不妊治療と妊活の両立。開かれた不妊治療に必要なこととは
FM西東京にて毎週あさ10:00~放送中の「妊活ラジオ~先端医療の気になるあれこれ」。毎週さまざまな先生方をゲストにお招きし、不妊治療の最先端医療技術についてわかりやすくお伝えしていきます。
目次
番組内容
2021年5月9日放送分
西村:先週に引き続きまして、ゲストはこの方です。Woman Lifestage Support代表の笛吹 和代さんです。笛吹さん、今週もよろしくお願い致します。
笛吹:よろしくお願い致します。
アイジェノミクスのラボについて
アンディ:実はですね、今日スタジオに来る前に、笛吹さんに弊社のラボに来ていただいてですね、ラボ見学をしていただいたんです。いかがでしたでしょうか?
笛吹:そうですね、私、臨床検査技師なので、本当にラボっていうかそのような会社に勤めてた時代もあったんですけども、やはり20年ぶりにそういう検査のラボに入ったので、もう機械の進化に驚いて、ひとりで「おお〜!」って言いながら見させていただいてたので。
何て言うのかな、患者さんにとって検査の世界って本当に何も分からない。検体は出すけど、じゃあこれがどのように検査されて、どうやって私達のところに返って来るんだろうって。
下手すると先生も数値しか見せなかったりするので、流れが分からないというか、何がどうなって調べられてるのか今ひとつ理解してないっていう患者さんもやっぱり多いので、今回こういうかたちで見させていただいて、またそういうのを患者さん達にも、ご相談者さんの方達にもお伝えしていければいいなぁっていう風に思ってます。
アンディ:実は今日は初めてこういったツアーを企画したんですけど、今後もですね、患者さんとかリスナーの皆さんも、もしご興味があればですね、弊社のツアーを見学していただいて、あといろんな検査の結果はどういう風に出るか、この結果を見たら先生はどういう風に治療するかっていうような説明も出来ればと思っています。
笛吹さんの不妊治療の経験〜起業に至るまで
西村:さて、先週からですね、笛吹さんにお越しいただいてるんですが、改めてここで、笛吹さんのご経歴について振り返りをリスナーの皆様へお願い致します。
笛吹:はい、私は10年前、2011年に不妊治療をしてまして、私自身がなかなか子供が出来なくて。子供ってすぐに出来るんだと思ってたのが出来なくてクリニックに通い出したんですけど、やっぱりなかなか不妊治療と仕事の両立って難しいなっていうのを本当に自分自身がすごく痛感しまして。
私自身もなかなか両立するってことが出来なくて会社を辞めたっていう経緯がありますので、その時に自分自身ですごく情報を調べたんですね。クリニックを選ぶためとか不妊治療をするためにすごく情報を調べて、本を読んだり論文を読んだり、論文を解説してるのを探したりしたんですけど。
やっぱりなかなか、一患者がそれをするってすごく大変だなっていうのが、自分が身を以て痛感したのと、クリニックに行かないと相談出来ないっていう環境を変えないと、患者さんって分からないままクリニックに行って、分からないまま治療を受けて、分からないまま検査を受けて、っていうのは、患者の主体性っていうのがないなというのをすごく痛感してるので。
それで起業をして自分がそういう最初の情報発信の場、相談の場になれればいいかなと思って今の事業を立ち上げました。
リュウタロウ:そうですね、Woman Lifestage Supportさんを立ち上げられて、具体的に患者さんがどういう風にご相談されたりですとか、どういったご支援をされてるかっていうところをいくつか教えていただいてもいいでしょうか?
笛吹:そうですね、まずはちょっと今、コロナの関係でなかなか対面でのセミナーっていうのはなくなってしまったんですけど。
行政さんからご依頼があれば、セミナーに登壇させてもらって患者さんに基本的な不妊治療って何、妊娠って何、妊活って何、っていう本当に基本的な情報のお話をさせていただいたり、Zoomなんかも使って今はオンラインでセミナーをさせていただいたりしてますし。
あとは患者さんと、それこそ個人個人でご相談いただくというか、やっぱりもう全然違うんですね、ひとつの事例に当てはめられるものではないので、ご相談者さんからお問い合わせをいただいてご相談を受けたりとか、あとはいくつか企業さんのお仕事を受託してますのでそちらの相談窓口を現在させていただいたり、コラムの発信なんかもさせていただいてます。
リュウタロウ:個人でご相談される方はどうやって笛吹さんに辿り着かれるんですか?
笛吹:だいたい検索からHPで来てくださる方とか、SNSで知ってご相談くださる方もいますし、あとは本を出版してますので、本からご相談くださる方もいらっしゃいます。
西村:はい。是非、その本はどんな本なんでしょうか?
アンケートで見えた不妊治療のリアル
笛吹:そうですね、本は『あきらめない妊活』ということで、私自身の不妊治療と仕事の両立、私自身は出来なかったんですけど、その当時の経験をもとにどのように不妊治療と仕事の両立を進めていくのかとか、妊活、不妊治療をどう進めていくのかっていう、本当に当事者目線ですね。
やっぱりお医者さんが書かれた本とか芸能人が書かれた本っていうのはいっぱいあるんですけど、そんなに芸能人みたいに私達はお金を費やせないし、時間も費やせないっていうのがあるので、じゃあ一般人がどうやって不妊治療を進めていくのかっていうのを本当に当事者目線で書いた本になります。
この本を書く時にすごくツイッターで妊活、不妊治療の話が盛り上がっていて。やっぱり当事者の思いっていうのはなかなか伝わらないよね、っていう話がすごく盛り上がってたので、ツイッターの中でアンケートをとって、当事者の本音っていうのを本の第1章にもう全部詰め込みまして。
それこそクリニックで先生にこういうことを言われたとか、こういうクリニックでは私は2年も時間を無駄にしたとか、だから患者さんのリアルが全部詰まってて、会社で不妊治療と仕事の両立の相談をしたら本当に理解がない言葉が返って来て、なんか体外受精を1回したら妊娠出来るんだよね、って思ってる人がやっぱり世の中一定数いらっしゃるみたいで。
なんで何年もそんなに治療ばっかりしてるの?って言われたりして、心が折れたなんていうお話もたくさんいただいてるので、本当に当事者の方向けに書いた本なんですけど、第1章に関しては、もう本当に企業の方も行政の方、それこそ不妊治療なんて知らないわ、関係ないわ、なんて言ってる人全部に読んでいただきたい内容なんですね。
西村:拝見すると、『男性不妊・高額治療費、それから不妊治療の保険適用・助成金、アンケートが語る妊活のリアル』っていう風に帯が付いておりまして、本の題名が『あきらめない妊活〜キャリアと不妊治療を両立させる方法〜』。これ、本当にアンケートの結果のいろんなリアルな声って、ちょっと胸にキュンと・・・。
笛吹:そうなんです。
西村:ザクッとささってしまうようなお声もね、正直あったんじゃないですか?
笛吹:そうですね、私、もともとは統計的なデータをとろうと思ってアンケートを始めたんですね。支援制度がどれ位あるのかとか、皆さんが何年治療してるんだとか、統計的なデータが欲しくて。その他のところに皆さんにコメントを書いてもらえるように、と備考欄も一応つくったら、もうその備考欄が本当にいっぱい、皆さんのお声があって。
もうそれこそ自分でアンケートを始めたのに、それを読むと自分でずーんと落ち込んでしまって、当時のこと思い出すこともありましたし・・・。
西村:なるほど・・・。
リュウタロウ:でもそっちに真実が詰まってたっていう・・・。
笛吹:そうなんですよ。やっぱりそれが現実なんですよね、社会の、まだまだ。すごく理解が進んでる反面、知らない人は知らない世界なので。
西村:是非この本を一度手にとっていただいて、もちろん女性の方もですけど男性の皆さんも・・・。
笛吹:そうですね。
西村:はい、一度お読みになられてみてはいかがでしょうか?
妊活とSNS
西村:引き続き、笛吹和代さんにお話を伺ってまいります。
リュウタロウ:はい、笛吹さん、今回きっかけをいただいたのが、アンディと僕とクラブハウスのやり取りっていうところだったんですけども、先程前半でツイッターのお話もありましたし、SNSがもうかなり情報交換で重要な役割を果たしてるってことになってきてるんでしょうか?
笛吹:そうですね、やっぱりSNSの場がないと、当事者同士のコミュニティっていうのがもう成り立たないんだなっていう位に、SNSっていうのはすごく重要な場にはなってますね。
で、そういうアイジェノミクスさんからの情報発信なんかもやっぱりSNSで皆さん見ていらっしゃいますし、お医者さん自体も匿名のお医者さんもいらっしゃいますけどやっぱりツイッターで発信されてたりするので。
やはりそういうところを皆さん情報を拾って、本当に今情報が溢れ返ってるので、どうやって情報を拾うかっていうのはやっぱり重要な時代にはなってるんだなっていうのはいつも思いますね。
リュウタロウ:そういうツールの使い分けとかって何かされてたりするんですか?
笛吹:そうですね、結構ツイッターはやはり妊活、不妊治療に於いても社会的な問題、課題のやり取りは多いですよね。
逆にクラブハウスなんかはリアルな看護師さんとか培養士さんの話なんかも聞けたりするので、そこでリアルに質問が出来る、文字じゃないコミュニケーションの便利さっていうのも多分あると思いますし。
それこそ、誰もアンディさんからあんなところで検査の話が聞けるなんて思ってなかったので私も見つけた時にえ〜!と思って、即フォロー!って押して(笑)。
リュウタロウ:そうですね、予想外の展開になるっていうのはやっぱりクラブハウスは面白いですね。
笛吹:やっぱりあれはクラブハウスの特徴ですね。
リュウタロウ:ツイッターを通していろいろな出会いもまた広がって・・・。
笛吹:そうですね。ツイッターを通して、もちろん当事者さん達と出会ったっていうのもありますけど、不妊治療とか妊活の支援をしたいっていう人達と出会う機会もツイッターを通してたくさんあったので、いろんなSNSありますけど、やっぱりこういうコミュニティが多いのはツイッターかなという気はしてますね。
開かれた不妊治療を目指して
リュウタロウ:今、笛吹さんが一緒にお仕事をされてる婦人科ラボさんとの出会いもツイッターだったという。
笛吹:そうなんです。婦人科ラボの西ともツイッターで出会いまして、突然、西から連絡が来まして。カウンセラーを探してるのでよかったらお話聞いてもらえませんか、なんていうのが来まして、もう笑い話なんですけど私、釣りをしてたんですね、淡路島で。
西村:え〜!釣りをされるんですね〜!
笛吹:そうなんです。釣竿を持ちながら西と電話をしたという(笑)。ラジオでこんなことぶっちゃけていいんだろうかと思うんですけど(笑)。
本当にそういうお仕事のご依頼をいただくことも増えましたし、西とは試行錯誤しながらいかに不妊治療の環境を良くしていくというか、婦人科ラボっていうのはクリニック検索サイトなんです。で、西自体も卵子凍結をしてまして、その時にすごくクリニック探しに悩んだんですって。なんでこんなに情報が世の中まとまってないんだっていうのが西の思いにあって。
で、私自身も患者さんからご相談を受ける度に、クリニックのご相談ってやっぱり多いんですね。この地域だとどこがいいですか?とか。私、関西出身なので、関西の情報はある程度持ってるんです。なので関西のご紹介はさらさらっと出来るんですけど、でも違う地域になるとなかなかご相談されてもすぐに答えられない。
でもこのサイトを見たら全部情報が載ってるよ、っていうのが絶対患者には必要だ、っていう話を西としてて。で、今婦人科ラボのその検索サイトを西と徐々に徐々に内容を増やしながらつくってるっていう状況で、そんな中でアイジェノミクスさんからもお声掛けいただいたので、検査なんかのご紹介もしていけたらいいなぁ、なんて話はしておりますし、やっぱり開かれた不妊治療っていう世界にしたいなと思ってます。
西村:開かれた不妊治療ってすごくいいお言葉ですね。
笛吹:そうですね、ブラックボックスな、って言ったら先生達には怒られますけど(笑)。本当に患者にとっては見えないんですね、何をしてるか分からない。
先生は麻酔してる間に採卵してくれるけど、私たちの卵ってどこに行ったの?どうやって受精させて、どうやって培養してるの?と。やっぱり患者さんって取り違えとか気にされるんですよね。だからどのように管理されてるとか、みんな1個1個が見たい。
リュウタロウ:ツイッターお見かけすると、その分からないっていうお悩みを書かれてるのはよく見かけますよね。
笛吹:そうですね。で、やっぱり医療の世界って言葉が難しいんですよね。私達が当たり前のように使っちゃう言葉でも言葉が難しいから読む気がなくなる。書いてても読む気がなくなるから、やっぱりそういうのを分かりやすく説明して欲しいって。
なので本当に婦人科ラボの、多分一番のメリットは私が基本的に記事は執筆させてもらって、医師に監修をしていただいてるんですけど、間に西が入るんですね、必ずチェックに。そうすると私と医師では難しい話のまま突き進むんですけど、西が入ることによって文章が柔らかくなるんです。
リュウタロウ:なるほど。
笛吹:なのでここもう少し柔らかい表現に変えたいとか、そういうのも来るので患者さん、当事者さんにとって分かりやすい文章になっていくんじゃないかなっていうので発信をしてますね。
西村:アンディさん、やっぱりこのアイジェノミクスさんももちろん開かれた不妊治療、ラボ、皆さんに見学していただいたりする機会を増やしていきたいっておっしゃってましたけど、そこやっぱりアンディさんも同じ心が通じてる部分じゃないですか?笛吹さんと。
アンディ:そうですね、検査の検体はたくさん毎日来るんですけど、実際その検査の内容はちゃんと皆さん理解して検査を受けてたのかっていうのは私達も実は思っていてですね、こういった、例えばラジオの番組をやりながらですね、他の媒体、SNSも使って、患者さんには是非、いろんな知識を増やしていただきたいなと思います。西さんと笛吹さんと同じ思いがあるかなと思いますね。
西村:はい。これからお二方のタッグが楽しみだと思うんですけど、笛吹さん何かタッグ組んでこんなことやってみたいわ、とかありますか?
笛吹:そうですね、やっぱり先程お話されてたラボツアーをやりたいですね。私自身も検査技師なので、検査の分野って本当に外から見えないので。でもすごく重要な分野なんですよね、自分の身体の一部がどういう風に検査されてるかっていうのは、理解して次に進むことによって納得感も得られますよね。
不妊治療って妊娠がゴールでありながら皆さんがゴールに辿り着ける分野ではないので、やっぱりひとつひとつのものに納得感っていうのはすごく大切だと思うし、何をされてるか分からないっていう不安が一番患者さんを悩ますので、もう是非ラボツアーされる時はまた私もこちらに伺って、ご一緒して、あてにさせていただければ嬉しいなって思っておりますし。
アンディ:問い合わせされた患者さんも、笛吹さんから是非一緒に見学に行きましょうっていう声を掛けていただければ都度企画しますので、よろしくお願いします。
西村:よろしくお願いします。
笛吹さんからリスナーの皆様へメッセージ
西村:2週にわたってWoman Lifestage Support代表の笛吹和代さんにお話を伺いました。最後に、リスナーの皆様へ、メッセージ頂戴出来ますか?
笛吹:はい。そうですね、先程も言いましたけどやっぱり開かれた不妊治療ということで、医療とそういう当事者さん、患者さんの架け橋になっていけるような活動をしていきたいなと思ってます。
アイジェノミクスさんとかともそういう風にいろいろコラボをしながら皆さんで不妊治療の悩みというのをひとつずつ解決していければいいなと思ってますので、どうぞよろしくお願いします。
あと、『あきらめない妊活』の本も、是非よければ大きい書店だったら置いてますし、Amazonなんかでも購入出来ます。『あきらめない妊活』で検索していただけたら嬉しいです。
西村:はい。それでは笛吹さん、2週にわたってありがとうございました。
笛吹:ありがとうございました。
リュウタロウ・アンディ:ありがとうございました。
西村:アンディさん、ここで皆様にお知らせをお願いします。
アンディ:はい。弊社検査ラボのラボツアーですね、検査の内容、報告の結果はどういう風に出るかとか、そういったツアーですね、是非患者さん、リスナーの皆さんに参加していただきたいと思いますので、随時弊社のウェブサイトやSNSに掲載していきますので、是非見てください。
西村:はい、ツイッターやフェイスブック、是非皆さんフォローしてみてください。
リュウタロウ・アンディ:お願いします。
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