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Vol 19: 着床前検査の現状と将来

Tiempo de lectura: 2 minutos
アンディさん、福田愛作先生、西村さん、松岡さん

病院の先生方をゲストにお招きし、不妊治療の最先端医療技術についてわかりやすくお伝えしていきます。今週のテーマは「着床前検査の現状と将来」。

番組情報

放送分:2018年5月13日放送分
ゲスト:IVF大阪クリニック 院長 福田愛作 先生
テーマ:着床前検査の現状と将来
FM西東京のページ:こちら

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番組紹介

ここからのお時間は「妊活ラジオ~先端医療の気になるあれこれ」をお届けします。
最近「妊活」という言葉をよく耳にしませんか?
妊娠の「妊」、活動の「活」、ひとことで言えば文字通り「妊娠するための活動」という意味があります。
まさに妊活中のあなたに届けていく20分間です。

この番組では、ゲストをお迎えし、テーマに沿って不妊治療の最先端技術を紹介していきます。
お話を進めていただくのは、スペイン発の不妊治療を専門とした遺伝子検査会社アイジェノミクス・ジャパンの法人代表であり、理学博士のアンディさん、そして、技術責任者のトシさんとお届けしていきます。よろしくお願い致します。

番組内容

(二人): よろしくお願いします。

西村: そして、引き続きゲストの方、いらっしゃいますね、アンディさん。

アンディ: 今日もIVF大阪クリニックの院長、福田愛作先生にお越しいただきまして、着床前検査の現状と将来についてお話をいただきましょう。先生、よろしくお願いします。

福田: よろしくお願いします。

西村: さてそれでは、IVF大阪クリニックの院長、福田愛作先生に二週に渡ってお越しいただいております。愛作先生、今週もよろしくお願いいたします。

福田: よろしくお願いします。

西村: 先生。改めてなんですけれども、自己紹介を。今週から聴いていただいているリスナーの皆さんにお願いします。

福田: 私のクリニックは大阪の東、東大阪市というところにありまして、だいたい年間3,000例ぐらいの体外受精を実施しております。それ以外に卵管の手術、卵管鏡下卵管形成術というのを私、日本で初めて外来ですることを始めまして、いわゆる卵管が詰まっているとか狭いとかいう方にそういう手術をもう6,000例以上やっております。全国のいろんな先生方にもお教えして、全国でもどんどん実施する施設が増えております。

西村: そして先週のエンディングに、愛作先生がもうマラソンがご趣味でいらっしゃるということで。われわれはまったく(笑) スポーツは、という話で終わったんですが、今週もじゃあ先生、エネルギッシュに、いろんな情報を皆さんによろしくお願いいたします。

福田: はい、頑張ります。

西村: ありがとうございます。

松岡: お願いします。

西村: さて、先週もあったんですが、今週もアンディさん。リスナーの方からメッセージが届きましたので、まずオープニングでご紹介させていただきたいと思います。ラジオネーム「あや」さん、ありがとうございます。「運動の話で、歩行やヨガが良いというふうに話が以前放送でありましたが、妊活中は夫婦ともにストレスを感じることがあるので、うまく解消するためにも二人で一緒にすると良いというものがあれば教えてください。また、活性酸素や体の冷えの話がありましたが、お酒が好きで、妊活中でもうまくお酒と付き合える方法はありませんか?」というふうに、この二つのメッセージを「あや」さんからいただきました。さて、まずはストレスを感じることがあるということで、二人でご一緒にすること何かありますか、ということなんですが。

福田: 前にも話あったかもしれませんけど、ミトコンウォークと言いまして、ミトコンドリアを活性化させる歩き方というのがあるんですけども、そういうウォーキングですね、そういうものをご夫婦でされることで夫婦のコミュニケーションも良くなりますし、この二つ目の質問とも絡んできますけど、お酒というのは実はあまり良くないですね。ですけど煙草に比べるとまだお酒の方が良いかとは思うんですけど、まあ飲まないに越したことはないですけども、もし飲まれるのであれば少量ご夫婦で飲まれることで二人のコミュニケーションの改善とか、それから不妊治療に関して一緒に頑張ろうという、一緒に意気投合するために。少量であればそんなには問題無いかなと思います。

西村: なるほど。やっぱりでも、ストレスって良くないですよね。

福田: 良くないですね。やはりストレスが多いほど活性酸素も上がりますし、もちろん女性の、いわゆる月経周期とかいうのはストレスに絡んでます。ですから、すごく悲しいことがあったりしたら月経が遅れるとかいうことがあるように、やはりストレスフリーの方が妊娠にとっても良いと思います。

西村: 「あや」さん、いかがでしたでしょうか。このように番組では、番組への質問、先生への質問など、皆さまからのリスナーメッセージをお待ちしております。FM西東京のホームページからメッセージ頂戴できますので、皆さまぜひ、メッセージお待ちしております。さて、今日のゲストは、質問にもお答えいただきましたが、IVF大阪クリニックの院長、福田愛作先生。愛作先生と番組ではお呼びさせていただいておりますが、よろしくお願いいたします。

福田: はい、もちろんです。

西村: さて、愛作先生に、アンディさん。今週はどのようにお話進めていきましょうか。

アンディ: そうですね。先週の引き続きで、着床前検査の将来について先生からお話をいただきたいと思います。先生、先週海外の話もあったんですけども、それから、日本は今禁止されてるという話もあったんですけども、海外で実際実施されているデータ、例えば有用性とか、その辺に関して少しコメントいただけますでしょうか。

福田: 海外では、着床前診断というのはもう今、普通の検査になってるんですね。いわゆる血液検査でホルモン測ると同じように、体外受精をやればセットのようにして着床前スクリーニングを一緒にやる、というふうになってきてます。その結果としていろんなことが分かってきてます。一つはモザイクと言いまして、これは生物現象ですので皆さんもお分かりのように、例えば「肥満じゃない」と「肥満」ってありますよね。でも、中間ってありますよね。ですから肥満気味とかやせ気味とかいうふうに、こういう染色体の検査でも正常、異常の間みたいなところにモザイクというのがあります。モザイク模様というように、いろんなところに散りばめられてます。正常の中に異常がいくつか散りばめられるというのをモザイクと言いますけれども、モザイクをどのようにするかというのは現在PGSでは海外の一つのトピックになってます。

松岡: 弊社ではそのモザイクに対して、検査結果の方をモザイクの程度が低い卵ですよ、だったり、モザイクの程度が高い卵ですよ、そういった検査結果をお出しすることも行うようにやっております。

福田: 海外ではそういうふうにモザイクというのは一つのトピック。それからもう一つは、このPGSで正常胚を戻しても妊娠しないってことがあるんです。というのは、論文によりますと正常胚を不妊の患者さんに戻した場合はだいたい65%ぐらい妊娠する。ところがまったく不妊じゃない方、要するに海外では性別診断とか遺伝病の方にPGSをした場合、まったく不妊じゃない方に戻しても85%なんです。ですから100%じゃない。だからそこに体外受精の欠点とか、もしくは着床に関するもう少し詳しい検査が要るんじゃないかということが分かってきたんです。PGS、海外では先ほど言いましたように体外受精とセットのようにされてまして、このPGSの検査をした方が良いかどうか年齢で区切ってみますと、35歳とか、38歳以前はPGSをしてもそれほど妊娠率変わらない。ですけれども、38歳以上になるとやはりPGSをしないと流産も増えますし、なかなか妊娠しないということがあるので、年齢が大きくなった場合はPGSがより有効になるということが分かっています。

西村: 「妊活ラジオ~先端医療の気になるあれこれ~」。今週は、先週に引き続きまして、IVF大阪クリニックの院長、福田愛作先生にお越しいただいております。愛作先生、後半もよろしくお願いいたします。

福田: こちらこそお願いします。

アンディ: 先ほど先生から言われたように、正常胚であっても移植して必ず100%妊娠できる訳では無いです。じゃあその数十%はどういう要素が入っているかというところなんですけれども、実はこれは弊社のERA検査、着床の検査に関わっている部分もあるかなと思いまして。ERA検査というのは着床のタイミングを測って、移植のタイミングをうまくその測った時間に合わせて移植すれば非常に効率的という検査なんですけれども。実は先日アニメを公開したんですけど、皆さんご覧になりました? まだですかね?

西村: YouTubeに。

アンディ: YouTubeとFacebookにあるんです。

松岡: 西村さんありがとうございます、見ていただいたんですね。ERA検査について3分ほどでまとめたアニメ、分かりやすくなっておりますので、また機会があればご覧ください。

アンディ: 愛作先生も今日、ERA検査を実施した後に妊娠に成功した、という実際の症例を話していただけるんですね?

福田: まだ日本ではPGSができませんので、やはりそれでも妊娠なかなかしない方、きれいな胚があっても妊娠しない方にERA検査、先ほどから言われている内膜の着床検査というのをやるんですけれども、私どものクリニックでも最近始めまして。一人の患者さんは、よそのクリニックで八回胚移植をしたけど妊娠しなかった。それでわれらのクリニックでも四回やったんですけど妊娠されなくて、それでERAテストというのをしてタイミングを合わせて五回目の胚移植をしたところ妊娠されました。ですから、合計すれば十三回目の胚移植で妊娠されたという例がありました。それからもう一つの例は、よそのクリニックで六回胚移植をしたけど妊娠しないということでわれらのクリニックに来られました。すごくきれいな胚ができるんですけどやはり妊娠されない、ということでわれわれのクリニックの四回目の胚移植のときにこのERAテストを実施しまして、四回目の胚移植、ですから合計しますと十回目ですね。その時にそれをやって時間を合わせて、もう、数時間単位で時間を合わすんですね、いうふうに結果が出ますので、それでやりまして十回目で見事妊娠されました。二人とももう現在、いわゆるオンゴーイングと言いまして、妊娠進行中という嬉しい結果を得ました。

松岡: 私たちは先生方からこの報告を受けるのが一番嬉しいですね。特に社内でも、いつも社内でデスクワーク、事務担当してる方たちも含めて、やっぱり外に出てる私とかはそういう話を直接先生から聞けて、その場で嬉しさを聞いて、会社に戻ってこの話をすると社内の人たちがみんな喜んで。やっぱりあのときが一番嬉しい瞬間ですね。

西村: 多くの方のそういった研究のもとに結果が。

福田: そうです。ですから、今言われたとおりで。われわれのクリニックでもこの方々、実はなかなか妊娠されない方だったので、妊娠反応プラスというときにもう、まさに拍手が起こりそうなというぐらいの雰囲気で喜びました。ですから、こういうテストというのを、特に日本ではPGSができませんので、やはりこういうテストを積極的に取り入れていくべきじゃないかなと思っております。

松岡: ありがとうございます。

アンディ: 本当にこの検査をもっとたくさんの方にしていただきたいですね。早く始めれば何回も繰り返さないで済むんです。先生、今はPGSは日本ではまだできないですけれども、将来的にやはりPGSとERAの組み合わせが良い?

福田: そうです、もう言われるとおりで。実はスペインでも、もともとはこのERAテストというのはPGS無しでやられてました。今もPGS無しでやってるクリニックも海外でもたくさんあります。というのは、PGSというのは遺伝子検査なのでそれなりの費用がかかる訳なんです。ですから先ほど言いましたように、年齢がある程度若い場合はそれ無しでもいけますので。ですけど、それでも妊娠しない場合にはこのERAテストというのをしたらいいので。将来的には日本でも、正常胚を正常なタイミングで戻してやるということがやっぱり体外受精の理想じゃないかと思うので、将来的にはPGSとERA検査を組み合わせてやるというのが一番良いと思います。

西村: 愛作先生、さらにこう、新しい技術とか研究というのは進んでいるんですか?

福田: そうですね。われわれのグループは統合医療というのにも力を入れているんですけども、今、腸内フローラ、腸内の細菌叢(そう)ですね。一般の健康でもよく言われてますよね、腸内細菌叢、フローラと不妊との関係という研究に着手をしました。ですから腸内フローラ、いろいろなところのフローラがいろんなことに絡んでるということが明らかになってきてます。

松岡: 愛作先生、ちょうど5月中に私たちアイジェノミクス社から、子宮内のマイクロバイオーム、細菌叢を見る検査です、これが登場します。実は他にもこのERA検査で着床の時期を特定して、もちろんこの良い胚を戻して、それでもやっぱりなかなか着床妊娠に至らない例はあるかと思うんですが、その他の原因となる子宮内のマイクロバイオームの検査でまたより着床妊娠率が向上するものと私たち考えてまして。

アンディ: そうですね。乳酸菌が少なすぎると、もしかして病原菌が入ってて内膜炎が起きたりすると着床しづらくなるとか、あとは流産しやすくなるとか。そういうような現象が起きているので、こちらの検査も合わせると妊娠率は更に上がるかな、と。

福田: 昔は子宮の中は無菌と考えられてたんです。それが最近、子宮の中にもやはり細菌がいて、それがいわゆる善玉、悪玉じゃないですけども、善玉がいる方がうまくいくということが分かってきてるようです。

西村: 二週に渡ってIVF大阪クリニック院長、福田愛作先生にお越しいただきました。愛作先生、最後にリスナーの皆さんにメッセージをお願いします。

福田: 不妊治療というのはご夫婦にとって非常に大変だと思うんです。ですけども、やはり諦めずに頑張る、と。継続は力なりと言いますけれども、諦めずに頑張っていればいつか良いことがあるんじゃないかと思います。それとやはりまた、見極めというのも大事なので、その辺もいわゆる皆さんの主治医の先生とよく相談をされて、ある時点では見極めというのも必要かもしれません。ですけれども、不妊治療というのは女性の中で、女性の一生をトータルに考えて皆さんのご判断でその辺もされたらいいかなと思います。

西村: IVF大阪クリニック、ホームページに素敵なこの愛作先生の笑顔のお写真も載っておりますね。

福田: ありがとうございます。

西村: ぜひ皆さん、ホームページもご覧いただければと思います。この番組は毎週金曜日、夜10時から再放送をお届けしております。また、ポッドキャストによる配信も行っております。FM西東京のポッドキャストページからお聴きください。それでは先生、ありがとうございました。

福田: ありがとうございました。

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