Vol 85:2019年を振り返って<Part1>
病院の先生方をゲストにお招きし、不妊治療の最先端医療技術についてわかりやすくお伝えしていきます。今週のテーマは「2019年を振り返って<Part1>」
番組情報
放送分:2019年12月15日放送分
テーマ:「2019年を振り返って<Part1>」
番組を聴く:
番組内容
FM西東京にて毎週あさ10:00~放送中の「妊活ラジオ~先端医療の気になるあれこれ」。お話を進めていただくのは、スペイン発の不妊治療を専門とした遺伝子検査会社アイジェノミクス・ジャパンのサイエンティフィックアドバイザーであり、工学博士のトシさん、そして事業開発部長のリュウタロウさんです。よろしくお願い致します。
(二人): よろしくお願いします。
トシ: 今日のテーマは「この1年を振り返って」について、Part1です。
西村: 今日は、事業開発部長のリュウタロウさんにもご登場いただきます。リュウタロウさん、よろしくお願いいたします。
リュウタロウ: はじめまして、よろしくお願いします。西山隆太朗と申します。リュウタロウと呼んでください。
西村: はい。
トシ: では、あの、リュウタロウさん。リュウタロウさんは僕の上司に位置するので、リュウタロウさんなんて普段呼べない。
(二人): (笑)
トシ: まあ、アンディさんもそうです。ではリュウタロウさんの、まず自己紹介をですね。聞きたいと思います。ぜひよろしくお願いします。
リュウタロウ: アイジェノミクス・ジャパンには10月から入社をさせていただきました。このアイジェノミクスという会社が、ライフサイエンスの遺伝子を解析するという技術を臨床に応用するということで、バイオの世界をより現場に落とし込むというすごく魅力のある会社だなって感じて、ぜひ参加したいなと思ったのがこのアイジェノミクスに入れていただいたきっかけです。
トシ: ああ、嬉しいですね。嬉しい。
西村: そしてもう、いま12月、年末でございますけど。
トシ: そうです。私もスタッフの皆さんもあちこち飛び回って、結構いっぱいいっぱいだったんですね。で、このタイミングで入って来てくれて、しかも経験豊かなリュウタロウさんなので、やっと、入って2カ月が経とうとしているところですけども、すでに半年前からいるような感覚で(笑) がっつり入り込んでもらって、良いチームになってもらってますね。
リュウタロウ: そうですね。僕も、なんか転職したっていう感じがあんまりしなくて。これまでちょっとこう長く、19年働いていた会社があるんですけれども、そこもどちらかと言うとバイオの世界の会社でしたので。そういう意味ではそんなに大きく環境が、というか皆さんの技術に向かう姿勢とかっていうのがあまりこう変わってない。
トシ: そうですね、きっと同じだと思います。扱っている製品が違う。
西村: 今週、ちょっと暖かい日とかもありましたけれども、まあ年末のこの寒さもある中、皆さんお元気ですか?
トシ: 元気です。
リュウタロウ: 私も元気です。
西村: お風邪などひかず?
トシ: 少し前にひきかけましたけど、何とか持ちこたえて。このまま年末年始いきたいと思います。
西村: おおっ。ではその、エネルギーある(笑) 状態で駆け抜けましょう、この年末をね。
トシ: そうですね、駆け抜けないと。
西村: さて、「この1年を振り返って Part1」と題して、今週から3週にわたったかしら?
トシ: そうです。3週間にわたって、今年の1月から12月までを振り返ってみたいと思います。
西村: 毎週お届けしておりますけど、多くのゲストの皆さまにもご出演いただいていろんな情報をお届けしたので、ぜひ振り返っていきましょう。
まずは、1月から順にお願いします。
トシ: まず1月は木場公園クリニックの理事長、吉田先生にご出演いただきました。これはもう、西村さんも一緒に、木場公園クリニックの方に行って収録したかと思います。
西村: うん。すごいきれいなクリニックで。
トシ: そうです。あそこはビル全てのフロアが木場公園クリニックになってまして。確かスポーツジムも入っているんですね。
西村: そうそう。
トシ: この先生、マラソンが好きで。フルマラソンも(笑)
西村: 吉田理事長、すごいスポーティーな格好をされてて。ピタッとフィットする、ボディーラインパシッとキメキメの感じで。
トシ: 学会でもそうですね。
リュウタロウ: そうですね、もう肉体派といいますか。すごい格好良いですよね。
西村: 恰好良そう。
トシ: そうです。理事長の吉田先生にERA検査についてまずお話を伺ったんです、あのとき。ERA検査の重要性の中で体験談を一つ話してもらったんですよね。そのときはすごかった。
22回、こう他院でいろいろ転院されてきた、22回もの着床不全をされた患者さんが、私たちのERA・EMMA・ALICEという着床の窓を見つける検査と、子宮内の細菌叢(そう)を見る検査、これを受けたあとすぐ妊娠しました。
リュウタロウ: 22回は聞いたこと無いです。
トシ: 聞いたこと無いです。私たちも多くてもやっぱり10をなったらすごいなと思う中で。
リュウタロウ: 諦めないでチャレンジされる患者さんも素晴らしいです。
トシ: 素晴らしいと思います。これはもう、精神的な部分、あとはお金の部分、両方大変だったと思います。でも、無事妊娠に至って本当に良かったと思います。
そのあとお話を伺ったのが、EMMA・ALICEという検査で子宮内の細菌叢を見る。で、ラクトバチルスの膣剤というものが最も良いよと言ったのが先生でしたね。結構、ラクトバチルスの膣剤を直接膣に入れるということ自体、あまり日本では馴染みが無いことなので。売られているのをネットで見ると、飲んで腸内細菌を整えて、それが子宮へ行くような形の流れがある中で直接、ラクトバチルスをダイレクトに入れるのが良いよと言ったのが吉田先生でしたね。
リュウタロウ: 言われてみれば当然という感じはするんですけど、なかなかこう、皆さんがやってなかったことを先進的にやられたというところが素晴らしいなと感じてます。
トシ: そうですね。3回出てもらったので最後の週、免疫の話があったんです。卵を移植すると、子宮内膜と卵がけんかしちゃうとかそういったことが起こり得る、と。それがTh1/Th2の比率が大事だと。Th1が強いとどうしてもなかなか着床しにくかったりするという話があって。で、免疫の抑制剤というものを使ってなんとか攻略すると。そういう話がありました。
木場公園の先生には本当に、ERA検査・EMMA検査・ALICE検査、免疫の話ということで、本当にメインの治療のところを話してもらったと思います。
次、2月になると、これは、私たちのラジオ番組の中で初めて精子について、森田さん。Jaffaさんと私たちは呼んでる森田さんなんですけれども、株式会社ジャフコという、精子の形状であったりとかそういったのを測定する機械を販売されていて。とても多くのクリニックさまに納品されていらっしゃるんですね。ここで精子の状態を確認する機械についての紹介をいただきました。
西村: 森田さんのお話で、やっぱり男性側の、男性不妊についてとかそのあたりの、あと男性の方々がどういうふうに不妊と向き合うかというお話も、森田さんから結構していただいて。
トシ: ありました。結構いただきましたね。どうしても奥さまばかりが先に行くとか、メインで行くとかになってるけれども、いやいや、男性不妊というのもじゅうぶんあって、やっぱり夫婦でやるのが妊活だとおっしゃってましたね。
リュウタロウ: 精子側からアプローチする技術なりがあまり多くない印象はありますので。
トシ: そうですそうです、思い出しました。あのとき森田さんが言ってたのが確か、日本で男性の泌尿器科の先生が60名しかいない、とかいう話があったかと思います。とても少ない。
それもあってか、なかなか男性不妊というのが進んでいないのがある。でも、夫婦でまずは行ってほしいと話がありましたね。
西村: そして2月、もうひとかた、ゲストの皆さんにお見えいただいたと思うんですけども。
トシ: あっ、そうです。これは患者の会でしたね。山猫さんとミッキーさんでしたね。
西村: これは妊活をされている皆さんの会ですよね。
トシ: ええ。この会、日本でPGT-Aという検査を推進して、なんとか各施設でできるような状況に持っていこうという患者の会だったんですね。
西村: いまご紹介いただいたPGT-A、振り返るとどんな検査なんですか?
トシ: これはですね、受精卵をまず作って胚盤胞期胚になったときに、もちろん採卵して受精卵を作るとたくさん卵が得られる場合があります、と。そうなったときに各受精卵から一部細胞を採って、その染色体の数を調べる検査です。
なぜ調べるかというと、普通は2本ずつある染色体が1本少なかったり多かったりしたときに、この卵は移植してもどうしても流産しやすい。それが分かる検査ですね。
リュウタロウ: 異数性検査という言い方をしますね。
トシ: そうです。染色体の異数性の検査となります。この検査を受けて、実際に妊娠されてお子さんを得られたという方たちの妊活体験談をお話しいただきました。
西村: そして、このときにご出演いただいた山猫さんは、本業が漫画家さんでいらっしゃるんですよね。
トシ: そうそう。そうですそうです。
西村: で、なんと、その山猫さんとの出会いから、この検査のERA・EMMA・ALICEという3つの試験を擬人化して、キャラクター化したんですよね。
トシ: ええ、三姉妹として出しました。
西村: イラストを描いていただいて。
トシ: やっぱり、もともとスペイン本社がこのERA・EMMA・ALICEという名前を付けたのは三人姉妹にしたいんだ、という思いがあって。それならもう、この山猫さんとの出会いでしたね、本当に。うちのアンディが「描いてくれませんか?」ってこう、ね(笑) ちょっと描いてくれたら良いなと思って話したら快く受けてくれて。
西村: かわいい、パステルカラーの三姉妹なんですけど、やっぱり入りやすいERA・EMMA・ALICEっていう文字情報だけじゃなくてキャラクターになると、すごくかわいらしくて。
トシ: 全然違います。
リュウタロウ: 生き生きしてますね。あとで出てきますけど、学会が11月にあったんですけれども、学会で展示するときにもそのERAちゃん、EMMAちゃん、ALICEちゃんをすごくこうクローズアップして。ブースを作ったりですとか、ポストイットも作って。
トシ: そう、ポストイットにもERA・EMMA・ALICEちゃんの絵をちょっと入れて。やっぱりこう、来る先生たち、スタッフの方々、女性の方ももちろん多いので「あっ、かわいい」って手に取ってくれるし。あれは印象はすごく付いたと思います。
リュウタロウ: 検査なんですけども、やっぱり一つの形として命が吹き込まれた感じがすごくします。
西村: さて、今年の3月、それから4月を振り返ってまいりましょう。3月は二組ゲストの方、お越しいただきました。
トシ: そうですね。3月はニュートリション・アクトという、サプリメントを出している会社さんですね。ここの高橋さんと林田さんにご登場いただきました。もうひとかたは、虎の門病院の田村先生にご出演いただきました。
まず、ニュートリション・アクトさん。ここは面白いサプリメントを出してまして。メロンから抽出したグリソディンという抗酸化酵素の働きが入ったサプリメントだったんです。
リュウタロウ: メロンですか?
トシ: メロンです。いきさつを聞いたら、なんか良いメロンを作ってなんとか日持ちが良くなるようにといって改良していったら味が落ちちゃったんですね。で、ちょっと使えなくなってしまった、と。それを見た研究者が「なんでこれ腐ってないんだ?」っていうので。
リュウタロウ: そこに目につけるところが素晴らしいですね。
トシ: すごいと思います。そしたら、その改良したメロンはすごい強い抗酸化作用を持った酵素を持ってた、と。面白い話だと思います。
あともう一つ、オリーブの葉っぱから抽出されたオレアビータというものがありましたね。これはミトコンドリアに効くらしいです。
リュウタロウ: これは油の成分?ということなんでしょうかね?
トシ: うん、なんでしょうかね。この面白い2つの商品をご紹介いただきました。
西村: そして、虎の門病院の田村先生。
トシ: はい。ここでは、がん患者さまが妊活を行ううえでどういう選択肢があるのか、というのをご紹介いただきました。こう、むしろ選択肢があるのか無いのかさえ、この時点で迷われている患者さんもいるそうで。やはり、あるんだということをまず知って欲しい、と。
また、この病院さまの方ではがんのリスク検査等も提供していて、現状はがんになってから、実際にそういった遺伝子変異を調べる検査ですね、どれだけ私はリスクがあるんだろうかという方が多いとおっしゃってましたね。
リュウタロウ: がんはなかなか事前には興味を持ちづらいというところがありますよね。
トシ: そうですね。
西村: でもね、がんという病気になったときに、やっぱりもう一つ、女性として次に妊娠、そう、どうしたらいいのかしら、どのタイミングで、いや、そもそも持てないんじゃないかという、そこの心の葛藤と、あと情報量。このあたりをすごく田村先生は解説いただいたので。
トシ: そうです、とても優良な情報をいただきました。
リュウタロウ: 最初に知識を持ってると持ってないじゃ、次の選択肢が全然違ってきますもんね。
西村: そうですよね。
トシ: で、4月にいくと、4月は私たちのERA検査とEMMA・ALICE検査のQ&Aということで、私たちオフィシャルブログを持っています。とってもかわいらしい記事ばかりなんですけれども、その中でご紹介させていただきました。
これたくさん、定期的にブログの方ではQ&Aを載せさせていただいてます。
西村: うん。なので引き続き、ぜひ皆さん、アイジェノミクスのブログの方をご覧いただくと、もしくは何かこうクエスチョンがあったときは。ね。結構書き込みいただいているんですよね。
トシ: そうです、すごいいただいています。
リュウタロウ: 患者の皆さまからも結構するどいご意見ですとかお問い合わせをいただきますので、われわれも結構緊張しながら(笑) やってますね。
西村: でもね、それだけアクションを起こしてくださるっていうのはありがたいですよね。
トシ: ありがたい。そう、そういうことです。そこに一つ一つ、真摯に回答していっております。
あと、東京HARTクリニックの小柳先生においでいただきました。ここではPGT-M。先ほどはPGT-Aだったんですけれども、PGT-Mについてお話を伺いました。
このPGT-Mとは、遺伝子変異をご夫婦で持っていた場合、お子さまにそれが遺伝するかもしれない、それを前もって調べる検査、診断になります。これがいま日本の現状はどうなっているのか、海外ではどうなのかというお話を伺いました。
日本では、まずはご夫婦で遺伝子検査を受けていただいた結果、そういった症状がある、保因者であることがそれで明らかになった時点で申請をするんですね、学会の方に。それで、半年かけて申請が下りたらその検査を受けられる、と。
こういった、海外では数日、1~2週間で申請してすぐ結果が分かることが、日本ではまだそんな簡単にはいかない状況である、という話がありました。
リュウタロウ: いろいろ難しい面もありますけれども、慎重にやるということはそれはそれで大事なことだと思います。
西村: さて、来週も引き続き「この1年を振り返って Part2」をお届けします。
コメント無し
コメント無し
コメントする