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Vol 59:40代の妊活で気を付けたいこと

Tiempo de lectura: 2 minutos
シルバンさん、小柳由利子先生、ハンスさん

病院の先生方をゲストにお招きし、不妊治療の最先端医療技術についてわかりやすくお伝えしていきます。今週のテーマは「40代の妊活で気を付けたいこと」

番組情報

放送分:2019年6月16日放送分
ゲスト:東京HARTクリニック 小柳由利子先生
テーマ:「40代の妊活で気を付けたいこと」
FM西東京のページ:こちら

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番組紹介

ここからのお時間は「妊活ラジオ~先端医療の気になるあれこれ」をお届けします。
最近「妊活」という言葉をよく耳にしませんか?
妊娠の「妊」、活動の「活」、ひとことで言えば文字通り「妊娠するための活動」という意味があります。
まさに妊活中のあなたに届けていく20分間です。

この番組では、ゲストをお迎えし、テーマに沿って不妊治療の最先端技術をご紹介していきます。
お話を進めていただくのは、スペイン発の不妊治療を専門とした遺伝子検査会社アイジェノミクス・ジャパンのサイエンスアドバイザーのハンスさん、2月に入社したシルバンさんです。お二人とも、よろしくお願い致します。

番組内容

(二人): よろしくお願いします。

ハンス: ハンスです。今日はアイジェノミクスのオフィスに、東京HARTクリニック、小柳由利子先生にお越しいただいています。

西村: さあ、本日はアイジェノミクス・ジャパン、人形町にありますオフィスからお届けさせていただいております。ハンスさん、シルバンさん、よろしくお願いいたします。

(二人): よろしくお願いします。

西村: あの、お二人ともめちゃめちゃ緊張されて(笑) らっしゃいますけれども、オフィスからですから。いつもはFM西東京のスタジオからお届けしておりますけれども、普段皆さんが毎日働いていらっしゃるオフィスですよね、ハンスさん。

ハンス: はい、そうですね。毎日来てますね(笑)

西村: でもやはり、このラジオの雰囲気はちょっと緊張されます?

ハンス: そうですね。まあ、今回の収録は私としては2回目なんですけれども。

西村: そうですね。

ハンス: でも、やはり緊張してます。

西村: 一度番組にご出演いただいて、どんなお仕事をされてるかっていうのをリスナーの皆さんにご紹介いただいたんですが、改めて。今日ハンスさんを初めて知ったよっていう方もいらっしゃいますので、ぜひ自己紹介をお願いします。

ハンス: はい。ハンスです。アイジェノミクスでサイエンスアドバイザーとして働いているんですけれども、基本的に私の担当はアジアパシフィックエリアなので、アジアパシフィックのクリニックの先生たちとかスタッフたちに説明しに行ったり、という仕事をさせていただいてます。

西村: はい。そして、ご出身はどちらなんですか?

ハンス: 私の出身は台湾ですね。

西村: アイジェノミクスは台湾にもオフィスが、ね。

ハンス: そうですね。アイジェノミクス・台湾のオフィスはちょうど今年の1月にオープンしました。
しかも、とても良いニュースになると思いますが、アイジェノミクスは台湾のオフィスも合わせて3社も増えています。台湾のオフィスと中国オフィス、モスクワオフィスが今年はできています。

西村: へえ、すごい。じゃあ、ご出身の台湾にまたオフィスができるのもこれも嬉しいニュースですね。

ハンス: そうですね、嬉しいです。

西村: そして今日、初登場でいらっしゃいます。アイジェノミクスのシルバンさん。よろしくお願いします。

シルバン: はい、よろしくお願いします。私はマーケティング担当になっています。マーケティングというのは、仕事としてはマーケティングの戦略を考えて、実行とフォローをすることですね。アイジェノミクスの患者さんとクリニックに当たる方法はたくさんありますので、結構忙しいと思います(笑)
SNS、ソーシャルネットワークとウェブサイトのこと、広告、コンファレンス、セミナー、あとはポッドキャストのことも担当になっています。

西村: やっぱりそのアイジェノミクスの、この妊活ラジオの放送に関しても、ホームページだったりとかブログだったりで結構こうSNSでの情報を聞いてみて知るって方も多いんじゃないでしょうかね?

シルバン: そうですね。あとは最近、新しいブログもできました。今のラジオの流れがテキストになってて、ラジオのオーディオも聴くことができますし、ぜひその新しいブログも来てみてください。

西村: はい、ありがとうございます。シルバンさんはちなみに、ご出身はどちらでいらっしゃるんですか?

シルバン: 私はフランス人です。

西村: フランス? はい。だからハンスさん、シルバンさんもそうですけれども、アイジェノミクスにはいろんな国のご出身の方が働いてらっしゃるんですね。

ハンス: そうです。

シルバン: スペインの会社なのにフランス人が入ってて。残念ながらまだフランスにはできてないですね。一番近いのは多分ロンドンになりますね。

西村: さて、今日はアイジェノミクス・ジャパン、人形町にありますオフィスからお届けをさせていただきます。
 本日のゲストの方、ご紹介いたします。東京HARTクリニックより小柳由利子先生でらっしゃいます。よろしくお願いいたします。

小柳: よろしくお願いします。

西村: 小柳先生は4月21日の放送回にご出演いただいたので、久々な。ちょっと数カ月空きましたけれども。

小柳: はい。

西村: そのときは遺伝病と受精卵についてなどのお話を伺わさせていただきました。今日は「40代での妊活」。こちらをテーマにお話伺いたいと思います。
 先生、改めてなんですが、東京HARTクリニックのご紹介をお願いします。

小柳: 東京HARTクリニックは20年の歴史と安定した実績を持つ、東京表参道にあるクリニックで、日々最先端の技術や知識を取り入れながら治療成績の向上に取り組んでいます。

西村: では、さっそくなんですけれどもハンスさん。今日のテーマでございます「40代の妊活」についてお話を進めたいと思うんですが、まず先生にご質問を一つお願いできますか?

ハンス: そうですね。私からはいろんな質問が聞きたいと思いますけれども、まずは、40代での自然妊娠率はどんな感じでしょうか、先生?

小柳: はい。どれぐらいだと思いますか?

ハンス: 私の経験、というか、先生たちに教えていただいた中では、かなり低いんじゃないかなと私は思っています。

40代の妊娠率

小柳: そうですね。体外受精の成績はそうなんですけども、実は自然妊娠率は教科書的に見ると3割から4割、20代前半を100パーセントとすると、30、40パーセントぐらいはあるんですね。ただ、45歳ぐらいになると10分の1ぐらいに減ってしまうので、その5年間の差が結構大きいということですね。
 体外受精になると、当院の成績だとだいたい卒業できるのが40代だと2割ぐらいで、それでも全国平均よりは高い方なんですけれども、どうしてこういう差が出てくるかというと、やはり自然に妊娠する方と体外受精まで行く方というのは卵の質であったり、個数の差がかなり個人差があるということだと思うんです。

ハンス: 10分の1ですと、かなり厳しい状態ですね。

小柳: そうですね。なので、仕事が忙しかったりとかいろいろ理由はあると思うんですけれども、なるべく40になる前になんとか治療をスタートする時間を作るっていうのが大事だと思うんです。まあ40歳になったとしても、一年、一年無駄にせず治療していくという姿勢が大事だとは思います。

ハンス: 東京HARTクリニックの40代前と、その後の患者さまの割合はどんな感じでしょう?

小柳: 割合は今ほとんど半々です。

ハンス: ちなみに40代でのその不妊治療の有効性について先生のご意見を聞かせていただけますでしょうか?

小柳: 先ほども2割ぐらいと言ったんですけれども、うちのクリニックが人数で言うとだいたい年間350人ぐらい治療されている中で、40代で卒業されるのが2割で、だいたいまあ3、40人近くということになるんです。
40歳、41歳ぐらいは10人ぐらいは卒業する方がいるんですけれど、42歳以上だとやっぱり各年齢で2、3人ずつぐらい。去年の43歳以上で卒業した方、5名いるんですが、その中でなんと2人は43歳以上の卵で2人出産してるんです。
なので、そういう質がすごく良い人もいるので、まだ何も治療したことが無いとか、不妊歴が短いような方は特にまだ望みが持てるという感じです。
ですので、日本は苦しい治療を続けている方も多いと思うんですけれども、逆に海外のように簡単に諦めずに、医者も患者側も頑張って技術を上げている部分はあると思うので、努力すればそれが実るだけの環境はあるのではないかな、と思います。

西村: 『妊活ラジオ~先端医療の気になるあれこれ~』。今日は人形町のアイジェノミクス・ジャパンのオフィスからお届けさせていただいております。
 まずはスタッフで働いていらっしゃいますハンスさんとシルバンさん。オープニングでもお話しいただいたりとかしてますけれども、後半もぜひ、先生にいろんな質問を投げかけてみてください。お願いいたします。

(二人): よろしくお願いします。

西村: そして今日のゲストは、東京HARTクリニックより小柳由利子先生です。後半も先生、よろしくお願いいたします。

小柳: よろしくお願いします。

西村: さて、シルバンさん。今日のテーマは「40代の妊活について」ということなんですけれども。シルバンさんも40代?

シルバン: はい、私も40代です。41歳です。

西村: あっ、そうなんですね。で、40代で妊活は今?

40代の妊活で気を付けたいこと

シルバン: そうですね、妻も私と同じ年で、41歳で。妊活中です。

西村: なるほど。じゃあもうばっちり今日のテーマに。

シルバン: そうです。すごく興味を持ってます。

西村: では、そんなシルバンさんから先生に質問をぜひお願いします。

シルバン: はい。ありますね、質問たくさんあります。最初は、40代の妊活で気を付けることがありますでしょうか、先生?

小柳: やはり一周期、一周期大事にするということが大事だと思うんです。
まず卵について言うと、採卵できる数というのも周期によって違って、だいたい生理が始まって初めの三日目ぐらいに見るとその周期に育つ卵子の数っていうのが見えてくるんですね。体外受精を仮定しているんですけれども。
その数が多ければ、いわゆる低刺激とかではなくて毎日注射して育てるような刺激法が向いていると言えるし、逆に少ししかないような周期は無駄にたくさん薬を使っても無駄打ちみたいになってしまうので飲み薬だけで刺激したりとか。 
途中で数が増えてくることもあるので、そういう場合はそこから注射を加えたりとか。だから、同じ人でも周期によって反応性というのが異なるので、それをちゃんと見極めながらやるっていうことが大事ですね。
 もう一つ、着床について言うと、着床は事前に調べられることというのが結構多いので、できる検査はもう初めにやっておいた方が良いと思います。
着床不全の原因として最近、慢性子宮内膜炎なんていうことも結構言われるんですけれども、慢性的に子宮の内膜に炎症があって着床しづらくなったりとか、着床しても流産しちゃったりってなることがあるので、それはちょっと組織を採って調べるだけで、場合によっては子宮鏡といって子宮の中を見るだけで分かったりすることもあるので、もうそれは一回目の移植より前に必ず調べておいた方が卵を無駄にせずに済むと思います。
あとは、アイジェノミクスさんではお得意のERAとかですね。着床の窓に関しては自然周期、自然の排卵の周期ではそれほどずれないと言われてるんですけど、ホルモン補充の周期ではホルモンの吸収性が人によって違うので、調べておいた方がやっぱり着床率も上がるっていうことが報告されているので、ERAはあらかじめやっておくととても有効だと思います。

西村: 今、シルバンさんが41歳とおっしゃられてて、まあ40代っていっても10年の幅がある訳ですよね。40代の前半の方、もしくは40代後半の方。同じ40代でも違うものって結構あったりするんですか?

年齢によって着床の窓が変わる?!

小柳: 特に着床の窓については、うちのクリニックの見当では43歳以上だとちょっと遅くなるっていう傾向があって。頸管粘液といって、年齢によっておりものがちょっと減ってきたりとかそういうのも影響しているかもしれないんですけれども、だから、以前に着床したり、妊娠、出産したことがあっても、年齢が経つとそれがちょっと変化してくるということもあり得るので、その辺は過去に妊娠したことがあっても全く同じで良いという訳ではないので、調べておく必要があるかなと思います。
自然の排卵に合わせて戻す場合はそれほどずれは無いんですけれども、それでも少しずれてくるという傾向はやっぱりホルモン値が年齢によって下がってきたりすることもあるので、調べておく方が安全だとは思います。

西村: なるほど。そして、実は来週も先生にはいろんなお話を伺いたいと思うんですが、来週以降は日米の治療の違いですとか、国によっても子どもを持つ、妊活をする、もしくは持たないという選択肢。いろいろこう、選択肢が本当に子どもを持つ持たないという問題についてすごく幅広く考えが語られているときだと思うんですけれども。
 ちなみに前もって今週、個人的にお伺いしたいのは、子どもを持たない選択肢をされていらっしゃる方々。国内、それから海外、どんな割合に今なっているんですか?

国によって違う 子供を持つ・持たないの考え方

小柳: 2015年の報告を見ると、日本は子どもを持たない夫婦の割合が6.2パーセントということでかなり低いんですけれども、海外を見てみるとアメリカは14パーセントぐらい、真ん中あたりで。すごく多いのはヨーロッパで、スペイン、イタリアは21パーセント、ドイツは23パーセントぐらいで、すごく割合が多いんです。
理由は、ちょっとシルバンさんにもお聞きしたいかなと思うんですけれども、あんまり人と一緒じゃなきゃいけない、みたいなそういう固定観念が無いので、産まなきゃいけないというプレッシャーみたいな、そういうのが無いのかなと思ったりするんですけど、その辺はどうでしょう?

西村: そうそう、先生、私もそう思うんですよ。やっぱりフランスって、私も友人がフランスに住んでいるんですけれども、日本のように子どもを持つ持たないとかいう選択肢がすごく幅広く、フランクに語られてたりする部分があって、へえー、って感じたことがあるんですよ。
 シルバンさん、まさにフランスご出身なので、周りの、フランスにお住まいのお友達だったりも含めて、そのあたりの状況ってどうですか?

シルバン: そうですね、結構分かれてますね。私の家族とか友達の中にはすごく子どもを持っている方もいらっしゃいますし、全然子どもを持たない人もいますね。
なぜかというと、結婚とも関係があって、最近はフランス人とかヨーロッパ人は結婚はすごく人気が無いと言います。

西村: (笑) 人気が無い?

シルバン: そうですね、家族とかのことよりも、自分のことも考えてきて。人生とか楽しみたいとかってこともありますし、結婚はあまりしないで、それで離婚もあんまりしない。ちょっと自由な感じですね。それもやっぱり子どもを作ると自由にならないので、その影響もあるかな、と思います。

小柳: でもまあ、人それぞれという考えがあると、やっぱり不妊治療に苦戦している方もちょっと楽になるのかな、と思ったりする部分もありますけどね。
 あと、ちょっと気になったのは、ヨーロッパは不妊治療に保険が効く国が多いんですけれども、保険が効く一方でやっぱり回数制限とか年齢制限というのがかなりあるようで、基本的には40歳までとか、1、2回までとかそういう制限があるので、子どもを持ちたくてもなかなか治療ができない方もいるのかな、なんて思ったりしたんですけれども。
そういう意味では日本人は保険が効かないんですけれども、まあ治療は苦しいことも多いかもしれないんですけれども、逆に頑張れば努力が実るというか、そういうポジティブな面もあるのではないかな、と思いました。

西村: さて、お時間となりました。今日は東京HARTクリニック、小柳由利子先生をお招きし、アイジェノミクス・ジャパンのハンスさんとシルバンさんと一緒にお届けいたしました。先生、来週もよろしくお願いいたします。

小柳: よろしくお願いします。

西村: そして、さらに来週はアクロスジャパンの小川多鶴さんにご出演いただき、日米の治療の違いについてお話を伺います。

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