査をすると何がわかる?

トシ: 大事なのは、どこまで分かるのか? という。これは初めに言いますと、染色体の数を調べる検査なので、決して遺伝子の変異とかそういった細かい検査では無いです。
 私、ついこないだ、ある倫理委員会に呼ばれてヘルプで行ったんですけども、やっぱり次世代シーケンサーであったり、そういったのにあまり馴染みの無い先生方の前に行くとそういった、いろんなことが分かるんじゃないか、と考えられているんですね。で、私説明しました。決してこの検査はそういったことまでは一切分かりません、と。染色体の大きな領域での数が分かる検査なんです、と話をしたら、なんだ、そうなのかと納得してくださいました。

リュウタロウ: ややこしいですけどね。PGT-Mという検査とPGT-Aという検査がなかなかこう、AとMというアルファベットの違いだけなので、文字だけ見ると何が違うの? って感じがしてしまいますけどね。

トシ: 本当、おっしゃるとおりです。私も日々、クリニックさまの方に訪問した際に言われます。実は昨日も言われました。実際には先生ではなくてスタッフさまなんですけれども、AとM、何が違うの? 全然違う検査です。もう、そこから説明しないと本当に分かりにくい。

リュウタロウ: 何となく遺伝子検査という空想が膨らんでいくと、どうしてもMの方を何となく思い描いちゃうというのが、さっきの話。

胎児に成長していく細胞は検査できません

トシ: そうです。ただ、今回はPGT-Aという染色体の異数性、数を調べる検査についてなんですけれども、私、これもちょっと言いたかったことです、一番最初に。100%正常であるという結果は、PGT-A検査からは言えません。
なぜかと言うと、胚盤胞期胚という形の細胞、卵のときは周りの細胞と中の細胞と2種類あります。胚盤胞期胚というのは中に空洞があるんですけれども、それでも中に塊がある細胞があります。その中にある細胞の塊の部分が将来、胎児になる細胞です。で、周りにある細胞。細胞表現ですね、受精卵の周りにある細胞、これは胎盤になる部分の細胞です。

リュウタロウ: 胚盤胞期胚まで来ると、だいぶ役割分担も胚の中ででき始めているんですね。

トシ: そうです、はっきり分かれて胎盤なのか胎児なのか分かります。このPGT-A検査では、胎盤になる部分を見ています。決して胎児ではないです。なので、ここだけは必ず押さえてほしい。この検査は100%なのかと思われるかもしれませんが、そうではないというのは必ず知っておいて欲しいと思います。

リュウタロウ: その、数を調べる、というのが何か意味があるのかな? って思っちゃうんですけど。

胚の染色体異数性と妊娠

トシ: 各染色体、1番から22番の染色体ですが、2本ずつあるのが通常になります。そして、あとは性染色体ですね。XとYが1本ずつ、もしくはX染色体が2本、そういった形となります。なのでこれが、ある染色体が1本少ないとか1本多いとかになってくると、なかなか妊娠するのが難しくなったり、そういったことが分かっています。

リュウタロウ: 少ないと、何となくこう、何かが足りないんじゃないかなって感じがしますが、余ってる方も駄目なんですね。

トシ: 実は、一概には言えません、いても良い染色体もあります。そもそもなぜ多いと駄目なのかというと、その分遺伝子が増えちゃうんですね。ある遺伝子が過剰に働いてしまうと問題になったりとかそういったことがあるので、流産につながってしまったりとか。そういったことを調べる検査ですね。

リュウタロウ: 数がどれだけ合ってるのか、ということで遺伝子の発現が多い、少ないというのを調整されてるということなんですけど、遺伝子が働く、働かないということになると、病気とかっていうところにすぐ想像が結びついちゃうんですけど。そもそもそれ以前の問題なのかな。実際着床できるかどうかという。

トシ: 途中で発生が止まってしまったりする卵もあるかと思うんですが、そういった卵の中に、染色体の数が2本ずつじゃなくて1本足りなかったりとかいうのがあることが分かっています。

正常判定とモザイク判定

トシ:他社との違いという意味で、アイジェノミクスのPGT-A検査は3つ良いところがあります。まず、正常と判定される胚の割合が他社よりも多いです。2つ目、モザイクの発生率、判断される率が他社よりも少ないです。最後に、結果が出ない割合、これも他社より少ないです。

リュウタロウ: なるほど。その辺りをもう少し深掘りしていきましょう。
 ちゃんと整数倍で出る率。モザイクが少ない。結果がちゃんと出る。というところだったかと思うんですけれども。ただ、今僕が言った中でも結構難しい単語がいっぱい出てきたんですけど。

トシ: 分かりやすく言うと、まず私たちアイジェノミクスのPGT-A検査では、移植可能ですよ、となる結果の範囲の割合が多いんです。なぜ多いのか? みんな不思議に思いますよ、絶対。
これ、なぜかと言うと、私たちこの検査結果というものは、ある波形を見ながら検査結果を出しているんですけれども、その波形のデータというのはやはり揺らぎがあります。この揺らぎが大きかったり小さかったりするのはそのときの検査結果のクオリティーによる訳なんですけれども、もちろん私たちも検査結果のクオリティーの基準というのがある訳です。
その波形のデータの波を弊社では20,000検体ものデータを解析して、どのようにノーマライズされるのか、ある部分の波形データ、ここはちょっと上がりやすいとか下がりやすいとか、そういったブレってものはたくさんデータ見ていくと分かってきます。答えの分かっているデータをたくさん見ていくと、そういった機械の特徴であったり、そのときのサンプルの状態だったり、ここが上がるときはここは下がるんだとか、そういうのが分かってきます。

リュウタロウ: なるほど。やっぱり機械は完璧では無いという前提で、機械の癖じゃないですけど、いろいろな傾向が出るのを統計に。

トシ: それを解析のデータと取ってアルゴリズム的にフォローしていく、AIですね。このAIの力を借りて検査結果の精度を上げていく、というのを取り入れています。

リュウタロウ: そうですね、PGT-Aに関してはアイジェノミクスはグローバルでかなり検査をやってますので、そういう蓄積っていうのは大きいですね。

トシ: 大きいです。アイジェノミクスは、ヨーロッパ、アメリカの方でもシェアはかなり持っていますので。こういったAIの力を借りないと良い検査精度というのは保てないと思っています。

リュウタロウ: AIを活かすにも、やはりそもそものデータ、経験値がしっかりあるっていうのが大事だと。

トシ: 大事です。次の2つ目は、モザイク。

リュウタロウ: そもそもモザイクって何なの? っていうのが。結構、概念というか、なんか難しいなって感じですね。

トシ: 難しいですよ。これは一つ、分かりやすいかどうか分かりませんけど言うと、受精卵があります、と。1細胞期のときはもちろん1種類の細胞です。これが分裂してどんどん増えていって胚盤胞期胚になるんですけれども、もちろん1つの細胞から増えていくので同じ細胞のものが増えていっているはずなんですけども、例えばです。4細胞期のときにある一つの細胞が、染色体が1本何らかの原因で失ってしまいましたとかあったとしましょう。すると、そこから分裂が進んでいくと、結果的にはその1本少なくなっていた細胞がどんどん分裂していくので、2種類の細胞が混在していることになります。

リュウタロウ: 細胞が分裂していく中でも、なんか一つだけ変な分裂の仕方をするっていうのができてきちゃう。

トシ: できてきちゃう。これは原因は分かっていません。なぜそういうことになるかも分かってないです。ただ、そういった細胞集団がいるってのは分かっていて。
PGT-A検査の中で実際に胎盤になる部分の細胞を少し採るんですが、採る細胞はだいたい5~10細胞と言われています。例えばこれ、10細胞採ったとしましょう。そのときに、10細胞の中に正常な細胞と異常な細胞が入っている状態、これを私たちモザイクと言います。

リュウタロウ: 仮説的なものありましたよね。なんで途中で1個だけの細胞が1個増えたりとか減ったり。細胞が分裂して分かれるときに引っ張る力が片っぽだけ強いとか弱いとか。

トシ: ああ、それ本当に、細かい方の分子記号の話であります。染色体が均等に分配されるのが普通な訳なんですけれども、何かの拍子に均等に分裂されず、片方の染色体が本当は半分ずつ分かれるはずなのに、片方の細胞に持っていかれちゃう。原因、分かってないんですよね。

リュウタロウ: モザイクっていう単語だけ聞くと、何となくこう、ちょっと気持ち悪いなって感じがするんですけど。分裂するときにたまたまうまくいったり、うまくいかなかったりっていうのが混ざってくるってことですね。

トシ: そういったことが起きてしまっている、と。そのモザイクってなったときに異常な細胞の割合が多くなってしまうと、それはなかなか着床、妊娠が難しくなるとかそういった話になるんですけども。
なんで私たちこのモザイクの判定率が少ないのかというと、これは先ほどの正常胚の安定率が多い理由と一緒で、波形データのところがまず一つあります。そういった揺らぎというものをきちんとAIで押さえられていれば、目で判定するよりも明らかに、これは大丈夫ですよとかこれはもう異常胚ですよ、判定がつきます。
もう一つ大事な理由があって、私たちアイジェノミクスは研究開発をよくしています。このモザイクの判定のアルゴリズムを作るのに、実際に答えの分かっている正常な細胞と、答えの分かっている異常な細胞をいろいろな比率で混ぜて、いろんなパターンの細胞の集団を作りました。この集団を使って波形データがどのように見られるのか、どのような結果が出るのかというのを網羅的に調べた訳です。そこで出てきたのがこのモザイクのアルゴリズムです。そこから生まれました。

リュウタロウ: そこのパターンを統計的に見てモザイクなのか、モザイクではないのかというところを見ていく、と。

トシ: 見ていきます。なので、このモザイクに関しては各検査会社、割合が違うはずです。なぜならその、人が見ている、判断する場合もあるだろうし、私たちのAIで判定する場合もあるだろうし、いろいろなパターンがあるかと思います。

リュウタロウ: やはり、聞けば聞くほど結構繊細な検査ですよね。

トシ: おっしゃるとおりです。なので、モザイクって結果が出るとやはりカウンセリングの話になってくるので、移植するかどうかというのはカウンセラーと先生とトライする、しないというのをよく話してほしいと思います。
本当に小さい可能性の話をすると、見ている部分は胎盤です。決して胎児になる部分ではない。胎児がどうなっているのか分からない訳です。

リュウタロウ: もどかしいけど、やっぱり胎児になる細胞にはあまり触りたくないですもんね。ただ、そういった迷うようなモザイクの結果って言うのはそんなに出てこないという。

トシ: そのとおりです。そこが私たちのこの検査の良いところだと思っていて。私たちはモザイクの判定の割合はもう5~6%です。これが各検査会社違うんですけれども、迷う結果というものがたくさん多いということはどういうことかというのを、多分これから感じてくるんじゃないかな、と。
私たち、よく先生方に言っているのは、もし気になった点とかあればいつでも質問ください、と。私たちはグローバルでの知識、経験があるので、それをお答えすることができる。そこをすごくサポートできると思っているのでぜひ、と思っています。

リュウタロウ: もう一個が、結果が出ない率が少ない、でしたっけ?

トシ: はい、これはもういろいろ工夫しているんですけれども。

リュウタロウ: 結果が出ない、って何です?

PGT-A検査の結果が出ない、の意味とは?

トシ: これは、細胞を採取したんだけども、その後私たち検査会社に届いたときになかなか細胞が、実はDNAの状態が本当に良くなくてDNA増幅というのがされなかったとか、そういった場合があります。
また、検査結果は出たんだけども、私たちとしても判断が付けられない結果というのがやっぱりあります。これはすごいまれなんですけれども、主にはDNAが増幅されなかった場合、これは未検出。DNA結果が出なかったというふうに話すのが2%の割合で出てます。一般的には5%と言われています。

リュウタロウ: なるほど、一口にPGT-A検査とはいえ、やっぱりいろいろこう見るポイントが多いですね。

トシ: ありますあります。これもまたいろんな話をしていきたいと思います。

リュウタロウ: さて、だいぶ時間が過ぎてしまいまして、そろそろ今日はおしまいということで。

トシ: そうですね。次もこの話、私たちのPGT-A検査の話をしたいですね。

リュウタロウ: そうですね。じゃあ次回またこの続きを、ということで、話していきましょう。

トシ: はい、よろしくお願いします。

リュウタロウ: お願いします。今日は、アイジェノミクス・ジャパンのリュウタロウと。

トシ: トシで。

リュウタロウ: お送りしました。それでは来週もよろしくお願いします。

トシ: よろしくお願いいたします。

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