Vol 93:不妊治療を始めたきっかけは?
病院の先生方をゲストにお招きし、不妊治療の最先端医療技術についてわかりやすくお伝えしていきます。今週のテーマは「不妊治療を始めたきっかけは?」
番組情報
放送分:2020年2月9日放送分
ゲスト:着床前診断を推進する患者の会 阿形路子さんと山猫スズメさん
テーマ:「不妊治療を始めたきっかけは?」
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番組内容
FM西東京にて毎週あさ10:00~放送中の「妊活ラジオ~先端医療の気になるあれこれ」。お話を進めていただくのは、スペイン発の不妊治療を専門とした遺伝子検査会社アイジェノミクス・ジャパンのサイエンティフィックアドバイザーであり、工学博士のトシさんです。トシさん、よろしくお願い致します。
トシ: よろしくお願いします。今日もスタジオに「着床前診断を推進する患者の会」の阿形路子さんと山猫スズメさんにお越しいただいています。
今日のテーマは「不妊治療のきっかけ」と「パートナー・家族と協力する不妊治療」についてです。
西村: さあ、3週にわたってこの方がゲストです。「着床前診断を推進する患者の会」阿形路子さん、それから山猫スズメさんです。よろしくお願いいたします。
(二人): よろしくお願いいたします。
西村: まずは先週、先々週と患者の会の皆さまから寄せられたご質問などにトシさんがバシバシお答えする、というふうにお届けしてきました。
トシ: させていきました。
西村: 今日は2月9日、日曜日でございます。あと数日経つと、何の日だ? トシさん。
トシ: バレンタインデーですね。
(全員): (笑)
西村: 阿形さんもスズメさんも、バレンタインの準備でチョコレートちょっと作ったり、なんていうのはあるんですか?
山猫: まったくありません。
(全員): (笑)
西村: えーっ?
トシ: きっと、おいしいお店のを買い合ってね。いいですね。
西村: あと、私たち女性はほら、自分用のチョコもですし、あと友チョコ。いろんなデパートにおいしいチョコレート、この期間限定の出るじゃないですか。買いに行かれたりとかは?
(二人): ・・・。
西村: あれっ?
トシ: えっ?
西村: 甘いもの、あんまりお好きじゃない? 阿形さんは?
阿形: 私はチョコレートがちょっと苦手なんです。
西村: そうなんだ。
トシ: そうなんですか。そういう人いるんだ(笑)
西村: えっ、スズメさんは?
山猫: 私、全然もらうのは大歓迎なんで。はい、お待ちしてます。
(全員): (笑)
西村: ぜひ皆さん、お待ちしてます。
さて、今日のテーマでございますが「不妊治療のきっかけ」、それから「パートナー・家族と協力する不妊治療」と題してお届けしていきます。
まずはお二人とも、この番組を聴いていただいてる皆さんもそうだと思うんですけれども、まず不妊治療をしようと思う、そのスタートラインに立つきっかけって、どうだったんでしょうか?
トシ: 私も聞きたいですね。
西村: 阿形さんはいかがですか?
阿形: 私は42歳のときに結婚しました。そして、すごく楽観的だったんですけれども、自然にできるんじゃないかと1年ぐらい過ごしていたんですね。まあ、それでできなくて、どうしようかなとは思っていたんですが、ちょうどそのタイミングで生理不順になりまして。あっ、これは止まってしまうといけないと思い、病院に行きました。
そこで、最初に問診のアンケート書くじゃないですか、産婦人科って。そこで挙児希望、というところに丸をしたら先生が驚いてですね。もう43歳になろうかという女性が何にも対策を打たずにクリニックでのうのうとしている、と(笑) それで先生に驚かれまして、本当に望むんであれば、今すぐ不妊治療の病院に行きなさい。
トシ: お急ぎなさい、と。
阿形: はい。私はどこが不妊治療の病院かもすら分からなかった。そういった状態でしたので、先生にどこが近いですかと聞きましたら、自分の知っているところで成績の良いところがあるから紹介してあげるからそこに行きなさい、と紹介していただけました。それがきっかけです。
トシ: そういうふうにね。いや、もちろん分かりませんもんね、最初は。
阿形: はい、全然分かりません。
トシ: で、先生が驚かれて、すぐ紹介してあげるよって?
阿形: はい、そのスピードのおかげで出産することができました。
山猫: すごく親切な病院ですね。
阿形: それも分からずにね(笑)
山猫: うん、良かった。
西村: スズメさんはどんなきっかけで不妊治療に?
山猫: そうですね、子どもが欲しいと思い始めたのが36歳ぐらいからなんですかね、やっぱりできなくて。友達にちょっとそういった話をしたときに、もう年齢的に病院行った方が良いよって。
トシ: ああ、友達が?
山猫: はい、言われたので。あんまりピンと来てなかったんですけども、行っとこうと思って。
トシ: そういうの、テレビとかでは本当に去年ぐらいから卵の老化の話が出たぐらいで、それまで早く行かなきゃいけない、なんていうふうにはあまり浸透してなかった部分もあったと思うんですね。よく友達、ご存じでしたね。そういう、早く行った方が良いよって。
山猫: 本当に助かりましたね。その点は。
トシ: いざ、こう行くときによく話題になるのは、パートナーですよ。旦那さま。これまでも何回も出ていただいた先生方から聞くのがやっぱり、旦那さんは来ない。一緒に来て欲しい、一緒に治療していくもんだというのが先生も言うんだけれども、やっぱり、来ない。どうでしたか?
阿形: 私の夫は、何の疑問も持たずに不妊治療の病院に、検査も含めて、受けるよ、と言ってくれました。
トシ: すごい。珍しいですね。
阿形: それしか体験してないので珍しいかどうかすら正直分かってなかったところです。でもいま本当に、振り返るとありがたいなと思います。
トシ: スズメさんの方は?
山猫: うちは、そうですね。まあ最初のうちは本当に、それこそもう最悪、体外受精まで進めばまずできるだろうと思っていたんです、お互いに。
トシ: 思いますね、うん。
山猫: なので、そういう意味ではそこまでは、金額はかかるけれども割と協力的にしていただいてたんですが、やはり治療が難航していくにつれてどうしても、なんで妊娠できないのか、というところが分からないじゃないですか。特にPGT-Aをしないと。
病院によっては、精子にも問題があるんじゃないですか、みたいなことも言われてしまって。やはり良い気分はしないじゃないですか、男性側は。そういったところでちょっと亀裂が入ったりっていうのはありましたね。
トシ: そういう時期がね、やっぱりあったりするんです。こないだのジャフコの会社さんですね、業者さんに出てもらったんですけども、男性側がなかなかクリニックに行きづらい、もしくはその精子検査をなかなか受けづらいというので、家でできるものを出したんですよね。チェックするもの。
西村: スマートフォンのアプリと検査キットを使うと、自宅でも精子の状態を検査できるというキットがあって。
トシ: そう、楽天かなにかで買えるってね。
西村: 楽天でも購入できるっていう。
阿形: ニュースで見ました。
西村: そういうふうに男性もまず病院に行く前に、自宅でも気軽にできるところからスタートするっていう方もいらっしゃる、なんて話もあったんですけれども、そのときに、男性の方々がクリニックに行かない理由というのを何点かお話されてたんですよ。トシさん、覚えてますか?
トシ: まず一点は、これは私がクリニックに検査等を紹介しに行く際にも思うことなんですけれども、雰囲気です、クリニックの。女性のカラーがやっぱり多いです。もちろんそうなるかと思うんですけども、やっぱり入りづらいなって思ったり。施設さんによっては男性がもし入ってきたら、ちょっとすぐこっちに来てください、みたいな形で困られる。で、別の方で。そういったのもあったりするので。
山猫: 居づらい空気はあるかもしれないですね。
阿形: そうですね。
トシ: 二つ目は、採精する場所ですね。そういった部屋がもちろんあるんですけども、まあ、無いところもあると聞いています。
(二人): そうなんですか?
阿形: 初めて聞きました。
トシ: 採るところの部屋があるだけまし、というふうなこともあって。そういった場所で採精するのは、なかなか男として難しいものがありますよ。
西村: お部屋が無い場合は?
トシ: トイレでね、採ってくるんです。トイレの場合は人の声が廊下から聞こえてくるし、そういった中で採精しなきゃいけない、と。そうすると、やっぱり男性だと体の調子によって良い状態の精子が、やっぱり波があるので、十分な検査に提供できるものが出せないと思うんですよね。
山猫: そうですね、デリケートなところですよね、そのあたりは。
トシ: そういった話がございましたね。
西村: われわれの、女性として知らない、パートナーの皆さんのそういった心の部分っていうのも実はあるっていうのをこの番組でご紹介させていただいたんですけど。お二人はやっぱりこういう話は初めて聞きました?
阿形: そうですね。夫には、どんな部屋だった? 採精室は? っていうのは聞いたりしたことはあるんですけれども、とても狭かったとか、そういったありきたりな話だけで、そこまでその部屋が無いクリニックに当たったことが無かったので、そういった切実な声があることは知りませんでした。
山猫: 私はいままで3つの病院に通ってまして、なのでうちの主人も3つの病院のお部屋を利用させていただいてたんですけども、楽しんでました。
(全員): (笑)
トシ: ああ、良いクリニックに当たってるってことですね。
山猫: そうですね、やはり特徴がそれぞれあるようなので。品揃えが。
トシ: ああ、そうなんだ。なるほど。
西村: さあ、今週は「不妊治療のきっかけ」と「パートナー・家族と協力する不妊治療」と題してお届けしております。
阿形さん、妊活についてやっぱりトシさん、この番組でも周りで、ご自身も妊活をしている、周りにも妊活仲間がいる、その中でどういうふうに心をポジティブに思いながら治療を進めていくかってね。
トシ: すごい難しいと思うんです。
阿形: そういう声もブログとかでいろいろ拝見しているんですけども、私は「フラクタル心理学」という心理学の講師の仕事をしているんです。そこでいろんな法則があるんですけども、一つの法則として「出来事は遠くから自分に近づいてきて、自分に現実化として起こる」という考え方を一つ持っているんですね。ですので、私は妊活仲間とかいろいろ見ていて、最初は遠くに現実化するので、私が妊娠したい、出産するぞ、と思えば思うほど、まずは最初、遠くの芸能人ですね、会ったこともないような人。
西村: ハリウッドスターとか?
阿形: そうです。そういう方々が50歳で妊娠した、とか40何歳で妊娠したってなると、私もそのとき44~45歳でしたので、あっ来てる来てる。
トシ: 来てる来てる、と(笑)
阿形: でも、まだ遠くかな、だから私ももっと妊娠するぞって前向きに、毎日のできる努力をしていきます。
そうすると、その思考量がたまってもう一段近くに来ます。それが例えば日本の芸能人とか、ブログの中で会ったこともないような人なんだけどもブログだけ知っている、というような形で、見るだけとか聞くだけという位置感覚の遠い世界で、あっまたこの人が妊娠した、あの人が妊娠したってことを聞きます。
もっともっと現実のいまの自分の周りの世界で妊活に対しての努力を前向きにしていると、実はもっと近づいてくるので、妊活仲間とか、リアルな知っている人が私妊娠しました、出産しましたってニュースをそこらここらで見ることになります。そのときに私は、来た、良い波、って思うんです。絶対この波、私つかんで乗るぞって決めるんです。そして、いま自分が目の前でできる、妊活のできることを一生懸命やりました。
そうしたら、なんと45歳で、着床前診断を経て。その着床前診断の情報を得るタイミングもぴったりで、アイジェノミクスさんのERA検査も受けて、もう本当にこのタイミングだっていうところで、たった1個の正常卵を移植しました。もう、この1個しか無かったんです。そして45歳で妊娠しました。そして出産も46歳だったんですね。この法則を知っていたからこそ前向きに、最後まで仲間と楽しく妊活ができたかな、と思います。
トシ: すごい医療方法をいま聞きました。
西村: 心理学の先生だっておっしゃるからもう全部、そっか、みたいなね。
トシ: 全部(笑)
山猫: 阿形さんも、着床の窓ずれてたんですよね。
阿形: はい。ERA検査を受けて初めて、1日ずれているということが分かりました。これを知らずに私が正常卵を最後の1個を移植していたと思うと妊娠できなかった可能性の方が高いので、やはりERA検査受けて良かったなと思います。
トシ: ありがとうございます。
西村: そうやって、どんどん自分に近づいてきてるぞ、こういう思考をお持ちなので。
山猫: やっぱりネットとかを見てますと、上野動物園のパンダが妊娠したときがあったじゃないですか。あのときはみんな「パンダに負けた」っていうつぶやきが(笑) 波のように。
(全員): (笑)
トシ: そう思うんだ。そう思う訳じゃなくて、ちょっと近くになってきたって思って。
阿形: もったいないのが、近くに来ているのに、一番近くって知っている仲間とかお友達が妊娠するっていうことなんですけども、それを嫉妬という形でなんであなただけ、って否定してしまうとどうなるかっていうと、せっかく遠くから自分に近づいていた妊娠、出産という現象が一つ遠くになります。離れていってくんですね。
ですので、本当に一歩先の未来の自分が妊娠したという気持ちで周りの友達を心から妊娠を喜ぶと、本当に楽しい気持ちでわくわくしながら次の自分の妊娠が待てるかな、と思います。
トシ: 仕事についても同じことが言えると思うんで。
阿形: あっ、そうですよ、同じです。
トシ: ちょっとこれ、取り入れさせてもらいます。
阿形: はい、ぜひ。
西村: ゲストでご出演いただきました「着床前診断を推進する患者の会」の阿形路子さん、それから山猫スズメさん。最後に皆さんにメッセージをお願いします。まずは阿形さんからお願いします。
阿形: はい。現在めでたく産休や育休中の幹事が多いのです。そして、動ける人数がどんどん少なくなっていますので、現在患者の会ではPGT-Aの一日でも早い規制撤廃に向けて一緒に活動していただける幹事を募集しています。ご協力いただけます方は、患者の会のホームページの問い合わせフォームからご連絡ください。一日でも早く、皆さんがかわいい赤ちゃんを抱けるように推進したいと思いますので、ご協力どうぞよろしくお願いいたします。
西村: ありがとうございます。次にスズメさん、お願いします。
山猫: まず今回、先週と先々週と2回引き続き、臨床研究の意見を患者の会の公式アカウントの方で募集をさせていただきまして、おかげさまで意見がいろいろ集めることができまして、ご協力くださった皆さまにはもう本当に深くお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
やはりいま現状、不妊治療というのが情報戦になっている面がありまして、PGT-Aに関しても今後はどこでも受けられるように一日でも早くしていきたいと思いますので、患者の会の活動の方もご協力よろしくお願いします。
それと、個人的なお話なんですけれども、インターネットの方で妊活マンガの執筆の方を進めていきたいと思いますので。こちらはツイッターの方で無料で見れるような形にしていきたいと思いますので、そちらもどうぞよろしくお願いします。
西村: はい。3週にわたって阿形路子さん、山猫スズメさん、ありがとうございました。
(全員): ありがとうございました。
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