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『最先端の医療で最短の妊娠』について 。体外受精のシュミレーションについても

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FM西東京にて毎週あさ10:00~放送中の「妊活ラジオ~先端医療の気になるあれこれ」。毎週さまざまな先生方をゲストにお招きし、不妊治療の最先端医療技術についてわかりやすくお伝えしていきます。

番組内容

2021年6月13日放送分

 

西村: さあ今週も、はらメディカルクリニックにお邪魔させていただいております。

トシ:マネージャーの関口あやさんと、一般社団法人MoLive代表の永森咲希さんからお話しを伺います。

関口: 渋谷区代々木にございます、不妊治療を専門とするクリニック、はらメディカルクリニックよりまいりました、マネージャーの関口と申します。

当院の開業は1993年と都内で一番古く、これまでに24万人の患者様の不妊治療をお手伝いして来ました。今日はその経験を踏まえてお話しさせていただきます。

西村: そして、一般社団法人MoLive代表の永森咲希さんです。

永森: 不妊カウンセラーの永森咲希と申します。

2014年に妊活、不妊で悩む方々のサポートをすべく、一般社団法人MoLiveを立ち上げ、代表として活動をする傍ら、はらメディカルクリニックで患者様のカウンセリングを担当させていただいております。今日はよろしくお願い致します。

西村: 今日のテーマは、最先端の医療で最短の妊娠を、と題してお届けしていきたいと思います。

まず、関口さん、是非リスナーの皆様にですね、こちらのテーマにされた理由、お話しいただいてよろしいですか?

日本の不妊治療は長期化している傾向に

関口: 今日、これをテーマにしたかった理由は、不妊治療の実際を考えた時に、残念ながら最短妊娠ではないからなんですね。日本の不妊治療は長期化していると思います。

永森さんも不妊治療の経験がおありで、体外受精もされたと思うんですけれども、どの位の期間、治療をされてらっしゃいましたか?

永森: そうですね、私は丸6年と少しですね。長い時間、不妊治療に費やしました。

関口: そうですよね。私も7年、治療しました。

そして当院に初診でいらっしゃる方の約半分が他のクリニックで結果が出ず、転院されていらっしゃるんですね。治療歴を拝見すると、平均1年から2年なんですが、5年、6年と続けてらっしゃる方も少なくないんです。

永森: 約半分が転院組ということですね。転院のタイミングってその方次第で異なります。1年満たなくても結果が出なければすぐ検討される方、2、3年通院して転院される方、10年通っても転院されない方とまちまちです。ですが、往々にして別のクリニックなら出来るんじゃないか、っていう思考傾向を多くの方がお持ちです。その思考がつまり治療の長期化にも繋がってしまうんですよね。

関口: そうなんですよね。妊娠すれば不妊治療は終わるわけですから、妊娠しないので治療が続きますよね。

そこで皆様ご存知かどうかなんですけれども、日本は世界で最も多くの体外受精が行われている不妊治療大国です。日本の1年間の体外受精件数は約25万件、これはアメリカで行われている体外受精の約1.5倍もあるんですね。

永森: 25万件って、そんなに多くの日本人が体外受精をしてるっていうことですよね。

関口: そうなんですね。なぜそんなに多いかというと、まあ理由は簡単でして、日本は世界に比べて、体外受精の成功率が低いからなんです。日本の体外受精1回あたりの成功率は6%と言われております。アメリカは40%と言われていますので、これが長期化する理由ではないかと思っております。

日本と海外、不妊治療の違いは?

永森: 日本とアメリカは何が違うんですか?

関口: そうですね、体外受精を4つのプロセスでご説明していきますね。

採卵、受精、そして培養、それを移植をしますので胚移植と、大きく分けてこの4つがあるんですが、この4つそれぞれの中に細かい治療があるんですね。その治療を選択する時に、その選び方がアメリカと日本では違うと感じています。

永森: アメリカと日本で治療の選び方が違う、それはどういうことでしょう?

関口: はい。私もアメリカの治療に詳しいわけではないんですが、アメリカの方法は簡単に言うと非常に合理的だと思うんですね。その理由をアメリカは体外受精の費用が高いので、1回で妊娠させる必要があるからだ、という人がいますが、つまりもう、そういうことでして、妊娠率が高い治療をされています。

で、この時、皆さん一見当たり前のことだと思うかも知れませんが、日本は少し違うんですね。その違いなんかは海外の論文では日本の不妊治療はユニークだとか、日本以外はこのように行われる、とか書かれますので、日本は良くも悪くも独特の不妊治療文化が育っているといえます。

西村: 永森さん、その辺りはどうお感じになりますか?

永森: そうですね、日本独特の不妊治療文化っていうのにはなるほど、という風に思います。でも治療方針の立て方っていうのは海外、日本異なるかも知れませんが、海外、日本問わず患者の思いっていうのは同じはずだと思うんですよね。高額な費用をかけて身体にも負担がある。誰もが短期間で妊娠したい、それに尽きるんじゃないかと思います。

関口: そうですね。私は日本の不妊治療を考えた時に、木を見て森を見ずだなあ、という風に感じることが多いです。治療を選択する時に、最終的にこの方法の積み重ねで妊娠すること、っていう考え方よりも、まず木を見てしまう、まずその治療をすることの方が優先されてることが多いのではないかなって思うんですね。

例えば採卵をする時、卵巣刺激の方法はたくさんありますよね。たくさんある中で、妊娠率だけで考えたらこの方法が高いんだけれども、って考えた時に、例えば先生からなるべく優しい方法で採卵しましょう、って言われてしまうとそれが自分に一番いいと思ってしまうんですよね。こういうことが積み重なっていくと、最終的に妊娠率が高くない治療方法を続けている方も多いのかな、と思います。

永森: うーん、考えさせられますね。何が自分にとってベストか、本質が見極められないっていうこともあるかも知れませんよね。では具体的にどうすればいいんでしょうか?

関口: そうですね、皆様、患者様一人一人の考え方ひとつで不妊治療の流れって変えられるんですね。不妊治療はそもそも、悪い部分を治す医療ではありませんよね。妊娠しやすい方法を選択していく医療です。だからその選択意識を変えていきましょう。

はらメディカルクリニックにおける妊娠率実績

関口: 後半では最先端の医療で最短の妊娠をするための考え方についてお伝えしていきたいと思います。実際皆様が自分の意識付けで出来る、最短で妊娠するための方法を2点お伝えしたいと思います。

西村: はい。

関口: その前に、まずはらメディカルクリニックの妊娠成績からお伝えしますね。当院は1993年の創業で、今年28年目を迎えます。去年2020年が切言の年になりまして、治療コンセプトを最先端の医療で最短の妊娠を、とした年でした。

当院にあるたくさんの不妊治療の中から実際に患者様の治療を選択する時、最短の妊娠になるようにということを突き詰めた一年だったんですね。その結果、2020年は過去最高の妊娠率と妊娠卒業者数になったんです。

永森: それは素晴らしいですね。

関口: 当院の移植あたりの妊娠率は40歳未満で42%、40歳以上で34%です。これは日本の全国平均よりかなり高いですので、誇れる成績ではないかなと思っております。

永森: はらメディカルさんの治療自体変わってないのにやり方を変えるだけでそんなに妊娠率って違うものなんですね。

ちなみに妊娠率ってクリニックによってかなり違います?

関口: うーん、正直言って違うと思います。

クリニックによってそもそも出来る治療が違いますし、医師の経験値が違えば判断が違います。培養士の技術力が違い、複雑な治療をコーディネートさせるためにはチームワークも必要なんですね。ですので結果的に妊娠率には差が出ていると思います。

永森: そうなんですね。HPには妊娠率を掲載されていない施設も多いですが、問い合わせをすれば教えてくれるかも知れないので、そこは確認してからクリニックを選んでいただきたいですね。

自身の体外受精のシュミレーションを

関口: はい、本当にそうですね。

そしてどのクリニックで体外受精をされる場合であっても、ご自分がこれから行う体外受精について、事前にシュミレーションして欲しいんですね。このシュミレーションすることで最短妊娠に繋がりますし、治療の理解と納得にも繋がるんです。

永森: シュミレーション、具体的にはどういうことでしょう?

関口: はい。具体的には体外受精のプロセスを後ろから順番に考えていって欲しいんですね。

それぞれのクリニックで妊娠率が違いますのでまずはそれを調べて欲しいんですが、胚盤胞ひとつ移植するあたりの妊娠率っていうのを確認してください。そして、例えば胚盤胞ひとつ移植するあたりの妊娠率が35%だとしますね。その場合、3個胚盤胞があれば理論上は妊娠出来ますよね。

永森: なるほど、1回35%の確率のことを3回すれば100%を超えてきますもんね。

関口: そうですね。理論値にはなりますがそういうことになります。で、この段階で妊娠するためにはとりあえず胚盤胞が3個あるといいということが分かりますよね。

では、次のステップに行きますね。次は、体外受精のプロセスを後ろから遡っていきますので、培養について考えていきます。培養後に胚盤胞を3個残すためには、何個の受精卵が必要でしょうか?って考えるんですね。これも、それぞれのクリニックにデータがあります。胚盤胞形成率っていったり、胚盤胞達成率といったり、言い方は様々なんですが、それをクリニックに確認してみてください。で、この時、この培養成績が一番年齢差が出るところなので、年齢別のデータを確認出来ると良いです。

永森: わかりました。受精卵が何個胚盤胞まで発育するのか、というデータをクリニックに確認するんですね。

関口: はい、そうです。例えば当院ですと、38歳の胚盤胞形成率は50%なので、3個胚盤胞を作るために受精卵は6個必要ということがわかります。

受精卵が6個必要なら、今度は卵子は何個必要なのかっていうことを考えていきます。必要な卵子数を出すためには、今度は受精率が必要になるんですね。例えば当院ですと38歳のコンベンショナルIVF、いわゆるふりかけという受精方法ですと、受精率は70%ですので、6個の受精卵を作るためには9個の卵子が必要、ということになるんです。

永森: なるほど〜。そうやって後ろから計算すれば全体が見えてくるんですね。そうすると、それによって妊娠までどの位かかるのかもイメージ出来ますね。

関口: そうですよね。そうなんです。もし培養技術が少し苦手で、胚盤胞形成率が30%位しかない施設であれば、必要な採卵数は増えてきますよね。こうやって見ていくと必要な採卵数がわかります。そうしたら、それを1回の採卵で採取したいのか、であれば刺激量は増えますし、2、3回に分けて採卵するのであれば自然や低刺激になります。そのへんはどちらがいいのか正解はないので、ご夫婦と先生で相談していけばいいところです。

永森: ものすごく論理的です。どんな風に治療を捉えたらいいのか、進めたらいいのか、その根拠がとってもわかりやすかったです。

ERA検査で妊娠継続率がアップ

関口: ありがとうございます。

今日お伝えしたいもうひとつは、胚移植が不成功だった時に、その原因を追求するための検査をして欲しいんですね。

永森: 着床不全のことですね。

関口: はい、そうです。

着床不全の検査はいろいろあるのですが、一度も、これまで着床しない人が検査をしてその後、最も妊娠率が上がっているのがアイジェノミクスさんが行っているERA検査なんですね。当院の2020年のERA検査後の成績は、それまで0%だった妊娠継続率が35%まで上がっています。そして最終的に妊娠されてご卒業された方が30%にもなりました。

永森: え〜!それはすごい変化ですね。

トシ: いやあ、使い方がすごい上手なんです。ありがとうございます。

関口さんと永森さんからリスナーの皆様へメッセージ

西村: さあ、それではお別れの時間が近づいてまいりました。

最後にお二人にですね、是非メッセージを頂戴したいと思うんですが、永森さんお願いします。

永森: はい。先程のお話で、木を見て森を見ず、というお話がありました。精神的なケアに関しても同じことが言えるんですね。この不妊治療は治療といっても不調を治すものではなく、望みが叶うか叶わないかの特殊な医療です。ですから、望みが叶わなければ辛くなって当然、辛い辛いとご自分を追い込まずに時に俯瞰的に自分を見て、辛くなっているかどうか、もし辛くなっていたらメンタルケアも大事に考えていただきたいと思います。

西村: はい、ありがとうございます。そして、関口さん、お願い致します。

関口: はい。皆様、不妊治療は選択の連続です。でもそこに、チャンスがあります。選択をする時、どうぞ最短の妊娠を意識してみてください。意識が変わると行動が変わります。皆様の最短の妊娠を応援しています。

西村: ご出演頂きましたのは、はらメディカルクリニック、マネージャーの関口あやさん、一般社団法人MoLive代表、永森咲希さんでした。ありがとうございました。

関口・永森: ありがとうございました。

西村: トシさん、3週にわたってはらメディカルクリニックからお届けしてまいりました。

トシ: そうですね、培養室長の中山さんから始まってですね、院長先生、そしてマネージャーの関口あやさん、そして一般社団法人MoLiveの永森さん。私はこのはらクリニックの話がですね、このクリニックの全てを表していると思います。確かに、行きたいと思えるクリニックでした。ありがとうございます。

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