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Vol 42:不妊治療の経験談

Tiempo de lectura: 2 minutos
西村さん、着床前診断を推進する患者の会の皆さま、アンディさん

病院の先生方をゲストにお招きし、不妊治療の最先端医療技術についてわかりやすくお伝えしていきます。今週のテーマは「不妊治療の経験談」。

番組情報

放送分:2019年2月17日放送分
ゲスト:着床前診断を推進する患者の会の皆さま
テーマ:「不妊治療の経験談」
FM西東京のページ:こちら

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番組紹介

ここからのお時間は「妊活ラジオ~先端医療の気になるあれこれ」をお届けします。
最近「妊活」という言葉をよく耳にしませんか?
妊娠の「妊」、活動の「活」、ひとことで言えば文字通り「妊娠するための活動」という意味があります。
まさに妊活中のあなたに届けていく20分間です。

この番組では、ゲストをお迎えし、テーマに沿って不妊治療の最先端技術をご紹介していきます。
お話を進めていただくのは、スペイン発の不妊治療を専門とした遺伝子検査会社アイジェノミクス・ジャパンの法人代表であり、理学博士のアンディさんです。アンディさん、よろしくお願い致します。

番組内容

アンディ: よろしくお願いします。今日はスタジオに、不妊治療の患者の会より4名のゲストの方にお越しいただいています。テーマは「不妊治療の経験談」について、お話をいただきましょう。

西村: アンディさん、それでは今週もよろしくお願いいたします。

アンディ: はい、よろしくお願いします。

西村: 今日は不妊治療を経験された方々がスタジオに。

アンディ: たくさんいらっしゃってます。

西村: いますね。はい、ご紹介ぜひお願いします。

アンディ: そうですね。患者の会のメンバーの方です。4名の方に来ていただいてます。

(ゲスト): よろしくお願いします。

西村: 「着床前診断を推進する患者の会」よりお越しいただいております。お一人ずつ、皆さん自己紹介をお願いできますか?

ネコタ: はい。こんにちは、よろしくお願いいたします。患者の会で幹事をやっておりますネコタと申します。2年半の不妊治療を経て妊娠、出産をいたしました。今日はよろしくお願いします。

西村: お願いいたします。続きまして、はい、お願いいたします。

ミッキー: はい。患者の会の幹事をしておりますミッキーと申します。42歳の主婦です。不妊治療を受けて、現在子どもが二人おります。よろしくお願いします。

西村: よろしくお願いいたします。続きまして。

リネット: 患者の会でサポーターをしておりますリネットと申します。私は3年半の治療を経て、一人の娘を授かっております。よろしくお願いいたします。

西村: よろしくお願いいたします。こんなに多くのゲストの方がスタジオにいらっしゃるの、これは初めてですね、この番組でね。ぜひ皆さんのお話、楽しみにしております。まずはこの、今ご紹介、皆さんがしていただいた「着床前診断を推進する患者の会」、こちらの会はどんな会なんでしょうか? ネコタさん、教えてください。

ネコタ: はい。私たちは、日本中どこに住んでいても患者が自分の意思で着床前スクリーニング、今はPGT-Aと呼ばれているんですけれども、それが受けられるように学会の認可を求める活動と、患者同士の情報交換や支え合いを目的とした会なんですが、着床前スクリーニングについてちょっとアンディさんからご説明をお願いしたいと思います。

アンディ: 着床前スクリーニング。PGT-Aとも言いますけれども、これは実はこちらの番組で何回か紹介させてもらっています。簡単に説明しますと、不妊治療でできた胚を戻す前に染色体の異常があるか無いかを確認して戻す、というような検査です。昔はPGSという名前だったんですけれども、今はPGT-Aという名前になりました。

ネコタ: はい、そうなんです。そして私たちはまだ設立して約1年半なんですけれども、

西村: あっ、そうなんですね。

ネコタ: でも会員数があっという間に、なんと1,000名まで増えました。

西村: おおっ。

ネコタ: それだけ多くの人が着床前スクリーニング、PGT-Aを必要としてるということだと思います。活動内容としては、メルマガでPGT-Aに関連するいろいろな情報をお送りしたりとか、あとはホームページでトークルームという会員さんだけが情報交換できるコンテンツを設けたり、あと、妊娠治療関係のイベントに出席して最新の情報収集をしたりしています。

西村: でも、こうやって情報を共有できるっていう、すごくこう皆さんね、心強い情報がいっぱいあるんじゃないでしょうかね?

ネコタ: そうなんですよ。先日も、実は初めて患者さん同士で集まっておしゃべりする会を開いたんですけど、皆さん本当にいろんな経験をされてここにたどり着いているので、自己紹介だけで2時間使ってしまったほどなんです。今後もこういうイベントをどんどんやっていきたいと思ってますので、ぜひツイッター、あとホームページ。検索は「着床前診断を推進する患者の会」でチェックしてみてください。よろしくお願いいたします。

西村: ありがとうございます。さて、それではもう、2時間も皆さん自己紹介で。でも、それだけいろいろなご経験や感じていること、いっぱいおありだと。

ネコタ: つらい思いも。

西村: 思うんですが、その一部を今日はこの放送を聴いていただいているリスナーの皆さんにお届けできればいいかなと思うんですけれども。まずは、では、この不妊治療の経験談のお話を進めていただきたいと思います。リネットさんからお願いできますか?

リネット: はい。私は、今、お話でもあったように、みんなこう治療の話を始めると長くなるということだったんですけれども、実際私も話し始めると多分長くなってしまうんで。というのも、いろいろな経験を経てこの着床前診断、PGT-Aというようにたどり着いているので長くなってしまうんですけれども。
私の場合、結婚が遅かったのもあるんですけれども、42歳になってから妊活を始めました。確かに取り組みちょっと遅かったんです。遅かったんですけれども42歳から始めて、かかった期間は約3年半かかっています。
病院も、人工授精というのがあるんですね、こちらは高度不妊治療に対してもっと簡単なレベルの不妊治療になるんですけれども、こちらで3つの病院にまず通いました。そのあと高度不妊治療をやっている病院に、4つの病院に通って、その間に不育症という、これまた赤ちゃんがおなかで育たなかった場合に、そうならないような予防をしてくださる病院にも通っていたことから、トータル8つの病院に通っておりました。

ネコタ: 多いですね。

リネット: そのぐらいちょっと通って、やっと3年半の期間を経て妊娠、出産をすることになったんですけれども、その間には退職をしたりですとか、いろいろ。当時通っていたのは自然系のクリニックというのもありまして、あまりホルモン剤は使わなかったんですけれども、転院した先では多くのホルモン剤を使ったりして体に結構負担もかけつつ、いろいろな苦労があった中でやっと出産をしたような状況です。
私一人の話だけでこういういろいろなものが話として出てくるので、きっとその患者の会のお茶会、私参加してないんですけれども、さぞかしいろんな話がもう皆さん、心にあったと思います。

西村: でも、その経験をされてらっしゃる途中段階ですね、治療の段階の期間はどんな心境でいらっしゃいました?

リネット: そうですね、もう年齢が年齢なので授かればラッキー、というふうに思いこむようにしていました。一喜一憂してしまうと行動が止まってしまうと思ったので、なるべく仕事のように淡々と病院に通い続けることというのがノルマのようになっていたような気がします、自分の中で。

西村: そのとき、やっぱりこう、心を奮い立たせるというか。まあ、行くぞというような気分転換とか、そのときはされたりとかはあまり無かったですか?

リネット: 私、運動が好きなんで。なので、かなりたくさん運動して、ジムに行ったりすることで体を動かして発散させていました。

西村: アンディさん、これすごく良いことですよね。体を動かすって、先生方も運動が大切だよって、よくこの番組でも、ね。

アンディ: そうですね、言ってましたね。活性酸素を除去する効果とか、大阪の先生が統合医療という意味で運動が良いということも言っていただきましたね。

西村: そしてリネットさんは、着床前診断はどのようにされました?

リネット: 私は病院の方で、それをやっている病院に通うことで、最終的に子供を授かるきっかけになったのがこの着床前診断、PGT-Aを受けたことで出産に至りました。

西村: 『妊活ラジオ~先端医療の気になるあれこれ~』。今週は「着床前診断を推進する患者の会」の皆さんにご登場いただいております。後半もよろしくお願いいたします。

(ゲスト): よろしくお願いします。

西村: さて、後半なんですけれども、引き続き不妊治療の経験談をお話しいただきたいと思うんですが、ここでミッキーさんお願いできますか?

ミッキー: はい。私はもともと多嚢(たのう)胞性卵巣症候群という疾患がありまして。10代から婦人科に通っていました。

西村: ミッキーさん、今おっしゃられていた多嚢胞性卵巣症候群。こちらで合ってます? これ、どういった病気になりますか?

ミッキー: 卵巣の中に卵胞がたくさんできて、月経異常や排卵障害を起こす病気なんですね。不妊の原因になります。結構この病気多くって、女性の20~30人に一人かかっているらしいんですけど、ほとんどの方は妊活されるまで気が付いていないと思いますね。私の場合は高校生のときに無月経という症状がありましたのですぐ気が付きました。
それで一人目のときはまだ30代前半だったので排卵誘発剤を飲んで妊娠し出産しました。出産後しばらく二人目は考えていなかったんですけど、38歳になったとき突然、もう一人欲しいというふうに思ったんです。そしてまた病院に行きまして、排卵誘発剤を飲みました。でも2回続けて流産してしまったんですね。でも年齢的に難しいかなと思って、一度は不妊治療をやめようと思いました。そんなとき、着床前スクリーニング、PGT-Aという検査があることを知ったんです。
多嚢胞性卵巣症候群の方って、薬ですごくたくさんの卵子が採れるんですね。でも年齢を重ねると、どうしても染色体異常のある卵が割合的に多くなってしまうんです。質の悪い卵では妊娠できない、もし妊娠しても流産で終わってしまう。だから、受精卵の染色体について調べられるPGT-Aをどうしても受けたいと思いました。
そして40歳のときに関西のクリニックへ行きました。やっぱり採卵ではたくさんの卵子が採れて、受精卵も多くできました。PGT-Aによって染色体異常の無い正常な受精卵だけを移植しまして、41歳で二人目を出産することができました。

西村: アンディさん、今おっしゃられてた多嚢胞性卵巣症候群。こういった症状に悩まれているこういう方々へのアドバイスというか、検査についてのことありますか?

アンディ: 卵子はたくさん採れるんですけれども、例えばさっきのリネットさんもそうなんですけれども、35歳以上の方、特に40歳以上の方は染色体の異常が非常に起きやすいということで、胚の中の染色体異常は8割は女性由来といわれるんですね。
年齢が高ければ高いほど染色体異常は起きやすいのですが、日本の今の現状では倫理問題とかで、クリニックができないことになっているんです。本当は、特に年齢の高い方は着床前スクリーニングを行った方が着床率も上がるし、染色体の異常によって障害児が生まれる確率も下げることはできるんですね。

西村: そしてミッキーさん、この経験を通して皆さんに伝えたいことってございます?

ミッキー: もしですね、私の場合PGT-Aが無かったらもう二人目の子どもは諦めていたと思うんですね。だから不妊で悩む人はぜひ着床前スクリーニング、PGT-Aという検査があることをもっと知って欲しいと思いますし、全国どこのクリニックでもそれが受けられるようになってほしいと心から願って今活動しております。

西村: はい、ありがとうございます。さあそれでは、先ほどオープニングでこの「着床前診断を推進する患者の会」はどういった会なのかとご紹介いただいたネコタさん。

ネコタ: はい。

西村: ネコタさんにもぜひ皆さんにご経験談を語っていただけますか?

ネコタ: はい、任せてください。私は特に婦人系の疾患は無くて、本当に原因不明の不妊でした。5回採卵移植して、その度に流産を1回、あとはまったく結果が出ないということが4回続きまして。お医者様には原因は分かりません、卵の質です、採卵と移植を繰り返すしかありません、というのを5回言われて、それをいつまで繰り返すんですかと、他に何かできることは無いんですか、といって探したのが着床前スクリーニングでした。
でも、すごい悩みました。他にやっている人がいないし、情報もないし、あと受けられる病院がちょっと関西の方には見つかったんですけれども他にはあまり無いみたいで、通えるのかなとか、あとお医者さんに逆らって自分でこんなこと勝手にやって失敗したら自分の責任じゃないですか。だからどうしようかなって。言われるまま今までと同じことした方が良いのかなってすごい悩んだんですけど、挑戦してみました。

西村: そこをね、やっぱり一歩踏み出すかどうかっていうところもね、多分皆さんもそうだと思うんですけど。

ネコタ: そうでしたよね、本当にね。

西村: でも、その一歩踏み出すぞっていう原動力は?

ネコタ: やっぱり、やり尽くしてからじゃないと諦められないなと思って。世界では受けられる検査らしかったので、世界で結果が出ている人がいるのに自分が挑戦しないでなぜ諦められる? と思って挑戦したんですけど。世界に行くよりも関西は近いかなと思って。
その結果、胚盤胞6個検査に出して、2個が正常胚で。そのうち1個をおなかに戻して出産までできたので、本当に良かったなと。逆に、その6個中の4個は正常じゃなかったので、それをもしおなかに4個も先に戻してたら4回流産したか、もしかしたら着床しないで失敗って思うと、なんかすごい怖かったなと思います。

西村: アンディさん、こういったご経験に関してはどう思われますか?

アンディ: そうですね、着床前スクリーニングを反対する意見は、学会の中とかもいろいろあるんです。例えば着床前スクリーニングが全てではないとか、それから、胚の中のいくつか胎盤になる部分の細胞をいくつか取り出して検査するとか、それはなんかネガティブな影響があるかどうかという議論はいろいろあるんですけれども。
ただ実際、海外の臨床研究で検査することによって妊娠率が上がるというデータが出てはいるので。技術はもちろん限界があるかもしれないですけれども、その技術はどんどん改良していくから、今現時点の技術でも妊娠率が上がるという効果が分かっているので、国内でもこういった検査がもっとたくさん施設導入していただければ、もっとたくさんの患者さんが助かると思うんですね。

ネコタ: 本当、そう思います。妊娠率が上がるだけじゃなくて流産を減らせるというのがやっぱり経験した人にとってはもうあんな思いはしたくないというのがあるので。

西村: やっぱりそういった患者になったからこその要望というか、そういうところはたくさん、ネコタさんもおありじゃないですか?

ネコタ: もう、デメリットがあるというのはどんな検査も一緒だと思います。なのでこのPGT-Aも単なる検査だと思うので、もっとたくさんの人が情報を知れるようにぜひ認可をしていただきたいなと思っております。

西村: さて、お時間となりました。今日は「着床前診断を推進する患者の会」の皆さまをお招きして、アイジェノミクス・ジャパン代表、理学博士のアンディさんとお届けしてまいりました。アンディさん、来週は?

アンディ: 来週は患者の会の皆さまと「不妊治療に応用できる遺伝子検査の技術」を紹介していきたいと思います。

西村: 皆さん、来週もよろしくお願いいたします。

(ゲスト): よろしくお願いいたします。

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