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Vol 82:子宮内膜と妊娠

病院の先生方をゲストにお招きし、不妊治療の最先端医療技術についてわかりやすくお伝えしていきます。今週のテーマは「子宮内膜と妊娠」

番組情報

放送分:2019年11月24日放送分
ゲスト:立川ARTレディースクリニック 院長 右島富士男先生
テーマ:「子宮内膜と妊娠」
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番組内容

FM西東京にて毎週あさ10:00~放送中の「妊活ラジオ~先端医療の気になるあれこれ」。お話を進めていただくのは、スペイン発の不妊治療を専門とした遺伝子検査会社アイジェノミクス・ジャパンのサイエンティフィックアドバイザーであり、工学博士のトシさんです。トシさん、よろしくお願い致します。

トシ: よろしくお願いします。今日もスタジオに立川ARTレディースクリニック院長、右島富士男先生にお越しいただいております。先生、よろしくお願いします。

右島: よろしくお願いいたします。

西村: 今週も右島先生とご一緒にお話をお届けしていきますが、先週のエンディングでトシさん、全然お話が仕切れなかったことがありますね。

トシ: そうなんですよ。GESTという、これは子宮内膜を厚くする方法?

子宮内膜が厚くなりにくい患者様のために

右島: そうですね。GESTという方法ですけれども、これはG-CSFという白血球を増やす、特に好中球という白血球がありまして、それを増やす物質なんですね。
好中球もエンブリオ、胚盤胞と同じように、好中球の周りにMMP2というタンパク質を発現するんです。そのタンパク質でもって子宮の内膜を溶かして、子宮の内膜の中に白血球が入っていく。入っていく量が多ければ多いほど、その子宮の内膜は相対的に厚くなっていく。いわゆる白血球の力を使って子宮の内膜を厚くしていくという一つの方法だと僕らは思っています。

トシ: これは本当に、不育症の一つの解決になると考えても良いですか?

右島: これは不育症というよりもむしろ着床障害の治療方法としては画期的な方法ではないかなと思っております。
特にですね、どうも10回も移植しても妊娠しない、いろんなやり方でやっても妊娠しないという方に、このGESTという方法をやりますと妊娠している、という方がわれわれの施設でもたくさん出てくるようになっておりますし、これからの使い方によってはとても、子宮の内膜の薄い患者さんにとりましては一つの大きな功績のある治療方法になっていくんではないかなと思っております。

トシ: もうちょっと詳しく聞いていきたいんですけども、このGESTっていう方法は毎周期やる必要はないんですか?

右島: 毎周期といいますか移植の前にやる方法で、子宮の内膜を厚くしていくという方法です。そんなに難しい方法でもありませんし、患者さんの負担もほとんどありませんので手軽な方法ではないかなと思いますし、この方法が認められてくるようになってくれれば、あるいは認識されるようになってくれれば、良い方法になってくるかなと思っております。
現在では日本医大と一緒にこの研究をやっておりますけれども、これがうまくいけば子宮の内膜の薄い患者さん、ならなければそれに越したことはないんですけども、そういった方に対しての治療方法の一つになってくるんじゃないかなと思います。

トシ: 私たちのERA検査は検査周期が必要なんです。どうしても1周期使うために、ホルモン補充周期を私たちは推奨している。そうすると、どうしてもホルモン補充周期を使う、すると次周期、ちょっと薄くなってしまうという話を先生から聞いたりすることがあって。そういった話があったり。理由は分からないんですよ、私には。

右島: そういう印象を持っている方はいらっしゃるのかな、と僕は思いますけれども、われわれの施設としましてはそれが、そのためにというか、薄くなるような患者さんはほとんど経験していないというのがわれわれの印象です。

トシ: ありがとうございます。あと、このGESTの研究に、何でしょう、見つかったきっかけというのはいつ頃なんですかね?

子宮内膜の厚みと妊娠の関係

右島: これはもう5年以上前の研究によるんですけれども、これはヨーロッパのデータなんですよね。ヨーロッパの論文にG-CSFを投与することによって子宮の内膜が厚くなってきますよ、と。
実際にプロトコールもありまして、いろいろと検討もしてまいりまして、われわれとしましては黄体ホルモンを投与するその1.5日前ぐらいに投与するというような方法をとってみたりしておりまして。そのプロトコール何個かあるんですけれども、それを用いて投与しますと、先ほども言いましたけれども厚くなっている、患者さんが妊娠したという例を比較的多く見るようになりましたね。

トシ: これはすごい、本当に朗報だと私、思いました。やっぱり子宮内膜の厚み、私たちの社内データでも厚い方、薄い方でERA検査を実施したときに、薄い方の場合のこのレセプティブ、私たちの検査を一般的に受けていただくと7割の方はずれてませんよ、と。3割の方はずれてますよという結果なんですけれども、薄い方のグループでデータを見るとずれてますよという方が5割、6割とすごく増えるんですよ。その理由は分かってなくて。
薄いと、やっぱり着床したとしてもなかなかこう継続までいかないとか、難しかったりするって話を聞いているので。

右島: これはGESTという方法をやり始めまして、実際には5年前のヨーロッパの文献をもとにしてやり始めておりまして。われわれの方としましては4年間ぐらいやっています。今、実績をちょっと見てる、そういう状況であります。
 検査としましてはまだ実績を集めている段階でありますので、そこまでいっている段階では無いんですけれども、今後の妊娠の機序、あるいは子宮の内膜の厚さがどうして厚くなってくるんだろうかという機序。これも含めて検討していきたいなと思っております。

トシ: 先生、後半は不育症のあたりで話を聞きたいと思っています。

乳酸菌と免疫

右島:  EMMA検査、あるいはALICE検査で細菌の話が出てきたかと思いますけれども。この細菌ですけれども、いわゆる人間の外側にいる菌ですよね。
人間の外側にいる菌ですけれども、人間の体の中で外側に接している部分と言いますと、どこが一番多く外側に接していると思います?

トシ: 皮膚の表面ですね。

右島: 普通の人はそう思うかもしれませんけれども実際にはそうではなくて、腸管なんですね。

トシ: 腸管?

右島: 絨毛膜を含めますと、腸管の面積を測ってみますとテニスコート1枚分の面積になります。

トシ: 一人ですか?

西村: そんなに?

右島: それが外界と触れている部分なんですね。

トシ: 相当ですね。

右島: そうですね。そこに多く存在しているのは食べ物の残渣(ざんさ)であったりしますけれども、そこに存在する多くのものの中に細菌が大きな役割を与えている、と僕らは思っているんですね。
 例えば悪玉菌がたくさんそこに存在しますと、やはり悪い菌から出てくる毒素たちをわれわれの腸管が吸収して、その人間は健康状態が不安定な状態になってしまったり、免疫学的に不規則な抗体を作り始めてしまったり。そういった悪い菌が存在しているために不必要な抗体ができてしまっている。
その結果として、胎児を攻撃してしまうような抗体を作り出すような方も出てくる。そういった人の中に不育症の患者さんが存在しているということもあることは確かなようです。
そういった方に良い乳酸菌を投与しますと、良い菌が腸管の中に存在するということによって免疫系が活発に働いて、というよりも良い方向に働いて、そういう胎児を殺すような抗体を作らなくなってくる。そういった作用をしているな、と思っております。そういった面でも、ラクトバチルスの存在というのはとても大きな役割を果たしているんじゃないかなと思います。
 それから、最近の東南アジアの状況を思いますと、日本と違いましていつも暖かい状況ですから、どんな菌が入ってくるのかというのは分からない訳ですよね。
ある種の技術を使いまして石けんの中に乳酸菌を入れたり。それを使うたびに乳酸菌が自分の周りの環境を守ってくれる。あるいは手袋に乳酸菌を付けて、その手袋を使ってキッチンの周りの環境を乳酸菌の状況にして、他の病原菌を退治してくれるような状況で使っているような、そういう状況も見られるようです。

トシ: 自然の力を利用したっていうことですよね。

右島: そうですよね。ですから、ちょっと考えてみていただきたいと思うんですけれども、今、野球の球団を持っているヤクルトさん。あそこがあれだけ大きくなったというその背景ですね。ヤクルトの中に書いてありますけれどもシロタ株という乳酸菌が入っているんですね。

トシ: 最近、商品のパッケージに書いてますね。シロタ株。

右島: そうですよね。あれだけなんですよ。シロタ株でもって、やっぱり、産まれたばかりの赤ちゃんが死んでしまっていた時代が、乳酸菌でもって改善されてきた。あれよりもうちょっと大きくなった人たちでも、悪い菌が腸管の中に入らなくなってしまったために病気にかかりづらくなってそのまま大きくなる、というのをお母さんたちが実感してるんですよね。実感しなければあそこまで大きくなるような会社にはならなかったと思うんですよね。
そういった、たかが乳酸菌ですけれども、多くの人たちの命を救ってきた背景がある訳ですけれども、EMMA検査ALICE検査の応用として今後不妊症、あるいは不育症、そういったところだけではなくて、医療全体に影響を及ぼすようなそういうことができる企業になるだろうなと僕らは思っております。

トシ: ありがとうございます。私は正直そこまでのイメージはついてませんでしたけども、そのシロタ株の話を聞いて、一企業が野球球団を持てるようなあんな大きい企業になるなんてもう。

右島: すさまじい企業ですよ。日本を代表するような企業ですからね。

トシ: 私たちもこういった不妊分野に対して貢献できる検査を提供して、社会を変えていけるようになれれば嬉しいです。

右島: そうしていただければありがたいです。

トシ: ありがとうございます。

西村: 三週にわたってご出演いただきました立川ARTレディースクリニック院長、右島富士男先生。最後にリスナーの皆さまにメッセージをお願いいたします。

右島: 不妊症で悩まれている患者さん、全夫婦の中の10パーセントぐらい存在していると言われています。実際に不妊症の治療としてクリニックにいらっしゃっている患者さんは約4割ぐらいだと言われています。残りの4割の患者さん方は諦めてしまっていると言われています。
 よく考えてみますと、この不妊症の技術というのは日進月歩で進んでいきます。それだけではなくて、人一生の健康状態にも関わるようなそういうことも行っております。ですから、不妊症で悩んでいる方、不妊症と限定しないで自分の一つのライフタイムの一部だということを認識していただいて、われわれとしてはできるだけいらっしゃっていただいた患者さまに対して失礼のないように、丁寧に、優しく接してあげて、新しい家族がやって来ることを期待しながら治療を進めていきたいな、と思っております。
 われわれのクリニックとしましてはそろそろ10年になりますけれども、そこを卒業していった患者さんは3,000人を超えようとしております。一つの仕事を成し遂げているという実感はありますけれども、まだまだ不妊治療でお子さんを持てる家庭はたくさんあると思います。
いろいろとしがらみがある方もいらっしゃるかと思いますけれども、そのしがらみを払拭(ふっしょく)して、あるいはエイヤッとわれわれのところに飛び込んで来ていただいて、自分の人生を豊かにしていただければと思っております。その協力は惜しみなく提供していきたいと思います。

西村: さて、お時間となりました。アイジェノミクス・ジャパンのトシさん、そして立川ARTレディースクリニック院長、右島富士男先生と一緒にお届けしてまいりました。先生、ありがとうございました。

右島: ありがとうございました。

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