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最先端の医療 : 不妊治療への想い。院長とERA検査との出会いも。

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FM西東京にて毎週あさ10:00~放送中の「妊活ラジオ~先端医療の気になるあれこれ」。毎週さまざまな先生方をゲストにお招きし、不妊治療の最先端医療技術についてわかりやすくお伝えしていきます。

番組内容

2021年5月30日放送分

西村:さあ、今日の放送はリュウタロウさんと一緒に、はらメディカルクリニックにお邪魔しております。

ご出演いただきますのは、院長の宮崎薫先生です。宮崎先生、よろしくお願い致します。

宮崎:はらメディカルクリニックの院長の宮崎薫と申します。

私は日本産科婦人科学会の専門医、そして日本生殖医学会認定の生殖医療専門医です。

昨年よりここ、はらメディカルクリニックの院長をさせていただいております。

前院長の意志を受け継いで院長に

リュウタロウ:先生、早速ですけれども。こちら、はらメディカルクリニックさん、非常に歴史もあって、不妊治療されてらっしゃる患者さんも名前をすごくよく存じ上げてるクリニックだと思うんですけども、先生、こちらのクリニックにいらっしゃったきっかけは何かあるんでしょうか?

宮崎:そうですね、私、2018年までは米国で研究の方をさせていただいておりました。

その後日本国内に帰ってくることになりまして、2018年の10月からですね、ここ、はらメディカルクリニックの非常勤医師として働いておりました。もちろん、常勤先は別にあった訳ですけど、そこで前院長の原先生のお人柄と、あと原先生の不妊治療に懸ける思いというものに触れまして、是非このはらメディカルクリニックで常勤医として働きたいという、そういう希望が強くなってきました。

それで去年、2020年の4月から、ここはらメディカルクリニックの常勤医として働き始めたんですね。で、実は私が働き始めて数日、大体1週間位した後に原先生が、残念ながら体調を崩されて入院されて、その後亡くなってしまったんですね。

で、その原先生の意志を継いで私が5月から、ここはらメディカルクリニックの院長として、勤めさせていただいております。

リュウタロウ:原先生が亡くなられたニュースは業界でも皆様かなりショックを受けた中で、こちらのクリニックさんの1階にも原先生のメモリアルのものがあって、すごく想いを感じるなと思うんですけど、そういったとこで先生、かなりご苦労もあったのかなと思うんですけれども。

宮崎:やはりいきなり、本当にどうしてこんなことが、っていう、すごく悲しみとショックとでいっぱいだったんですけれども、やっぱり一番大変だったのは患者様だったと思うんですね。だからもう、患者様を一刻も早く妊娠させるために自分が頑張らなきゃいけない。

あとはもちろん職員ですよね。職員も圧倒的なロスの中で、悲しみの中で、それでも一生懸命働いてくれていましたから、患者さんとあとは職員を一生懸命支えたいという思いで、院長として今までなんとか走って頑張ってきました。

豊富な実績と様々なサポート体制

リュウタロウ:そういった思いの部分もものすごく強いはと思うんですけど、やはりこう、はらメディカルクリニックさんはすごくしっかりした特長と言いますか、患者様に安心していただけるような点がたくさんありますよね?

宮崎:はらメディカルクリニックは、日本国内で最も歴史のある不妊治療クリニックのひとつでございます。で、この長い歴史の中でですね、主に4つの特長、これを職員と共に練り上げてまいりました。で、そのひとつが豊富な臨床実績と妊娠率です。

宮崎:現在の当院の妊娠率、胚移植1回あたりの妊娠率は大体4割位ですね、平均して。

これは、日本国内の平均よりも高い水準となっております。

あとはオーダーメイド医療ですね。患者様の状態に合わせて、いろんな治療を組み合わせて、患者様に一番合った治療を組み立てていきます。

リュウタロウ:患者様にさまざまな選択肢をご提示されて、その中で一番合ったものを、という。

宮崎:そうですね、はい。患者様の今までの治療歴ですとかホルモン状態とか、あとは患者様のご希望、そういったものを組み合わせて最適な医療をご提供しています。

リュウタロウ:その他にはどういった特長がございますでしょうか?

宮崎:そうですね、あとは統合医療、圧倒的なサポート体制ですね。

リュウタロウ:具体的には、患者様から見た時にどういったサポートが得られるのでしょうか?

宮崎:統合医療に関して、当院では基本は通常の排卵誘発とか、そういう西洋医療が中心ですけれども、それ以外にも当院の1階にはサロンがございまして、そこで鍼治療ですとか、マッサージのようなものも受けることが出来ます。で、多面的に患者様の妊娠をサポートするというところ、それが統合医療のいい点です。

あとはサポート体制に関してはですね、事務の者、看護師、あとは胚培養士が一丸となって患者様のサポートですね、それを行っております。

患者様がクリニックに来ていただかないことには妊娠出来ませんから、なるべく患者様に来ていただきたい、来やすい環境を作る、それがサポートですね。

ERA検査との出会いは?

西村:サポート体制を含めてね、リュウタロウさん。

リュウタロウ:幅広く対応していらっしゃるというところがすごく魅力的だなと思います。

西村:先生、ちなみに首都圏の患者様はもちろんだと思うんですけども、遠いところだったらどちらからいらっしゃる患者様がいらっしゃるんでしょうか?

宮崎:本当に遠いところですと離島から来ていただく患者さんもいらっしゃいますし、あとは中部地方とか、北だと栃木県とか、いろんなところから来ていただいております。

リュウタロウ:関東一円のみならず、さまざまなところから患者さんにいらしていただいてて。

宮崎:そうですね、お陰様で、はい。

リュウタロウ:その中でですね、前半、オーダーメイド医療というところでいろいろと患者様に提供出来るものを準備されてるというとこですけども、弊社のERA検査についても採用いただいてるところで、ERA検査をどうやってお知りになられたのかとか、どうして採用されたのかですとか、その辺りをお話いただいてもいいでしょうか?

宮崎:はい。ERA検査はですね、私が2018年に日本に帰って来て、前に常勤で勤めていた不妊治療のクリニックで初めて知ったんですね。こんなのが最近は出て来てるんだってすごく驚いたのを覚えております。

当院でERA検査を採用した経緯ですけれども、ERA検査、今でも新しい検査の部類には入るんですけども、だんだんとエビデンスが積み重なってきて、やはり反復して何回も胚移植をしても妊娠されない方の中には着床の窓がずれている方がいらっしゃるっていうことがだんだん明らかになってきましたので、やはりより多くの患者様に妊娠していただくためにはERA検査を導入することが必須だと考え導入致しました。

どんな時にERA検査を実施しているのか?

リュウタロウ:ERA検査はどういった患者様に、どういったタイミングでお勧めされていらっしゃるんですか?

宮崎:いろいろ考えられるんですけれども、まずこちらから積極的にお勧めするタイミングとしてはですね、胚移植を2回か3回行って、全く着床しない場合ですね。hCGが全く上がって来ない場合にはやはり着床の窓がずれているんじゃないかっていうことを疑って、ERA検査をお勧めします。

でもそれ以外でも、例えば患者様によっては、もう私は最初から胚移植1回目をやる前から全部しておきたいんだという方もいらっしゃいますので、そういう方には1回目の前からでも行うことがございます。

あとは先ほど、着床をしない場合にっていう風にお伝えしたんですけれども、やはり中にはですね、多少着床した後とか、あとは流産になった後で、流産とか着床を多少でもする場合には着床の窓がすごくずれてるってことは少し考えづらいのですが、やはりもしかすると着床の窓がずれてるんじゃないかということを疑って、ERA検査をする場合もございます。

リュウタロウ:そうするとERA検査を幅広い患者様にご提供する中で、やはり患者様の方からリクエストがあった時、あるいはやはり着床されないとかだと思うんですけども、ERA検査をやった後の妊娠率の向上といいますか、先生の感触としてはいかがでしょうか?

宮崎:まず前提としてERA検査でずれが指摘される患者様っていうのは決して多くはないんです。大体、当院のデータですとERAで着床の窓のずれが指摘された患者様は26.5%でした。

ですから、7割ちょっと位は特にずれはないんですね。けれども、ずれが指摘された患者様に関してはですね、この指摘されたずれを補正して移植を行うと、やはり妊娠率が高くなっているという実感がございます。

ERA検査後の着床率が41.2%、そして妊娠継続率が29.4%でした。

当院のデータでは胚移植回数が多くなれば多くなるほど、妊娠率が低くなっていきます。

例えば34歳以下の方のデータでは胚移植回数が1回目の場合には妊娠率が32.7%、妊娠率っていうのは胎嚢が確認されるっていうことですね。ですが、3回目になると妊娠率が19.9%まで下がってしまいます。4回目だと9%、5回目では4.5%。

基本的にはERA検査をやるのは3回目以降、2回か3回移植しても妊娠しなかった場合ですが、3回目の妊娠率19.9%と比較すると、ERA検査後の胎嚢確認率は35.3%ですから、十分高い値が得られています。

このことからやはり、ERA検査をやってしっかりとずれを補正すれば妊娠率が上がるっていう風に確信しております。

リュウタロウ:Early、Lateですとか、Pre、PostといったいろいろERA検査結果のパターンがあるんですけど、先生の感触として、どのようなパターンでもその結果通りにずらせば妊娠率は高まるという、そういうご理解でいらっしゃいますか?

宮崎:そうですね、はい。

リュウタロウ:はい、ありがとうございます。

宮崎:やっぱり特に、劇的に効くのは例えばそうですね、6時間とかそういう軽微なずれではそこまで差は出ないと思うのですが、時々24時間といった大きなずれが指摘される場合には、これは本当に劇的に効くな、ていう感触を得ています。

リュウタロウ:そうなんですね。そうするとやはりPreが一番効くっていう感じですかね?

宮崎:そうですね。まれにPostの方もいらっしゃるのですが。

リュウタロウ:はい。そうですね、Postだとどうしても再検査っていうところには・・・。

宮崎:そうですね、はい。

リュウタロウ:先生、ERA検査を受けられた方の具体的な症例のご紹介とかお願い出来ると有難いのですが。

宮崎:えっとですね、お一人印象に残ってるのは、やはり何回か移植してなかなか妊娠しなかったんですね。で、ERA検査を行ったところ、24時間のずれでPreだったのかな。その補正の通りにプロゲステロン膣剤を開始する時間をずらしたところ、見事に妊娠して無事にその方は卒業されていきました。

本当にいろいろな方がERA検査で妊娠されてる訳なんですけれども、逆にPreではなくてPostの場合でも無事に妊娠されて卒業されていったっていうことを経験しております。

今後のPGT−Aの課題

リュウタロウ:今、ERA検査についてお話していただいたんですけれども、今後望まれる検査といいますか、どういった検査があったらいいなと思いますか?

宮崎:そうですね、ずばり、非侵襲的なPGT-Aですね。

やはり今は日本国内では普通のPGT-Aですね、胚盤胞の細胞を一部採ってそれをPGT-Aにかけるというのが行われていて、いま臨床試験中です。

ですけれども通常のPGT-Aの問題点というのは、やはり細胞を直接採るので受精卵へのダメージっていうのが否定出来ないということがあります。

あとは採取する細胞と実際に赤ちゃんに成長していく細胞はまた違うものなので、そこでの結果のかい離っていうのも否定は出来ない訳ですよね。

なのでPGT-Aも素晴らしい方法ではあるんですけども、さらに受精卵へのダメージを減らすという意味で、非侵襲的なPGT-Aっていうのが今後もっと研究が盛んになってくるんじゃないかなっていう風に思ってるんです。現に日本国外ではですね、非侵襲的なPGT-Aも徐々に臨床応用されてるようですので。

リュウタロウ:そうですね、アイジェノミクスのスペインの研究者チームもですね、そこは結構力を入れて頑張ってますので、もっともっとこう、皆さんのお役に立てるように頑張れたらいいなと思ってます。

宮崎:お願いします。

宮崎先生からリスナーの皆様へメッセージ

西村:では先生、全国から患者様がこの放送を聴いてくださってると思うんですけども、是非リスナーの皆様へメッセージを頂戴出来ますか?

宮崎:はい。今回のラジオを聴いてくださってありがとうございました。宮崎です。

当院はですね、非常勤医師を合わせて47人程の体制で、少しアットホームな感じなんですけれども、頑張って患者様の妊娠に向けて職員全員で手を合わせてお手伝いさせていただいております。

今後とも、はらメディカルクリニックをよろしくお願い申し上げます。

西村:ご出演いただきました、はらメディカルクリニック、院長の宮崎薫先生でした。

先生、ありがとうございました。

宮崎:ありがとうございました。

西村:さて、お時間となりました。今日は、はらメディカルクリニック、院長宮崎薫先生にお話を伺いました。

また、アイジェノミクス・ジャパン、事業開発部長のリュウタロウさんと一緒にお届けしてまいりました。

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